ユリ科ホトトギス属の「ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)」。北海道~九州の山野に生育する多年草で日本固有種。草丈は30~60センチで8~10月に茎先と葉腋に直径3センチほどの花を1~2個咲かせる。花被片は6枚で平開し先端は反り返らない。雄蕊は6個で基部では雌蕊の花柱を包むように立ち上がり花糸の表面に斑点は無い。上部で反り返り先端に葯を付ける。雌蕊には紫色の斑点があり上部で3裂し更に先端で2裂している。当地の植物目録には本種の記載が無く高尾山系には生育しているようだが個体数は極めて少ない。当地で植物観察を始めた頃にヤマジノホトトギスと思っていたものは画像を良く見てみると誤認だった(訂正済)。当ブログではPart1から初めての掲載になる。これは昭和記念公園のもの。
日本全土の山野に生育する「ヤマホトトギス(山杜鵑草)」。ユリ科ホトトギス属の多年草で花期は7~9月。同属のヤマジノホトトギスは茎先と葉腋に1~2個の花を付けるが、本種は散房花序を出し花を数個付ける。花被片は3枚の外花被片と3枚の内花被片の6枚で先端は反り返り表面には紫色の斑点がある。外花被片の基部には袋状の膨らみがある。雄蕊の花糸は基部で束状になり表面には紫色の斑点がある。ヤマジノホトトギスに比べると低地でも普通に見られる。
タデ科イヌタデ属の「ネバリタデ(粘り蓼)」。北海道~九州の陽当たりの良い山野に生育する一年草で草丈は40~60センチ。茎の上部に粘液を出し触ると粘つく。花期は7~10月で茎の上部に総状に直径1~2ミリの小花が付く。花弁は無く萼片だけだがイヌタデやのような花色ではなく緑色なので草むらでは全く目立たない。花はほとんど開かないがひとつだけ開花しているものがあった。これは長池公園のもの。