現着4時、5時開始。
ザーザーという瀬音。水位高いです。
今日はがま渓流弧空の硬中硬ではなく硬調を起用。押しの強い瀬肩で食ってきた魚を確実に獲って行く作戦です。
というのも昭和40年につり人社から出ていた『入門から研究へ——渓流の釣り』という本の中で桑原玄辰さんが瀬肩の攻略法を細かく解説しておりまして、やってみたくてウズウズしていたという次第です。今までなかなか掛けられず苦戦してきただけに…
桑原玄辰さんって、テンカラではかなり有名な方ですけど、餌釣りもそうとう研究されたんですね!
こういう謙虚なスタイルって最近のテンカラ名人にはないですね…いやはや、自分が釣られないように気をつけなくちゃ!!
さて、足を入れてみると、何とかギリギリ徒渉できそうな感じです。ポイントは、おおむねくまなく攻められます。
餌は、やはり少ないです。黒い新垢が流されて、茶色い珪藻だけになっています。
水量的には今日こそ絶好の条件。本命の大場所を集中的に攻めます。
今日は先行者の足跡もありません。居れば何らかの反応があるはず…
テクをフルに駆使し、徹底的に攻めてみましたが、、、残念ながら無反応…
淵上の荒瀬の石裏も突っ込んでみましたが、、、お留守…
そこで、悪あがきで流してみたのがこんな流れ。
奥の方のちょっと緩くなったスジです。ガン玉6号で普通にナチュラルで流してみると、肩の所で「クンッ」と手に来ました。ルアー釣りのクセで反射的に手が動いてしまいましたが、なぜかハリスから下がなくなっています。
岩に掛かったのか、それとも流木か。一瞬の出来事で何がなんだか…。
仕掛を見るとハリスと水中糸の結び目から切れていました。糸に傷でも付いていたのでしょうか…
(針はV長良LTR 6.5号)
ともあれ、ヒラタも少なくなってきたので餌補充を兼ねていったん下流に足を伸ばします。
徒渉して対岸の荒瀬でどうにかソコソコのヒラタを確保。
流れが変わって、こんなおいしいポイントができてます。いただき!
…完全無反応でした(汗)
もう、しょうがないんで、やぶれかぶれで02の仕掛に交換します。
…今の時期02なんてやり過ぎ感ありありなんですが、持ってきた025の糸(サンラインスーパー鮎II)が吸湿ですっかりフニャフニャになってまして、こりゃダメだな、と。やっぱりシーズンオフに渋糸作っとかないとイザという時に困りますね…
さて、下に大場所が2ヶ所ありますが、釣っても釣ってもチビ山女魚でキープサイズが来ません…
そうこうしているうちに、どんどん周囲が明るくなってくる!
かなりの時間ロスです。やばいなあ。もうそろそろゴルジュ帯の奥へ行かないと…
チビ山女魚が立て続けに釣れたのを機に切り上げ。引き返して遡行開始です。
…ところで、さっきのポイント、何だかすごく怪しいです。気になって仕方がありません。
魚だったとしても、一度針に触れた魚がそう簡単に食ってくるわけもないですし。
でも先週みたいなこともあるしなぁ…
で、もう一度狙ってみます。さっきのココです。→
先ほどより一歩上流にスタンスを取り、テリトリー上限に静かに餌を投入、丁寧にスジに入れます。
仕掛をナナメに馴染ませて聞き流しです。針は同じくV長良LTR 6.5号。
すると…テリトリー中央付近で目印が動くと同時に手にバイトが伝わってきました!
そっと竿を立ててフッキング。わずかに上流にすーっと泳ぎましたが、抜けるサイズじゃない…
手前の流れ、結構キツイです。ゴルジュ帯のど真ん中、増水した水が足元までゴンゴン流れています。
ツケ糸に025張ってるとはいえ水中糸はポリエステル02号!たとえこのまま対岸のタルミで魚を弱らせたとしても、こちらの言うことを聞いて流心をくぐってくれるとは限りません…
上竿でタメながら、チラッと周囲を見渡しますが、周囲に手頃なタルミは皆無。
はるか下流には、先ほど探ったブッツケの淵が見えています。距離にして30m程でしょうか。その間には落差のある落ち込み、そして増水で奔流となったガンガン瀬があります。
よーし。一か八かやってみるか!
元竿を押し込んでグーッと引っ張り、流心に入ったタイミングで一気に竿を立てて頭を下流に向けさせ、急流に乗せます。流心の水圧で一気にグーンと押し流されて行きます。尾は振らせないように、魚の頭を上げて上げて、竿のテンションをキープし付いて行きます。魚の方も体勢を整えるべく必死に体を弓なりにし、あるいは頭を下げようとします。ここでたとえ一瞬でも魚の抵抗を許してしまえば、ヘッドシェイクやダッシュを食らって一巻の終わりでしょう。微塵にも油断はできません。完全に糸を緩めてしまって後から付いていき、それで獲れることもなくはないですが、今魚の顎に掛かっているのはスレ針の6.5号!やはり根比べに持ち込むしか勝機はありません。
やっと淵に入ったところを見計らって竿を寝かし、無理やり力づくで止め、魚が流心から出て来るまで耐えます。魚が手前のタルミに入ったところで竿を立て、竿の曲がりを見ながら足を踏み入れ一歩ずつ前進、元竿を押し下げて水面に突っ込み、浮かせにかかります。
魚が水面で横になった瞬間に一か八かタモを出しますが、一瞬にして潜られました。ひざ上まで立ち込んでるので手尻がやや長いようです。すると、主導権を取り返した魚はここぞとばかりに反撃。両足の間に突進!必殺「股くぐり」! フッと手応えが緩くなり「やられたか!」とカケアガリを一歩登り振り返って竿を立ててみるとまだ魚は付いています。再度浮かせにかかると今度は背後に回られてしまいましたが、水際に張り付いて身動きが取れなくなりました。チャンス!一気に駆け寄ってタモでガバッと掬い取りました!
2度目のタモ入れでキャッチ成功。時刻は9時9分。
[サイズ]25cm
[アタリ]ツンアタリ
[ヒットパターン]聞き流し
[ランディング]陸走り→ワイパー操作→寄せ
[ハリス]0.25号(水中糸0.2号)
やっぱりさっきの魚信、根掛かりでもなければ流木でもなかったんですね!
いやぁーこんなこともあるんですねぇ。
やりとりの最中に切られる時はチモトから切れることが多いのに対して、いきなりガツンと来て一瞬に切られる時はけっこう上の方で切れてしまうことが多いですね。目印とか高切れとか。針が伸ばされることもあるけど…
体高のある魚体…。
口周りに針は見当たらず…。鮎針だから外れたんでしょうね。
なかなか筋肉質な尾びれしてますね。
ゴルジュ帯の狙撃手、ゴルジュ13を目指そうかな?
※持って帰って検寸したのがこちら→
鼻が曲がっていないのでメスに見えましたがオスでした。
実はこの2度目のトライでは、投入点をやや上手にとったのと併せ極力浮かせ気味に流れるような竿操作をしたんですが、うまいこと中層寄りで食ってくれましたね。一気に底に入れてドラグドリフトしていたら、たぶん先ほどの二の舞いになってたと思います。
次の淵は手前側足元のタルミを下流側から離れてアップストリームで攻めると20cmクラスのイワナが来ましたが引き抜いてタモを飛び越え、オートリリースでした。
完全ソラの釣りでしたが、弧空硬調、意外と投げやすかったです。ある程度強い竿の方がやりやすいですね。
そして本命の奥の流れ…
残念、入っていたのはイワナでした。
2尾のイワナが右岸側/左岸側でこのポイントに着いていたことになります…
次の段々瀬はチビ山女魚のみ。その上の大場所は無反応。そこから先も好ポイントに入ってるのはことごとくチビ山女魚といった案配で全滅…
辛くも時間切れで納竿となりました…
仕舞寸54cmなのにこの撓み量、あり得ないっす。やっぱ粘りはガマですわ。
今回ヒレピンの25cmが、なんとアジング用のエステルライン02で獲れてしまったわけですが、これもがま渓流弧空硬調のポテンシャルの高さゆえだと思っています。
がま渓流弧空硬調、頼もしい相棒です!
さて、明日から朝勤入ってんだよね。
でもこの時期、やっぱり無理してでも川に行った方がいい感じですね。
[日時]2019年7月24日(水)
[天候]曇り時々雨
[水温]15度。増水、ささ濁り。
[時間]5時~16時
[釣果]天然物25cm♂(三年物)、イワナ20cm
[スカ]1
[バラシ]1
[竿]先鋒:がま渓流弧空硬調(改)5.1m
[仕掛]天井糸:ナイロン0.7号、水中糸:ライカ川釣り0.3号→バリバスアジングマスター0.2号、ハリス:菱化フロストン0.25号、針:カツイチV長良LTR 6.5号、オモリ:ガン玉6号。
[餌]ヒラタ(ナデ虫)。
[胃の内容物]陸生昆虫3割位。巨大なムカデを食っていた(汗)
[小遣い]1千円。タバコ・おにぎり他。
[感想]やばいぞ、だんだん「夏山女魚一里一尾」って雰囲気になってきた…
ザーザーという瀬音。水位高いです。
今日はがま渓流弧空の硬中硬ではなく硬調を起用。押しの強い瀬肩で食ってきた魚を確実に獲って行く作戦です。
というのも昭和40年につり人社から出ていた『入門から研究へ——渓流の釣り』という本の中で桑原玄辰さんが瀬肩の攻略法を細かく解説しておりまして、やってみたくてウズウズしていたという次第です。今までなかなか掛けられず苦戦してきただけに…
桑原玄辰さんって、テンカラではかなり有名な方ですけど、餌釣りもそうとう研究されたんですね!
こういう謙虚なスタイルって最近のテンカラ名人にはないですね…いやはや、自分が釣られないように気をつけなくちゃ!!
さて、足を入れてみると、何とかギリギリ徒渉できそうな感じです。ポイントは、おおむねくまなく攻められます。
餌は、やはり少ないです。黒い新垢が流されて、茶色い珪藻だけになっています。
水量的には今日こそ絶好の条件。本命の大場所を集中的に攻めます。
今日は先行者の足跡もありません。居れば何らかの反応があるはず…
テクをフルに駆使し、徹底的に攻めてみましたが、、、残念ながら無反応…
淵上の荒瀬の石裏も突っ込んでみましたが、、、お留守…
そこで、悪あがきで流してみたのがこんな流れ。
奥の方のちょっと緩くなったスジです。ガン玉6号で普通にナチュラルで流してみると、肩の所で「クンッ」と手に来ました。ルアー釣りのクセで反射的に手が動いてしまいましたが、なぜかハリスから下がなくなっています。
岩に掛かったのか、それとも流木か。一瞬の出来事で何がなんだか…。
仕掛を見るとハリスと水中糸の結び目から切れていました。糸に傷でも付いていたのでしょうか…
(針はV長良LTR 6.5号)
ともあれ、ヒラタも少なくなってきたので餌補充を兼ねていったん下流に足を伸ばします。
徒渉して対岸の荒瀬でどうにかソコソコのヒラタを確保。
流れが変わって、こんなおいしいポイントができてます。いただき!
…完全無反応でした(汗)
もう、しょうがないんで、やぶれかぶれで02の仕掛に交換します。
…今の時期02なんてやり過ぎ感ありありなんですが、持ってきた025の糸(サンラインスーパー鮎II)が吸湿ですっかりフニャフニャになってまして、こりゃダメだな、と。やっぱりシーズンオフに渋糸作っとかないとイザという時に困りますね…
さて、下に大場所が2ヶ所ありますが、釣っても釣ってもチビ山女魚でキープサイズが来ません…
そうこうしているうちに、どんどん周囲が明るくなってくる!
かなりの時間ロスです。やばいなあ。もうそろそろゴルジュ帯の奥へ行かないと…
チビ山女魚が立て続けに釣れたのを機に切り上げ。引き返して遡行開始です。
…ところで、さっきのポイント、何だかすごく怪しいです。気になって仕方がありません。
魚だったとしても、一度針に触れた魚がそう簡単に食ってくるわけもないですし。
でも先週みたいなこともあるしなぁ…
で、もう一度狙ってみます。さっきのココです。→
先ほどより一歩上流にスタンスを取り、テリトリー上限に静かに餌を投入、丁寧にスジに入れます。
仕掛をナナメに馴染ませて聞き流しです。針は同じくV長良LTR 6.5号。
すると…テリトリー中央付近で目印が動くと同時に手にバイトが伝わってきました!
そっと竿を立ててフッキング。わずかに上流にすーっと泳ぎましたが、抜けるサイズじゃない…
手前の流れ、結構キツイです。ゴルジュ帯のど真ん中、増水した水が足元までゴンゴン流れています。
ツケ糸に025張ってるとはいえ水中糸はポリエステル02号!たとえこのまま対岸のタルミで魚を弱らせたとしても、こちらの言うことを聞いて流心をくぐってくれるとは限りません…
上竿でタメながら、チラッと周囲を見渡しますが、周囲に手頃なタルミは皆無。
はるか下流には、先ほど探ったブッツケの淵が見えています。距離にして30m程でしょうか。その間には落差のある落ち込み、そして増水で奔流となったガンガン瀬があります。
よーし。一か八かやってみるか!
元竿を押し込んでグーッと引っ張り、流心に入ったタイミングで一気に竿を立てて頭を下流に向けさせ、急流に乗せます。流心の水圧で一気にグーンと押し流されて行きます。尾は振らせないように、魚の頭を上げて上げて、竿のテンションをキープし付いて行きます。魚の方も体勢を整えるべく必死に体を弓なりにし、あるいは頭を下げようとします。ここでたとえ一瞬でも魚の抵抗を許してしまえば、ヘッドシェイクやダッシュを食らって一巻の終わりでしょう。微塵にも油断はできません。完全に糸を緩めてしまって後から付いていき、それで獲れることもなくはないですが、今魚の顎に掛かっているのはスレ針の6.5号!やはり根比べに持ち込むしか勝機はありません。
やっと淵に入ったところを見計らって竿を寝かし、無理やり力づくで止め、魚が流心から出て来るまで耐えます。魚が手前のタルミに入ったところで竿を立て、竿の曲がりを見ながら足を踏み入れ一歩ずつ前進、元竿を押し下げて水面に突っ込み、浮かせにかかります。
魚が水面で横になった瞬間に一か八かタモを出しますが、一瞬にして潜られました。ひざ上まで立ち込んでるので手尻がやや長いようです。すると、主導権を取り返した魚はここぞとばかりに反撃。両足の間に突進!必殺「股くぐり」! フッと手応えが緩くなり「やられたか!」とカケアガリを一歩登り振り返って竿を立ててみるとまだ魚は付いています。再度浮かせにかかると今度は背後に回られてしまいましたが、水際に張り付いて身動きが取れなくなりました。チャンス!一気に駆け寄ってタモでガバッと掬い取りました!
2度目のタモ入れでキャッチ成功。時刻は9時9分。
[サイズ]25cm
[アタリ]ツンアタリ
[ヒットパターン]聞き流し
[ランディング]陸走り→ワイパー操作→寄せ
[ハリス]0.25号(水中糸0.2号)
やっぱりさっきの魚信、根掛かりでもなければ流木でもなかったんですね!
いやぁーこんなこともあるんですねぇ。
やりとりの最中に切られる時はチモトから切れることが多いのに対して、いきなりガツンと来て一瞬に切られる時はけっこう上の方で切れてしまうことが多いですね。目印とか高切れとか。針が伸ばされることもあるけど…
体高のある魚体…。
口周りに針は見当たらず…。鮎針だから外れたんでしょうね。
なかなか筋肉質な尾びれしてますね。
ゴルジュ帯の狙撃手、ゴルジュ13を目指そうかな?
※持って帰って検寸したのがこちら→
鼻が曲がっていないのでメスに見えましたがオスでした。
実はこの2度目のトライでは、投入点をやや上手にとったのと併せ極力浮かせ気味に流れるような竿操作をしたんですが、うまいこと中層寄りで食ってくれましたね。一気に底に入れてドラグドリフトしていたら、たぶん先ほどの二の舞いになってたと思います。
次の淵は手前側足元のタルミを下流側から離れてアップストリームで攻めると20cmクラスのイワナが来ましたが引き抜いてタモを飛び越え、オートリリースでした。
完全ソラの釣りでしたが、弧空硬調、意外と投げやすかったです。ある程度強い竿の方がやりやすいですね。
そして本命の奥の流れ…
残念、入っていたのはイワナでした。
2尾のイワナが右岸側/左岸側でこのポイントに着いていたことになります…
次の段々瀬はチビ山女魚のみ。その上の大場所は無反応。そこから先も好ポイントに入ってるのはことごとくチビ山女魚といった案配で全滅…
辛くも時間切れで納竿となりました…
仕舞寸54cmなのにこの撓み量、あり得ないっす。やっぱ粘りはガマですわ。
今回ヒレピンの25cmが、なんとアジング用のエステルライン02で獲れてしまったわけですが、これもがま渓流弧空硬調のポテンシャルの高さゆえだと思っています。
がま渓流弧空硬調、頼もしい相棒です!
さて、明日から朝勤入ってんだよね。
でもこの時期、やっぱり無理してでも川に行った方がいい感じですね。
[日時]2019年7月24日(水)
[天候]曇り時々雨
[水温]15度。増水、ささ濁り。
[時間]5時~16時
[釣果]天然物25cm♂(三年物)、イワナ20cm
[スカ]1
[バラシ]1
[竿]先鋒:がま渓流弧空硬調(改)5.1m
[仕掛]天井糸:ナイロン0.7号、水中糸:ライカ川釣り0.3号→バリバスアジングマスター0.2号、ハリス:菱化フロストン0.25号、針:カツイチV長良LTR 6.5号、オモリ:ガン玉6号。
[餌]ヒラタ(ナデ虫)。
[胃の内容物]陸生昆虫3割位。巨大なムカデを食っていた(汗)
[小遣い]1千円。タバコ・おにぎり他。
[感想]やばいぞ、だんだん「夏山女魚一里一尾」って雰囲気になってきた…