山岳ガイド赤沼千史のブログ

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山の食料

2013年10月17日 | 登山道具考

 登山道具ではないが、山で何を食べるかと言う問題がある。食料というのは実は一番重い。ザックに装備をあれやこれや詰め込んで「あれ、まだ余裕あるじゃん?」なんて思っていても、最終的に食料やら飲み物を詰め込むと、いきなりザックは重量を増し、「参ったなこりゃ」となるものだ。

 美味しい食べ物はいくらでもある。贅を尽くせば、山でのゴージャスな食事はいくらでも可能だ。ワインなんかも瓶のまま担ぎ上げて、オープンナーですぽんと栓を抜く。まあ、それは解るんだけど。

 とにかく、美味しいと思われるもの、食べやすいと思われるものは、その殆どが水分の多い食べ物だ。これをこれしか食べられないと言って、そのウェットな食べ物をいちいち詰め込んでいくと、ザックの重量は際限なく重くなり、登山自体が苦渋に満ちたものになってしまう。だから、美味しいものは下山後お家や街で食べるとして、登山中はドライで、高カロリーなものを持ち込んで何とか食べるのだ。そう、カロリーさえ取っておけばそれでよしと割り切って。

 最近尾西食品のアルファ米の2食入りパックが無くなってしまった。全てが一人用のチャック付きとなったのだ。もはや二食入りは登山者ぐらいしか使わないのだろう。尾西食品はなにも登山者の為にアルファ米を作っているのではなくて、災害備蓄とかそんなものが中心。しかも時代の流れなのか、その登山者もみな一人用を使う。シェアの時代ではないのだ。「同じ釜のメシを喰う」ことはもう無いのだ。で、あまり売れず付加価値の少ない2食入りはついに製造中止となったのである。

 さて、軽い食事のアイディアとして、カップヌードルリフィル、カップヌードル御飯、尾西の白飯、チャーハンの素。僕はこんなものをよく使う。カップヌードルリフィルは容器がないから、先日紹介したスクリュー絞め保存容器で湯を入れて作る。カップヌードル御飯はそのままだと嵩張るから容器から出して、ジップロックに入れて持って行く。そのまま湯を入れてもいいし、保存容器で作ってもよし。いろんな味があるから、結構楽しめる。おまけに尾西のアルファ米の半額ほどで買える。白飯には、色んなチャーハンの素を使い分けて楽しむ。(笑)炒めたりはしない、ただ混ぜるだけだ。どれもこれも基本的に大して美味くないのではあるが、アレンジ次第で可能性は無限だ。笑

 僕はこんなものばかりを食べている。そして山小屋の冷凍食品も。春には雪を溶かしてPM 2.5入りの水をごくごく飲む。きっと長生きしないね。でも、とにかくそれらを喉に流し込む。