「急に具合が悪くなる」磯野真穂さんインタビュー 早世の哲学者・宮野真生子さんと全力投球で交わした末期の日々の言葉
2019/10/19 https://book.asahi.com/article/12802716
――個人的な話なんですが、最近母親が脳の手術をした時に、リスクを数値として提示されて選択するとはどういうことかを考えさせられました。脳動脈にコブがあって、手術をしないと破裂してくも膜下出血を起こす危険性が年々高まっていくと言われて。ただ、手術をした場合に重度の後遺症が残ったり死亡するリスクも、非常に低い数字としてではありますが示されるんですよね。
私たちのあずかり知らないところで、疫学者が作った数式にのっとって確率が算出されて、それがあたかも「確かなこと」であるかのように、数字として私たちの前に提示される。私たちは並べられた数字を前にしてそこからどうするか「選びなさい」と言われる。でも、これは宮野さんも言っていますが、提示された選択肢のどれを選択しても、その後どうなるかは分からないんですよね。お母さまも手術をしなくても動脈瘤は破裂しないかもしれないし、もしかしたら手術をすることで数少ない後遺症や死亡のケースに当たってしまうかもしれない。実際にどうなるかは本当にわからない。
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