ようやく長い長い雨が上がった。
今回は空梅雨と思った河童らが、
命がけの雨乞いを決行したらしい。
もちろん河童団体から連絡を受けたカッパさんも余念がない。
昼夜問わずの雨乞いにカッパさんもクタクタだ。
もう、カッパさん、雨はいいからね。
もうやめてね。勘弁ね。
各地で甚大な被害が出てるからね。
ところでショックなことがある。
今度の連休に行く予定だったカッパさんのソロキャンプは中止になった。
カッパさんの母ちゃんに
「鳥取の皆生温泉に行こう」と誘われたのだ。
あいにく私は家でのんびりする計画だったので、
何も予定を入れてなかった。
断る理由がなく、うんと言ってしまった。
言わざるを得なかった。
嫁ごときが「家でのんびりするんで行きたくないです」なんて言えるか?
母ちゃんは蟹がまだ食べれると嬉しそうに言う。
私、蟹はそこまで好きじゃない。
年に1杯食べれば十分だ。
と言う訳で連休はカッパさんと私と母ちゃんと3人で旅行することになった。
しかし、途中で母ちゃんの気が変わり、
皆生温泉はもういい、他の場所をあんたらで探して
と旅行プランを丸投げしてきたのだ。
私、行きたくねーし!!
家でのんびりしたいし!!
え、白紙と言う選択肢はないのか?
と、ぶつくさ思いながらも和歌山の適当な宿をしぶしぶ予約した。
いっちょあがり。
で、もうひとつショックなことがある。
昨日はカッパさんがグラタンを作ってくれた。
このクソ暑いのにグラタンかよーと
みなさん、お思いになるでしょう。
でもね私にしたら、カッパが何か料理をしてくれれば嬉しいので
グラタン、大いに結構!!
と料理ができるまでテレビを観ていた。
すると、カッパさんは初めてホワイトソースに挑戦したようで、
「ほんまにこれソースになるんかな、ずっとしゃぶしゃぶやで」
と呟いた。
見に行くと確かにサラサラしている。
分量をカッパさんに確認すると、問題はないようだ。
弱火だったので、強めの中火に上げて、杓子で混ぜてみた。
1分ほどするとトロトロになってきたので、カッパさんとバトンタッチ。
私が「バターの場所わかった?」と聞くと、
「あ、うん。細かく切ってあったの見つけたから」
あーーーー!!
それはそれは、もしや大事なエシレバター!!
おまけに使い切っとる!!
せっかく、楽しみにしていたのにーーー!!
もちろんこれは全て心の中の叫びだ。
でも、どうせ、一人きりの時間は露と消えたのだから、
バターご飯は食べれなかったのだ。
しゃーない、しゃーない。
うまく行かないのが人生なのさ。