キャットてぃるのサックス遊戯+ベース

42歳から始めたジャズプレイヤーへの道のり

ジャズのセッションを楽しむために

2016年05月15日 19時56分34秒 | ジャズセッション
自分がジャズのセッションに行き始めたのは、今から約10年以上前のことでした。

その時はまだサックスを始めておらずドラムとして参加していて、当時、セッションで何度もドラムを叩いていて、ふと、楽しそうにテーマを吹くサックスに憧れ、サックスを始めました。ちろん最初から吹けたわけじゃなく、(もちろん今でも苦労の連続ー。汗)
でもジャズのセッションは常に楽しい空間として自分の中に存在してきました。

、、、という感じで、たまにはそのジャズのセッションについて、ちょっと自分なりの参加した注意点を紹介したいと思います。もしあまりセッションに馴染みが無い方、少しでも興味を持っていただけるとうれしいです。

で、ジャズのセッションを楽しむための注意点。


■ジャズのスタンダード曲を自分が本当に好きかどうか確認しておく。

実は、ジャズのお店の「ジャズセッション」と銘打っているセッションの場合、そこで演奏される曲はほぼジャズのスタンダード曲(通称、青本、黒本等に掲載されている曲)しか演奏されません。もちろんそれ以外の曲でもあくまでジャズというジャンルで処理されている曲のみ。なので、ポップスや歌謡曲、演歌、クラシックの名曲は普通演奏されないので、確認が必要。もし自分自身が他のジャンルの曲が好きであっても、もちろんジャズのスタンダードになっている曲も好きだという認識があればOKだけど、仮にジャズのスタンダードはだるくであまり好みでないと思っていたら、ジャズのセッションには行かないほうがいい。
それとジャズのセッションはいつも同じ曲ばかり演奏して嫌と思っていたら、たぶんその人はジャズが好きじゃないといっても過言ではないでしょう。なぜならジャズの演奏はあくまで各演奏者のものであり、演奏される曲はその表現のための素材でしかないから。たとえ同じ曲ばかり演奏されていても演奏する人が違えばまったく違う演奏内容になり、同じ演奏者でも共演者が違えばまた違う演奏になる。それがジャズの面白さともいえるかもしれない。

■ジャズの演奏にはテーマとアドリブ(ソロ)という2部構成で成り立っている。

もちろんその他にリズム体と呼ばれる伴奏も含めた演奏も必要な楽器があるけど、それ以外のフロントといわれている楽器を演奏する場合、必要とされている演奏のスキルはテーマを演奏して、そしてアドリブを取ること。
そこでの鉄則は、テーマを演奏する人はテーマ(リードシートに書かれた譜面のメロディ)をフェイクして演奏してもいいけど、ちゃんと原型をとどめて演奏しなければいけないということ。つまり演奏するテーマのメロディがその曲のメロディに聴こえるように演奏しないといけないわけで。で、できればメロディの音は間違えないのがベスト。
そしてアドリブは演奏する順番が決まっていて(もちろん例外もある。)最初は、フロント(テーマを演奏した人)→フロント(他に管楽器やギターがいた場合)→ピアノ→ベースという順番で、最後に演奏するベースがアドリブが終わった段階で、普通、4ビートの場合はドラムとの4バースに突入する。もともと4バースはドラムのソロの為にあり、演奏される長さは、もちろん演奏される曲に基づいている。
たとえば「枯葉」のような32小節の曲なら、4小節を8回演奏するので、4バースは4回になる。その時、ドラムは4小節好きなソロを叩き、次に4小節は他の演奏者が演奏するこになるのだけど、その時の演奏の順番も決まっていて、たいだいこれまでアドリブを取った人と同じ順番になる。

■ボサノバとバラード曲には4バースが無い。

8ビートのボサノバとスローのバラード曲は、普通、ベースのアドリブが終わった段階で、テーマに戻る場合がほとんど。
なので、ベースのアドリブの終わりはちゃんと確認しておくこと。(ちなみにほとんどのベーシストはアドリブの終わりの示すために、小節の最後の4小節は必ずウォーキング(伴奏)に戻る場合がほとんど。)


■初心者が失敗しやすいアドリブのミス。

ジャズのセッションに参加して、経験の少ない初心者が犯しやすいミスは、アドリブフレーズを間違えることではなくて、アドリブを演奏してて迷子になることの方が問題のような気がする。
たとえばサックスで夢中になって吹いていると、いつのまにかどこの小節まで吹いたら分からなくなる、コードを見ていたつもりでも、「あれ?似たコードだけど、もしかしてここのことじゃない??」と、一瞬、途方に暮れることもあったり。そんな時、他の演奏者の伴奏の音をちゃんと聴き分けられれば問題ないけど、初心者でそうもいかない場合、やっぱり迷子。なんとなく勘で演奏を止めたりすると、実は、その曲の最初から始まって4小節目だったり~。とかあると最悪の状態になる。
なぜならジャズのセッションでの演奏において、決まっている一曲のワンコーラスをずっと繰り返すというがあり、アドリブもそれに基づいて吹いているので、新しく始まったワンコーラス目に突入してしまうと、もうそのワンコーラスは吹いた人のアドリブスペースになってしまい、他の人がアドリブを取ることが許されないことになる。
だから仮に間違って、次のワンコーラスに突入して吹いて途中で演奏を止めてしまうと、そのコーラスが終わるまでアドリブはずっと休符という状態になり都合が悪くなる。それらを防止するためにも、アドリブの内容よりも曲の中で迷子にならないよう小節感覚(つまりどれくらい演奏したら何小節過ぎたか、)を、トレーニングする必要がある。

■曲には始まりと終わりがある。

これは自分自身、一番気を付けていることだけど、スタンダード曲の中には決まったイントロとエンディングが存在する。でも、必ず演奏しなくても大丈夫。
ただ曲が決まったら、どんなに遅くても数分以内に演奏を始められるように迅速に動く。そして、「終わりよければすべて良し。」というようにどんなに演奏がぐちゃぐちゃでも、終わり方を他の演奏者と合わせてしっかりと終わり感を出す。
ちなみに終わった後、観ている人から拍手とかもらうかもしれない。で、その拍手の意味は2つ。「やっと演奏が終わった。よかったー。」というのと、「ちゃんとしっかりとエンディングが決まったね!」というもので、それ以外の意味はないかもしれない。

■一度のセッションで演奏される曲は一度限り。

ただし、例外として「ブルース」と「枯葉」は、初心者対応なので大丈夫。
それ以外の曲は、早い者勝ち。前の人が演奏した曲は、もうそのセッションで演奏できないことになっている。
でもセッション時間が4時間を超えた場合、その場限りではないかもしれない。

■アドリブ(ソロ)が終わった直後の拍手と声援。

これはジャズ独特だと思うんだけど。
ジャズは各演奏者がアドリブソロを演奏した直後、観ている人は「良いソロだった。」と拍手をする。
で、そのタイミングなんだけど、普通、ソロが終わると次の人のアドリブソロが始まっているわけで、、。
だからどんなに良いソロであっても長々と拍手をするの失礼かもしれない。
なので、拍手はだいたい次のコーラスの4小節分くらい?(声援はもっと短いかもー。笑)


■最後にみんなで演奏する曲がある。

これは必ずとはいえないけど。
セッションの〆として、全員参加の曲を提示、みんなで順番にアドリブを回して演奏することがある。
一番多いのが、「Fのブルース」次が違うキーの「ブルース」もしくはジャズのスタンダードで「Aトレイン」とか「ブルーボッサ」という例もある。

■挨拶は忘れないこと。

不特定多数の初対面の人が集まる可能性の高いジャズのセッション。
意外と忘れがちなのが挨拶。やっぱ人との繋がりで演奏するのでコミュニケーションは取りたいもの。
私自身それほどオープンな性格じゃないけど、お店にセッションに行く時は、とりあえず挨拶は欠かせない。
まず、お店に入ったら大きな声で挨拶!なぜなら中に人が何人いるかわからないので、ドア付近の人だけ小さな声で挨拶すると、また中に入ってからまた挨拶しなればならないので2度手間。だからお店の中まで聞こえるように大きな声で。(笑)
そして、中に入ったらホストの方々にも挨拶。そして、後から入ってきた人にも軽く挨拶。演奏を始める時も描くる挨拶。終わった後も挨拶。そして、セッションが終わった後は中にいる全員に挨拶っ!!(って、どんだけ?笑)
やっぱみんな音楽を通じて遊びに来ているので、たぶんノリはいいはず。ここで重要なのは、セッションが終わった時の挨拶。中には演奏が下手だと思った人もいるかもしれない。もしくは一緒に演奏するチャンスに恵まれなかった人もいるかもしれない。でも、ここで挨拶をしないとセッションを楽しめないことになる。なぜならジャズのセッションはその場にいる人達が一丸となってジャズという音楽の楽しみを共有しているので、当然、皆友達という感覚になるはずだから。

長くなったけど、もしジャズのセッションが敷居が高いと思っている人がいたら、一度、足を運んでみるといいかもしれない。

ちなみに自分がセッションに行くための準備として練習するのは、

1.演奏したい曲のテーマとアドリブの練習。
2.演奏したい曲のイントロとエンディングの練習。
3.最低でもレパートリーは10曲以上用意する。スタンダードセッションでは多くて6~8曲、少なくて3~4曲くらいは演奏するので、(他の人が先に演奏して自分ができなくなる可能性を考えて、)その3倍くらいの曲を用意する必要がある。

たぶん、ネットで「ジャズのセッションについて」と検索すると意外と詳しく記事が紹介されているかもしれませんが、そんな記事でも実はもっと他に知りたいことがある。と思った人が、この記事を参考にしてくれると幸いです。
もしリクエストがあれば、もっと詳しく書いてもいいですが、これはあくまで経験に基づいるので、もしかしたらさらに例外があるかもしれません。

最後に自分にとってジャズのセッションはとても有意義な遊び場であり、勉強の場なので、これからも参加していきたいと考えています。


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