2021年7月23日からの5日間、絶滅危惧種と指定されている琵琶湖の固有種ビワオオウズムシの生息調査を実施します。2019年に琵琶湖の全循環がストップしてから、湖底の水温と溶存酸素濃度の計測を続けてわかってきたことは、水温上昇とそれに関連した溶存酸素濃度の低下です。このことが、湖底に生息する生物に致命的な影響を与えています。琵琶湖の固有種であるビワオオウズムシもその例外ではなく、この数年で驚くほど数が減少しました。このまま地球温暖化が続けば、湖底環境は悪化し、ビワオオウズムシは絶滅の道をたどるかもしれません。そういう危機感から今回の大規模調査を実施するに至りました。
本調査では、琵琶湖の固有種であるビワオオウズムシの大規模な調査を実施することで、地球温暖化が琵琶湖のような中緯度にある温帯湖沼に与えている深刻な影響を明らかにし、得られた結果から湖沼の貴重な生態系の保全につなげることを目的としています。
今回は3台のホバリング型AUV(自律型無人潜水機)を用いて、湖底の画像や映像を撮影し、詳細な湖底地図と合わせて生物や周辺の水質等を計測します。2018年から実施しているJSTジュニアドクター育成塾の小中高生と一緒に、膨大な湖底画像から生きたビワオオウズムシを探し出します。
この調査は長浜港を基地として行います。日程は以下のとおりです。
7月 23日(金)塩津湾
7月 24日(土)葛籠尾崎(竹生島北)
7月 25日(日)第1湖盆(今津沖)
7月 26日(月)最深部(安曇川沖)
7月 27日(火)最深部(安曇川沖)
この調査の間に、現地の調査状況をZOOMで動画配信を行う予定です。URLをアップしますので、その時にはぜひ視聴にご参加ください。
立命館大学総合科学技術研究機構 熊谷道夫
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