私は自己都合で最初の会社を退職した。
12年つとめた。
もう、やりきったと思った。
キャリアを目指す気などサラサラない。
ってか、私リーダーの素質ゼロだから。
チームプレー苦手。
どっちかてぇーと職人肌だと自分で思っている。
事務は向いてないなと痛感した。
もともと私の夢は専業主婦。
そこそこの会社に入って、
年の差5才以内の人と職場結婚して
ホテルで挙式・披露宴を催して、
友人を招待しても恥ずかしくない家に住みたいと思ってた。
それが私の夢。
ぶっちゃけ小坂明子の『あなた』の歌詞まんま。
でも、そんなささやかな夢を実現するのが
どんなに難しいか、みなさんはご存知よね?
営業職と言うのは、意外に独身男性が少ない。
椅子とりゲームに例えると、完全に椅子が足りない!
私には回ってこないことを悟り
外部の人と付き合った。
でも、自分の会社の男性と比べると
いろんな意味で見劣りしてしまうのだ・・・。
専業主婦の夢は持ちつつ、
職人としてのキャリアを積むと言う別の道を模索し始めた。
30才を機にコピーライティングやMACを使ってイラストを描いたりする勉強を始めた。
万が一結婚できなかったときに、
「私の人生こんなはずじゃなかった」と後悔しないためだ。
アラサーで会社を思い切って辞め、
広告代理店に入社した。
渡された名刺には「営業プランナー」と書いてある。
ちょっとウキウキした。
仕事の内容が180度違う。毎日が刺激的だった。
しかし、東京の広告代理店と違い
大阪の広告代理店は「チラシ屋」か「POP屋」だ。
泥臭い仕事だ。
クライアントの窓口はバツイチ小太りのオバハンだった。
若い男の子としか口を利かないと言うひねくれ者だ。
半年はがんばってみたが、
人事から「事務の方に異動しない?」と提案された。
オバハンから私をはずせと言われたようだ。
どうりで私のことをイジメていたはずだ。
事務に回ると言う選択肢もあったが、
三代目社長が会社自体を私物化しているし、
なにより社員の質が低い。
前の会社と比べると、あきれることばかりだった。
何が職人だ、何がキャリアだ。
自分の考えの甘さに、悔しさを覚えた。
私にとって仕事ってなんだろう?
食べるための手段?
なら気楽に働いてみようか。
と、広告代理店を辞めた。
体重は38kgに落ちていた。うつ寸前だったと思う。
しばらくフリーターを続けた。
彼氏もできた。
楽しい日々が続いた。
彼氏にふられた。落ち込んだ。
アラフォーなのに独身でフリーター。
人生ってうまくいかない。
でも、それが人生なんだな・・・。
と相田みつをっぽく悟りはじめたころ、
出会いがしらに結婚した。
有頂天にならなかったと言えば嘘になる。
しかし結婚の現実を知ったとき
「この苦労が私の夢だったのか」と愕然とした。
今はもう乗り越えた。
結婚してよかったと思っている。
人生観が大きく変った。
最初の会社は最高のタイミングで退職したと
思っている。
退職のタイミングは大事だ。
人生は一回だけなのに、
必死で会社にしがみつくことはない。
リストラ目的の職場異動に我慢してなんになる?
定年退職後に待っているのは親の介護だ。
「こんなはずじゃなかった」
て嘆かれても、私は慰めたりしない。
退職のタイミングはいつもやってくる。
スルーした自分が悪い。
人生は楽しむためのものだ。
後悔するためのものではない。
もっと真剣に将来について考えて欲しいものだ。