一般的に言えば、魚は1尾でもバラすとその周囲では釣れなくなる。ところがチビヤマメをバラしたすぐあとで良型が来ることもある。なぜなのか。魚をバラして釣れなくなる主な原因は、バラした魚の体液が拡散し、本能的に周囲の魚が警戒してしまうからだと言われている。ヤマメの場合もこのセオリーが当てはまると思うが、流れの速い渓流では傷ついた魚の体液が上流に向かって拡散するはずもないから、上流にいる魚は危険を察知できないことになる。とりわけ流れの速い流域に棲むヤマメという魚は、この時点で防衛的に不利な立場に置かれている。
ひとつ興味深いことは、危険を察知する方法は何も体液の匂いだけではないということだ。浅掛かりで魚が手応えなく外れた時、あるいはキャッチ&リリースの際、ゆっくりと泳いでいった時はすぐ釣れ出すが、ダッシュして逃げていった時は釣れなくなるということはよく経験するところだ。これは周囲の魚が水中の振動をキャッチして危険を察知しているのだと考えられないだろうか?
ヤマメをバラした時、ジャンプすることがある。ジャンプして針を外すこともある。この時、よく見ていると、ジャンプして着水したあともう1度小さくジャンプすることが結構多い。最初のジャンプは、針から逃れようとしてのものだということは明らかだ。では次のジャンプはいったい何なのか。
食いが立っている時など、浅瀬に魚が間隔をとって整列し、ライズを繰り返していることがある。こんな時不注意に近づくと、ヤマメは2回連続で跳ねることがあるということがだんだんわかってきた。そしてこの2段跳びを合図にピタッとライズが止んでしまうのである。確かに、ライズしているのだから普通に跳んだだけでは区別がつかない。連続して2回跳べば、周囲の魚達に知らせることができる。むろん単独で1回跳べば、それは「餌が流れてきたよ」という知らせになる。ヤマメは、こうやって仲間達と連絡をとっているようなのだ。もしそうだとすると、ヤマメという魚の賢さに感心する他ない。しかしヤマメが集団生活するのはだいたい2年以内だから、この短い期間にこれだけのことを学習するとは到底思えない。最初からインプットされているとか言い様がないのだ。
ここで最初の疑問に戻ると、たまたま上に書いた3つの危険信号のいずれも発信されていない時、バラした直後にも関わらず釣れるということになる。また、体液の場合は拡散するのに時間が掛かるため、伝達する前に釣り上げればいいとも想像できる。ちなみに、竹心は、バラした時はとにかく間髪入れずに本命の筋に投入することにしている。釣れたとしても1尾だけなのだが、やってみる価値は大いにある。なぜだか分からないが、こういう時に食ってくるのはえてして良型が多いのだ。しかも、たいていガップリと針をくわえている。
硬骨魚類は哺乳類と同じ脊椎動物だが、危険や恐怖を実際に感じるほど高等ではないはずだ。だから多少危険を感じて興奮している時の方が---良型はズブくなっていてスイッチが入りにくくなっているだけに---普段より口を大きく開けて大胆に捕食するのではないだろうか(笑)。あくまでこれは想像に過ぎないが…。
ひとつ興味深いことは、危険を察知する方法は何も体液の匂いだけではないということだ。浅掛かりで魚が手応えなく外れた時、あるいはキャッチ&リリースの際、ゆっくりと泳いでいった時はすぐ釣れ出すが、ダッシュして逃げていった時は釣れなくなるということはよく経験するところだ。これは周囲の魚が水中の振動をキャッチして危険を察知しているのだと考えられないだろうか?
ヤマメをバラした時、ジャンプすることがある。ジャンプして針を外すこともある。この時、よく見ていると、ジャンプして着水したあともう1度小さくジャンプすることが結構多い。最初のジャンプは、針から逃れようとしてのものだということは明らかだ。では次のジャンプはいったい何なのか。
食いが立っている時など、浅瀬に魚が間隔をとって整列し、ライズを繰り返していることがある。こんな時不注意に近づくと、ヤマメは2回連続で跳ねることがあるということがだんだんわかってきた。そしてこの2段跳びを合図にピタッとライズが止んでしまうのである。確かに、ライズしているのだから普通に跳んだだけでは区別がつかない。連続して2回跳べば、周囲の魚達に知らせることができる。むろん単独で1回跳べば、それは「餌が流れてきたよ」という知らせになる。ヤマメは、こうやって仲間達と連絡をとっているようなのだ。もしそうだとすると、ヤマメという魚の賢さに感心する他ない。しかしヤマメが集団生活するのはだいたい2年以内だから、この短い期間にこれだけのことを学習するとは到底思えない。最初からインプットされているとか言い様がないのだ。
ここで最初の疑問に戻ると、たまたま上に書いた3つの危険信号のいずれも発信されていない時、バラした直後にも関わらず釣れるということになる。また、体液の場合は拡散するのに時間が掛かるため、伝達する前に釣り上げればいいとも想像できる。ちなみに、竹心は、バラした時はとにかく間髪入れずに本命の筋に投入することにしている。釣れたとしても1尾だけなのだが、やってみる価値は大いにある。なぜだか分からないが、こういう時に食ってくるのはえてして良型が多いのだ。しかも、たいていガップリと針をくわえている。
硬骨魚類は哺乳類と同じ脊椎動物だが、危険や恐怖を実際に感じるほど高等ではないはずだ。だから多少危険を感じて興奮している時の方が---良型はズブくなっていてスイッチが入りにくくなっているだけに---普段より口を大きく開けて大胆に捕食するのではないだろうか(笑)。あくまでこれは想像に過ぎないが…。