日本海洋学会で極域の気候変動に関する特別セッションをするという。
9月17日から21日までで、開催地は北海道大学だ。
****
南極海は、北極海のようにメディアに取り上げられることは少ないが、実は確実に変わりつつあることが最近の研究でわかってきた。
それは、世界中の底層に拡がり海洋大循環を作っている南極底層水がこの30年で減少しつつあることや、海洋酸性化が顕在化して生態系に深刻な影響を与える可能性があることなど、地球の気候や生態系に関わる重大な変化である。
一方、今から30年ほど前は、夏でも北極海のほとんどが多年氷で覆われていた。
それが21世紀になり、夏の最小海氷面積の減少は予想を上回る早さで進み、今やその面積は1980年代の半分にまで減った。
近い将来、北極海が季節海氷域になるのは必至と言われている。
その時には、北極海を取り巻く自然環境は、大きく変わるであろう。
加えて季節海氷域となった海は、北極海航路など封印されていた社会的な役割、あるいは経済活動への期待が熱を帯びている。
****
環境異変を危惧する人もいれば、新たなビジネスチャンスと思う人もいる。
研究者たちはしたたかだ。
どちらに転んで、これまでにない研究成果があげられるからだ。
ただ、人間や野生動物がどこまで耐えられるかは未知数だ。
いつの日か、もっと大きな気候変動がおしよせてくるだろうし、それに備えて準備するのも役割なのかもしれない。
もう後戻りは効かない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます