goo

クロヤツシロラン・7~花

 先日アキザキヤツシロランの開花を確認したが、同じ時期に咲くこの「クロヤツシロラン(黒八代蘭)」を見つけるのに今年はずいぶん苦労した。3週間ほど前から当地の数ヶ所の生育地を探索したがなかなか見つからない。ある時は当地の専門家と卒論(竹林の生態調査)目的の学生さんとともに薄暗い雑木林の中をやぶ蚊と戦いながら小一時間探索した。クロヤツシロランはラン科オニノヤガラ属の多年性菌従属栄養植物で自身では葉緑素を持っていない。花期の草丈はわずか2〜3センチで花色は地面や枯れ葉と同じなのでこれを見つけるのはなかなか至難の業。晩秋の果実期になると背丈は30~40センチになり見つけるのは容易くなる。クロヤツシロランの花は直径1.5センチほどで大きく開いているのは背萼片と側萼片。その間に2枚の側花弁がある。花の中の白い球体は雄蕊の葯。雄蕊と雌蕊は合着して蕊柱となりそれを下から包むように唇弁がある。アキザキヤツシロランの花被片の表面にはイボ状の突起があるが本種の表面はサラッとしている。
コメント ( 6 ) | Trackback ( )

ミツバフウロ・2~開花1

 高尾山“6号路”に咲いている「ミツバフウロ(三葉風露)」。フウロソウ科フウロソウ属の多年草でゲンノショウコにそっくりな花を咲かせるが、ゲンノショウコの下部の葉は5裂するのに対して本種の葉は全て3裂する。高尾山に生育するタカオフウロも同じく葉は全て3裂するが、タカオフウロの茎や萼片に開出毛が多く生えるのに対して、本種の毛は少なかったり下向きや屈毛になる。
コメント ( 10 ) | Trackback ( )

キカシグサ・2〜開花

 ミソハギ科キカシグサ属の「キカシグサ」。水田や湿地に生育する一年草で8~10月に葉腋に直径2ミリほどの小さな花を付ける。先端の尖った萼片の間に小さな花弁が4枚ある。同属のヒメミソハギの花に似ているが葉の形状が全く異なる。キカシグサの名の由来は不明だが、その種子がシラミ(古名がキサシ)の卵に似ていることから名付けられたという説があるようだ。これは長池公園“里山”の水田の畦のもの。
コメント ( 2 ) | Trackback ( )