ⅭⅩⅦ「スパルタ」を見る聴く、 『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ 2022/12/30
オーストリアの養老院、並んで座る老人たち、疲れ果てた老人たち、まさに、オーストリアそのもの、こんな老人の中の一人に息子が訪ねてくる、だが、父親は、どこまで息子の事が解っているか、二人してベッドに、横になって、主人公は車を走らせる、助手席には娘が、ホテル、裸の二人、ルーマニア人の娘、娼婦なのだろうか、この娼婦と共に娘の故郷に向かう二人、車の中、どこか浮かない主人公、屋敷に、食事、娘の子供たち、子供とじゃれる主人公、その後の展開の始まり、娘は花嫁衣装、試着、相変わらずに、浮かない顔の主人公、腹立ちの娘、部屋で、セックス、街中での娼婦の時のセックスと、違う、勃起できない主人公、互いに、苛立ち、不満、娘の怒り、結婚を条件に一緒にやってきたのだろうに、主人公は、車を走らせる、遁走、親元に戻るしかないか、その最中に、田舎で、廃墟の学校を見いだして、村の者が、不法侵入と詰る、物色後、主人公は、役人と共に学校に、ここを買い取って、柔道を子供たちに教えるのだと、雪の中、子供たちの雪合戦に参加して、遊ぶ主人公、雪を投げ合って、当てられて、車に戻り、泣く主人公、心は幼い少年のままに、娘とのセックスも、娼婦との遊びではともかく、結婚となると何も出来ない、娘にとっては生活故に、オーストリア人の資金が必要、生活のために、稼ぐために出稼ぎに、結婚は最高の資金繰り、役人と学校を見て回り、買い取ったか、主人公、子供たちを集め、廃墟の学校を掃除して、柔道場の施設に、シャワーも取り付けて、かくて柔道の練習、遊戯、遊び、シャワー、子供たちのスマホを取り上げて、一人子供たちを撮影する主人公、夜一人になって、子供たちの裸を見つめる主人公、一番おとなしい、少年に惹かれて、皆が小屋を設営の時にも、一人孤独に座っている少年、近寄って、労る主人公、主人公もこうして育ったのでは無かったか、養老院では、父親が、昔の軍歌に反応、国家主義者、過去の栄光、幻想の中に、そんな父に育てられた主人公、なじめなかったのではなかったか、強い国家、強い男、村では、主人公が子供たちを集め、何やらしているのを不満げに見る父親たち、一番のお気に入りの少年の父親は、無職か、昼間から酒を飲み、傲慢に、おまえは何をしているのだと、柔道の教師だと、信じない不審のままに、、共に酒を飲むと和やかに、こうして、主人公と子供たちの遊戯は続く、柔道から遠く離れて、レスリングに、泥遊びに、ギリシアの神々の姿に、コスチューム、そして、行進、そしてまた、深夜の孤独な写真鑑賞、少年の胸をマウスとで指すって、小屋では、少年の背中の傷を心配する、父親の暴力では、母親を詰る、沈黙の少年、子供たちの騒ぎの中、少年を誘い、奥のベッドに、背中の傷の手当て、寝かせて、少年の腰に頭を持たせて、横になる主人公、少年は少女のごとく、だが、その少女に恋している主人公もまた、同じく少女なのだ、だから、恋していながらも、犯すのではない、共に、並んで、憩うのだ、少年の父は、か弱い、少年に対して、兄にウサギを捌けと、兄は笑みで、少年は血まみれのウサギに近寄り、父に従うしかない、涙顔で、止めてくれと主人公、男にするのだと父親、これが、ルーマニアの無職の父の傲慢姿、貧しさ、沈黙の母親が、働いているのだろう、昼最中から酒を飲み、子供を詰るばかり、そんな父親たちが、ついに、主人公の小屋に、怒り、反発、小屋には、鍵も取り付けた、だが、ギリシアの行進の場に、父親たちが、駆けつけた、子供たちを叱りつけ、衣装を剥ぎ取り、主人公は慌てて裏から逃れ出るばかり、車を走らせて、遁走、主人公の父親は、一人孤独に歌い歩く、施設の中、涙顔で、過去の軍歌を歌う、ママを求める哀しみの父、主人公の父もまた、主人公と同じ、幼い心で、国の在処故に、国家主義者に、育てられた、だが、孤独で哀しい、母を求める寂しい少年、主人公は新しい村に、そして、車から降りたって、張り紙を始めるのだ、この地に、また、新しい柔道教室、いや、少年たちの、遊戯の世界、裸の世界、西側の資金で、ルーマニアの女は風俗に、仕事に仕え、男たちは、仕事もなく酒浸り、子供たちは、まっとうな大人もないままに、子供たちの遊戯を続けるしかないのだ、主人公はまた己の欲望を、思いを金で、裁くしか出来ない、いずれにしても、西も東も、廃墟だ、その中で、オーストリアの老人も、主人公も、ルーマニアの大人も、国家も、家族も、綻び、東の子供たちよ、この中から、いかに、その外に、現代のスパルタの外に、肉体は、恋は、家族は、そして、主人公の恋は、欲望は、全ては売買の中に、中から、西の老人たちから、東の子供たちまで、これが現在の、ユーロという一家、崩壊家族、悲劇なのではない、喜劇なのだ、泣いてないで、笑ってしまおう、元気出して、元気出して、スパルタだ、