goo

クモキリソウ・4~雑木林

 池波正太郎著『雲霧仁左衛門』シリーズが、NHKで日曜日の朝に再放送されており毎回楽しみしている。そもそも“雲霧仁左衛門”とは江戸時代中期に暗躍した盗賊だが実在したか架空なのかはわからない。南町奉行大岡越前守や火附盗賊改方安倍式部信旨の活躍を語り継ぐために当時の盗賊捕縛事件に色付けをして後世に伝えたのだろう。小説は昭和48年から週刊誌に連載され、その後、映画やテレビドラマ化されている。盗賊の雲霧仁左衛門は人を殺傷することなく悪事を働く商人や役人を懲らしめるストーリーで日本人が大好きな勧善懲悪(盗賊を善とするのも可笑しいが)ものではある。
 写真は我が家から徒歩10~15分ほどの雑木林で咲き始めた「クモキリソウ(蜘蛛切草・蜘蛛散草・雲霧草・雲切草)」。ラン科クモキリソウ属の多年草で、和名の由来は花が蜘蛛に似ているとか、蜘蛛の子を散らしたように咲くことからクモチリがクモキリに転訛したとか、雲のかかるような場所に生育するなど諸説ある。ひとつの花の長さは1.5センチほどで細長い背萼片と側萼片が3方に拡がり、唇弁の先端がクルっと曲がっている。側花弁は更に細く下方に糸状に垂れ下がっている。以前はこの花を求めて山奥まで探しに行ったが、こんな近くにあるのを3年前に当地の公園管理者に教えてもらった。ちなみにここは雲が掛かるような高地ではないが以前ここでマムシに遭遇したことがある。くわばらくわばら。
コメント ( 6 ) | Trackback ( )

ウツボグサ・2~開花

 シソ科ウツボグサ属の「ウツボグサ(靫草)」。陽当たりの良い山野に生育する多年草で草丈は10~30センチ。6~8月に茎頂の果穂に紫色の唇弁花を多数咲かせる。花後には花穂が褐色になり枯れたように見えることから「カコソウ(夏枯草)」とも呼ばれている。“靫”とは矢を入れて背負う道具であり、花穂の形が似ていることから名付けられた。同じ読み方の“靱”は、なめし皮を意味する字。“強じんな身体”や“じん帯損傷”の“じん”は“靱”のほうになる。従ってウツボグサは“靫草”であり“靱草”は誤用になる。
コメント ( 4 ) | Trackback ( )