カーリング痛恨ミスショットの英国美人スキップ「忘れるのに時間がかかる」
日本の女子カーリングチーム悲願の銅メダルは英国の“信じられない”ミスによりもたらされた。英国のメディアは、第10エンドでの“美人スキップ”イブ・ミュアヘッド(27)の痛恨のラストショットの失敗をクローズアップ、一斉に報道した。
英国のテレグラフ紙は「イブ・ミュアヘッドが勝利をかけたショットに失敗、英国女子カーリングチームは日本との銅メダル決定戦に敗れる」との見出しで記事を作った。
「涙を浮かべたイブ・ミュアヘッドは、日本の反撃に対し最後の投球で勝利のためにギャンブルに出た後、五輪での2つ目の銅メダルを逃し、『打ちひしがれた』と明かした」と伝えた。3-4で迎えた第10エンドの後攻で、日本のプレッシャーに苦しんだ英国は最後のショット時点で「ナンバー1ストーン」を残していたが、最低同点にして延長にもつれこむ戦略をとらず、テイクショットを選択。2点を取り勝負を決める一手に出た。
だが、予定のラインより外にずれ、自チームのストーンを外に押しだし、日本のストーンを残す痛恨のミスショットとなった。
英国に招かれた“伝説のカナダの金メダリスト”グレン・ハワード・コーチは、「(ミュアヘッドのショットは)は正しい選択だった」と同紙にコメントした。
「110パーセント正しかった。試合に勝利できるショットがあったことはうれしいこと。残念ながらイブは決められなかった。簡単なショットではなかったが、決められるショットでもあった。我々はうまくいかなかった」と、日本のストーンを弾き、一気に2点を奪う逆転勝利を狙ったショットが間違いでなかったと強調した。
エクスプレス紙は「イブ・ミュアヘッドが(銅メダルを)吹き飛ばす」と報じた。
放映をしていたBBCのコメンテーターの「イブ・ミュアヘッドは、退場の際にフラストレーションで石を1つ蹴った。痛いに違いない。あのショットほどではないかもしれないが」との言葉を紹介。記事は、「緊張感、戦術に富んだ戦いが続いたが、日本は、第6、7エンドでハンマーに回り、主導権を握った。日本のスキップの藤沢五月が素晴らしいショットを見せ、第9ゲームで27歳のミュアヘッドにはプレッシャーがかかり、勝利をかけたショットをミスした」と、勝負の第10エンドの最後のミスショットを伝えた。
高級紙であるガーディアン紙は、ウェブサイトで試合経過を逐一報道。
「英国がハンマーを持ち、イブ・ミュアヘッドが最後の投球で、英国に勝利をもたらすチャンスがあった。彼女は狙ったが、そのギャンブルは報われなかった。日本は銅メダルを獲得し、選手たちはお互いに抱き合って、涙を溢れさせた。英国は銅メダルを奪うショットで勝負したが、ミスしたことで(メダルなく)帰国することになる」と厳しく伝えた。
また試合後のミュアヘッドのコメントも紹介した。
「チャンスがあったので、もちろん我々は(逆転勝利を)狙った。スキップとして、最後のショットをミスしたのは辛い。懸命に戦ったが、何もなく帰国するのは悲しい。最後はコントロールしていたが、残念ならが実を結ばなかった。心を整理するには時間がかかる。毎日、練習を重ねてきたが、最後のショットを決められず辛い思いしかない。五輪は、実際に来て見てみなければわからない厳しい舞台だ。我々は最後まで戦い、日本のプレーも良かったのだ。私は、今、打ちひしがれ、がっかりしている。自分、チーム、我々を支援してくれたすべての人を思ってがっかりしている。(この試合を)忘れるまで時間がかかるだろう」
総当りの1次リーグでは日本を8―6で下していただけでになおさらショックも大きいのだろう。藤沢五月との“美人スキップ対決”としても注目されたが、敗者の言葉は、とても重たいものだった。