NHKのラジオ英会話をお勧めします。
昔は決まった時間にラジオで聞くしかなかったのですが、今はインターネットを通じて、前週放送分をいつでもどこでも無料で聞くことができるのです。
テキストは駅の小さな本屋などで手に入れる事ができ、値段も月刊で一冊495円ですからとてもリーズナブルです。
1回の放送は15分間で、インターネットであればすべてを聴く必要もありません。
私は何年も前からお世話になっており、はじめは「ラジオ英会話」からスタートし、「入門ビジネス英語」、「英語リスニング」そして「実践ビジネス英語」とレベルを上げてきました。
NHKラジオ英会話は英語の学習になることはもちろんですが、何より読み物としてテキストの内容がよい勉強になるのです。
特に「実践ビジネス英語」の講師杉田敏氏はアメリカの新聞記者から大手企業の社長を歴任されたビジネスマンで、現代のアメリカ事情に詳しく「生きた英語」を学ぶことができます。
ストーリーの舞台は、健康・美容関連ビジネスをグローバルに展開するAlex & Alex(A&A)で、上田翔太という日本人が社員との交流を通じて様々な話題を提供するのです。
最近のビニェットで印象に残っているのは、2020年1月号LESSON19「過保護な親たち」です。
過保護はOverprotectiveです。
アメリカでも事情は同じなのだなと感じた次第です。
息子の就職面接に父親がついてきたという出来事に「it’s a sign of the times(時代の特徴、時代の表れ)であるという話題から始まります。
東洋では学校の勉強でもスポーツなどの課題活動でも子供を厳しくしつける教育ママを「tiger mom」と呼ぶそうです。
アメリカでは2019年にスポーツでの入試をめぐって大規模な「college bribery scandal(大学入試をめぐる贈収賄スキャンダル)」が発生したことや「fraud(不正行為)」を用いて自分の子供を名門校に入れようとしたことが取り上げられています。
しかも、親の「Overprotective(過保護)」は「turn 18(18歳になる)」ことで終わらず、むしろ「gets more intense(さらにもっと激しく)」なる場合が多いということです。
その原因はアメリカの学費や住居費の高さにあります。
以前より話題として取り上げられていましたが、多くの学生は学生ローンを組んでいますが、学費が払えないために退学せざるを得ない人が多いようです。
そのため「helicopter parents(ヘリコプターペアレント)」という子供の上空を「obnoxyously(不快なほど)」旋回する親や「lawnmower parent(ローンモーワーペアレント)」という子供の前進を妨げかねない「any obstacles(あらゆる障害)」を「clear(取り除く)」親がいるということです。
lawnmowerは芝刈り機のことで、helicopter 以上に過干渉だとされています。
これに対しビニェットでは子供は「autonomous individuals(自立した一人の人間)」であることを親は理解すべきだとしています。
一方では「free-range parenting(放任型の育児)」の親もいるので、「The middle way is best(中間が一番いい)」として、「The trick is finding it(上手なやり方はそれを見つけること)」 を勧めています。
私も子供を持つ親として考えさせられるビニェットでした。
他にも最近では「Redefining Job-Hopping(ジョブホッピングの新しい意味)」や「Book Clubs at Work(職場の読書会)」など興味深く、ためになる話題が提供されています。
英語は合理的な思考をするにはふさわしい言語であると考えています。
複雑なことを考えている時に、英語での表現を見つけると意外にスッキリして便利です。
例えば水泳の練習メニューに英語が多いのは、日本語だと表現が難しいからです。
Warming upを準備運動とか、Kickを足や下半身とか書くのも何かしっくりこないし、わかりにくいようにも感じます。
くだらないとは思いながらすべて日本語で練習メニューを作成してみましたが、いつもの数倍は時間がかかるし、日本で表現するのは難しく、何を言っているのか自分でもよくわからなくなりました。
やはり英語は表現がしやすく、便利な言語です。
ただ「下る」という意味の「Decsend」を「上げる」という逆の意味に使う日本人の誤った使い方は勘弁してもらいたいものですが…。
竹村知洋