この審査に向けて、道場はかなり審査の色に染まり・・・満身創痍の一般部の皆さん、真剣さとやる気のみなぎる黄帯の子供達、ほとんど休憩無しで指導し続けるセンセー。そして、とにかく黙々と稽古をする播田先輩。
そんな中、4年振りに審査を受ける渋谷先輩がいました。播田先輩と同じく、横須賀道場からの移籍組。勿論自宅は遠い。文庫道場開設当初、これまた今回1級を受審したK兄ィを含むKファミリーと共に道場に毎日のように稽古に来てくれ、その姿をみて沢山の方が入門してくれました。空手のわかる見学者からは、「黄帯なのに、なぜあんなに強いのですか?」と質問されたことも多々ありました。道場の中では多くを語らないけれど強くて、優しすぎるくらい優しい人です。その後、お仕事や腰痛、いろいろなことがあってなかなか道場に通えなくなってからも全日本の試合では、絶対に顔を合わすことができて「ああ、やっぱり空手が好きでいてくれているんだなぁ」と安心しました。そしてそこに必ず連れてきていた美しい女性が、昨年入籍した奥様です。センセーの久々の試合にも勿論揃って応援にきてくれて、ともに涙してくれました。そこからじりじりとまた道場に通う回数も増えて、昨年の忘年会で「審査を受審します」と皆の前で宣言してくれました。本当に嬉しかったです。というかセンセーのただ黙って信じているおもいが、きちんと届いているんだなぁと感激しました。
今回昇段審査を受けられた山添先輩も合宿のとき、確か間が空いたようなお話をされていましたが、師範や保本先生、本部の仲間の皆さんもどんなにか嬉しかったのだろうかと思いました。
帯をとるスピードに早いも遅いもないと思います。早いからいけないとか遅いからいけないとかそんなことは、誰にも言えないと思います。やった人が何かを手に入れられる。ただそれだけです。じむちょーも実は今回何人もの方(嬉しいことに他道場の方まで)に「受けないのですか?」と言っていただきました。いろいろな理由があって受けることを断念しましたが、絶対できなかったのかといわれればできていたと思います。今まで何度となく悩み、ぼやいているとセンセーの言葉は、ただひとつです。
『やるしかないな・・・』
そんな言葉を幾度と無く投げかけられ、立ち直っているうちにほかの物事もシンプルに考えられるようになりました。やれるときは頑張る。できないときは言い訳してしまうのではなく、自分のできることをして、受けとめて我慢するしかないのです。いつかやろうと自分で決めたその日まで。そしてその日をセンセーは、絶対待っていてくれている。ねっセンセー?!
「俺が10人目をやって、めっためたにしてやる」そう言って待っております。