ぶちょうほうの画(え)日記(一語一画(え))

亭主「ぶちょうほう」の身の周りのいろいろな風物を「画(え)日記」ふうに綴っています。

8/15日 木曽御嶽、山上の五湖巡り その1:中の湯登山口から八合目の森林限界まで 

2013-08-17 08:06:22 | 草花
未だ夜闇の午前3時からヘッドライトを点けて歩き始めます。そのココロは森林限界で日の出に臨みたかったからでした。
(その点では生憎の空模様でしたが、雨男の小生ならばそれは当然のことでした。)

歩き始めは道に木材が階段状に敷き詰められていて、道の両脇の笹も刈り払われており、配慮の行き届いた道が続きます。

途中に「お百草」を売るための小屋がありますが、いつ来ても戸が閉まっています。
登山客が田の原から登る「王滝ルート」に集中する所為なのでしょうか。
客が来なければ商売として成り立たないのは仕方のないことのようですね。
因みに、山頂剣ヶ峰までの所要タイムを比べてみると、この中の湯からの「黒澤コース」を使うと4時間15分を要するのに対して、七合目まで車で入れる田の原からの王滝コースでは3時間しか掛かりません。
こういうご時勢ですから、短く・手軽に山頂に到達できる道を使いたがるのは仕方のないところでしょうね。

しかし、田の原コースは昭和54年の御嶽噴火の際、大量に降った火山灰によって、高山植物は大打撃を受けていて、今でも植生は完全には回復し切れていません。
そのために荒涼とした感じが残る道筋であります。

それに比べると火山噴火の降灰現象から逃れられた中の湯からの「黒澤コース」では、森林美の中を森林限界まで登って行けて、植生の変化を楽しむことが出来ます。

7合目休憩所前の神様 ↓

この写真を撮ろうとしてカメラを構えますが、通電しません。眠たいのは人間だけではなくてカメラの方もまだ寝ぼけているようです。いろいろ弄って、やっとフラッシュが焚けるようになりました。



七合目の行場小屋 ↓

小屋内は明かりが灯っていましたが、外は未だ闇になっています。



キオン ↓

七合目を過ぎて20分頃を過ぎると、あたりが白み始めてきました。
道の両側にハイマツが出てきます。ハイマツは高山植物とされていて、森林限界から上部で生育しますが、まだ亜高山帯の標高2200m付近から散見されるようになってきます。 そんな場所にキオンの花が咲いていました。



女人堂(八合目) ↓

歩き始めて2時間近く経ち、あたりは明るさを増し、高度も650m近く上げると、八合目に着きます。
日の出タイムなのですが、未だ太陽が地面近くのガスに邪魔されて見えてきません。
ここに女人堂という山小屋が建ち、このあたりが森林限界になります。
天気の良いときなら北アルプスや中央アルプスが見えるはずですが、遠くへの眺望は利きません。



ここにも霊神 ↓

その昔はここが女人結界で、これから先に女性が入ることは許されなかったそうです。
女性たちはこの祠から、山頂を遥拝したのでしょうね。



女人堂から山頂方面 ↓

画面の左端が山頂方面になります。途中の山小屋も見えています。



ウラジロナナカマド(若い実) ↓

今回はウラジロナナカマドの実も花も見ています。 花のほうは後日出てくることになります。



イワギキョウ ↓

花の終焉ですが、一輪だけ良い姿が残っていました。



トウヤクリンドウ ↓

中央にクリーム色の花があります。秋口に咲いてくるトウヤクリンドウです。
トウヤクとは当薬でセンブリを指すようで、これにもそのような薬効があるとされたのでしょうね。



ミヤマアキノキリンソウ ↓

深山秋の麒麟草・・・・・名前では「秋」の花のはずですが、花はどんどん進んでいます。



ミヤマコウゾリナ ↓

日の出の時間は過ぎていますが、その方角は低くガスが積もっていて、なかなか太陽が姿を現してきません。少ない光量の中で撮っています。



モミジカラマツ ↓

ナナカマドやハイマツの隙間を埋めるように、こういう花も出てきます。

コメント (6)
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8/15日 木曽御嶽、山上の五湖巡り  (ダイジェスト) 遠くの視界は殆どゼロ 夏の花は終焉間近か 

2013-08-16 11:14:47 | 草花
昨(8/15)日に木曽御嶽を歩いて来ました。
お盆の最中ということですので、働く若い人たちの邪魔をしないように、交通渋滞を起こす原因にはならないように、小生自身は遠出をするのを控えていましたが、お天気との兼ね合いで、この日に山に入るようなことになってしまいました。

まず、問題の交通渋滞ですが、往きは問題がなさそうで、復路に渋滞を起こさないよう、遅い時間に走るように心掛けました。

いつものことですが、前夜のうちに、途中で夕食を済ませてから、登山口に着いておきました。
当初の計画図 ↓

アプローチの車走行部分ですが、反対側斜線の豊田市に帰ってくる車両で、山間部の道が大渋滞していました。
その結果、この道を復路に使うのに、午後7時頃までは渋滞すると見て、今度の山行予定を変えることにしました。
山での時間を増やして、帰途につく時間をもっと遅くなるようにしようとしました。




実際に歩いた部分 ↓

赤い実線が今度の行跡です。
時計回りに歩いたわけですが、当初の計画にプラスして、山の中に居る時間を大幅に増やしました。



中の湯登山口 ↓

山を歩く15日は、森林限界でご来光を見るべく2時起きして、午前3時出発です。
未だ暗いので、ヘッドランプをつけて歩き始めます。(下山時に撮影)
この大きな「中の湯」とある建造物は今では廃屋です。残念なことですね。



女人堂(8合目) ↓

このあたりが森林限界ですね。歩き始めて2時間、そろそろ日の出タイムとなります。
(日の出は雲に邪魔されて、大したものではありませんでした。)



山小屋 ↓

森林限界の上、岩上に二つの山小屋があります。
右が9合目の小屋で、左は9合半の山小屋です。



頂上へ到る最後の石段 ↓

この石段を上りきれば絶巓に躍り出ます。しかしこの急勾配で81段はかなりのきつさです。
皆さんは階段に取り付く前に一息入れるようです。



山頂 ↓

山頂についてあたりの山を眺めますが、御嶽の峰以外は遠くへの見晴らしはすこぶる悪くて、アルプスは南・北・中央が全く見えません。
白山・富士山も勿論見えてはいません。奇跡的に乗鞍岳のみが薄ボンヤリと見えていました。



一の池と二の池 ↓

山頂(剣ヶ峰)からは一の池(左)と二の池(右)が同時に見えます。
一の池は水面が見えない(水のない)湖?で、二の池は日本最高所の火山湖だそうです。



三の池 ↓

深い色と豊富な水量、御嶽の山上湖の中で一番それらしい湖ではないでしょうか。



四の池 ↓

この湖?も貯水面のない湖で、湿地と言ったほうがよいかもしれません。
しかし、水路は有って、東に水の出口が有り、そこから滝を作って落下しています。



五の池 ↓

飛騨側の五の池小屋の前にありますが、雨の少ない今季は瀕死の状態で、真ん中に僅かの水を残すだけになっていました。



雪渓渡り ↓

こんな時季にも未だ雪が残っていて、渡るのに怖い思いをしました。ここを歩くのならアイゼンを持ってきておいたほうが安心です。





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8/5日 南信の尾高山(2212.4m)と奥茶臼山(2473.9m)探訪 その7(最終):しらびそ峠に戻るまで

2013-08-13 07:06:06 | 草花
最遠点の奥茶臼山に着いた後、そこで食事を取り、もと来た道をピストンのように愚直に歩いて、しらびそ峠まで戻ることになります。
携帯電話が通じましたので、家に電話を入れます。
この分ですと家に着くのは夜の9時を上回るようです。

樹木の密生 ↓

奥茶臼山の山頂で周りを撮ったものです。この密集状態ですので、遠くへの眺望は全く無理のようです。
それにしても原始の状態とはいえ、凄い混み様ですね。
写真を撮ってから帰路に就きます。



サルノコシカケ ↓

枯れ木に着いていました。このあたりから雨が断続的に降り、カメラをリュックに収めます。


復路の尾高山 ↓

同じ道を戻っていますので、見落としがなかったかそれを確認しながら戻りますが、そういうものに気づかないうちに尾高山に戻って来ました。



タケシマラン ↓

見落とし発見!  タケシマランに綺麗な実がなっていました。
このあたりでは雨の模様によって、カメラをリュックから出したり、入れたり、面倒な作業を繰り返しています。



前尾高山 ↓

帰りの山道歩きの所要時間は5時間と見ていましたが、大体想定内のペースで来ているようです。前尾高山まで来ると、残りはもうちょっとだけですね。



根上がりの樹木 ↓

こういう平坦地で何を好んで、地表から根を出してしまうのか? どう推測したらよいのでしょうね。



センジュガンピ ↓

これも重要な見落としでした。 センジュガンピをこの山で見るとは思いませんでした。




右側に落葉松の植林帯 ↓

落葉松の植林帯に入ってきました。山道は残りわずかになりました。



ノリウツギ ↓

山道沿いにノリウツギが一本ありました。見上げて撮ります。



下に車道 ↓

眼下に車道がちらちらと見え出します。あの道を車で下っていくことになります。



しらびそ峠に到着 ↓

朝、始めの一歩を踏み出した峠に着きました。



歩行数 ↓

標高差は600m弱しかありませんが、歩数と距離は伸びていたようです。3万歩を超えるアルバイトとなりました。
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8/5日 南信の尾高山(2212.4m)と奥茶臼山(2473.9m)探訪 その6:最終目的地の奥茶臼山まで

2013-08-12 07:21:59 | 草花
この記事では今山行の最終目的地である、奥茶臼山までの道中をレポートします。
なお、尾高山から奥茶臼山までの稜線沿いの山道は近年(2007年)に開かれた新しい道のようでした。
この日は休み明けの月曜日で、天気も曇りで、決してメジャーな山でも有りませんので、山中では誰にも出会うことなく、静かな時間を持てました。

華やかなキノコ ↓

苔むす道筋に場違いのような色をしたキノコが出て来ました。さて、食べられるのか? 毒なのか?


ベニバナイチヤクソウ ↓

今まで見てきたマルバノイチヤクソウの純白色とは違い、薄く紅差したイチヤクソウが出て来ました。こんなに薄い色ですけれど、ベニバナイチヤクソウでしょうね。



樹木の隙間 ↓

時々このようにぽっかりとあいた樹木の空間に出くわします。これも落雷により出来た空間なのでしょうか。



再び霧の中へ ↓

この道のりの基調はやはり原生林の中を歩くことに有ります。
哲学・・・その道に長じているわけではありませんが、なにか哲学的な小道のように思えませんか。



今度は草地 ↓

頭上を覆う樹木が途切れてこういう場所に来ると、しばしの憩いを求めたくなりますね。
しかし、今回は草が濡れていますので、見て通り過ぎます。



霧はお友達 ↓

霧は何処までも付いて来ます。
この言い方は正しくありませんね、本当は霧の中を歩いていくのですから・・・・。



ある種の縞枯れ ↓

北八ヶ岳の縞枯山程には顕著でありませんが、ここにも縞枯れが出てきました。
ここまで来るとめざす山頂は近づいています。



キオン ↓

ある一角でキオンがたくさん出て来ましたが、皆ツボミです。
この株だけが少し花を開いていました。



アキノキリンソウ ↓

標高は2400mを超えたと思われます。ゆえにこれは”ミヤマ”の付くアキノキリンソウかもしれません。



再び縞枯れ現象 ↓

枯れ木の密度が高いですね。



奥茶臼山の山頂 ↓

最終目的地に着きました。途中で休みを入れたり、写真を撮ったり、疲れてしまったりして、歩き始めてからここへ付くまでに、6時間半も掛かってしまいました。



二等三角点 ↓

山頂には二等三角点の標石があります。



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8/5日 南信の尾高山(2212.4m)と奥茶臼山(2473.9m)探訪 その5:岩本山までアップダウンを繰り返す

2013-08-11 07:24:30 | 草花
歩き始めて4時間半くらい経ちました。この辺りまで歩いて来て、疲れを感じ始めました。
元気なときならば、なんの疲れも感じないところですが、この時は先のことを考えて些かウンザリし始めました。
原生林の中を歩いていることに倦んだのではなくて、体力的なバテ現象に近いものを感じてきました。
体調がまだ本来のものではないことのようです。
しかし、歩き通そうと言う気持ちを維持し続ければ、問題なく歩き切れると判断して、歩を進めて行きます。

イワカガミ ↓

これは「コ」のつくイワカガミでしょうか。花は全て終わっていました。


霧の中 ↓

霧の中の尾根道をアップダウン繰り返して歩いて行きます。



樹幹にコケ ↓

あたりが常に湿っている場所のようですね。幹にコケが貼り付いています。



ナナカマドの大木 ↓

ナナカマドのこれほどの大木は見た記憶がありません。貫禄充分ですね。



カニコウモリ ↓

これも花を見られませんでした。葉がカニの甲羅を連想させて面白いですね。



ジクジクしたところ ↓

稜線上にこんなところも出てきます。ごくごく浅く水も貯まるようです。こういう場所は鹿やイノシシ・熊などの水場になりそうですので、足跡を探しましたが、見つけられませんでした。



セリバシオガマ ↓

尾根道に珍しく岩場が有りました。岩壁にはセリバシオガマがついています。



トリアシショウマ? ↓

岩壁の遠いところで白い花が咲いています。望遠で近づけますとトリアシショウマのように見えました。


トリカブト? ↓

これはトリカブトの一種でしょうか? 蕾が未だ小さいです。



サルオガセ ↓

これを見てすぐに「サルオガセ」とは判りますが、それではそもそも「オガセ」とは一体なんでしょうか?
ネットで調べると、【麻桛/苧桛/纑】と書くようで、ちゃんとした言葉なのですね。
意味は 1 紡いだ麻糸を枠にかけて巻き取ったもの。また、その枠。 2 乱れもつれるさまのたとえ。・・・・とありました。
それとお猿さんとの兼ね合いとなると、判ったような判らないようなことになります。


イワセントウソウ ↓

ここでも花は何処かに行ってしまいましたが、イワセントウソウを見ました。



岩本山 ↓

岩本山に着きました。涼しい中ですので、疲れきることはなく、それなりに歩いて行きます。
看板にハングル語で標記、高麗人たちよ! 日本人の親切に心されたし。
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