がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

がん発見、仕事をキャンセル

2012-12-25 09:44:50 | 日記
食道がんは白く盛り上がっていた。
イメージではがんは真っ黒だと思っていたのでちょっとびっくりした。(そのくらい無知だった)
かかった医者が生体検査結果を待たずに紹介状を書くとおっしゃった。
先生は私のがんの進行と生検待ちの時間を天秤にかけて心配してくださる、人間味のある方だった。
わたしにはそれはちょっと暖かかった。
不幸な結果を知っても、心の奥があったかコーヒーをカップ一杯頂いたような程度のほんわか感がはっきり残った。
その小さな暖かさが冷めぬうちにあらゆる仕事のキャンセルを、病院の駐車場でした。
事務的に伝えた。
昨日まで元気に働けたのだから明日も働けるのだが、ここはきっぱり大きな一歩を踏み出した。
大切な人に病名を伝えた。
治療最優先でしばらく頑張ろう!
ショックな事だが、悩んでいても仕方がない、次、次と行動する事で乗り切るしかないと思った。

即座にきっぱり生活を変える宣言をした事は結果的にものすごく良かった。
自分の精神的にも良かったし、
勤め先や自分が役を受けている組織など、相手にとってもしばらくの期間戦力になれないことを前もって言った事は良かった。
すっきり一回で片付いてしまった。
あとはもう限りなく理想的に健康的な生活をスタートする。
考える暇なく生活を切り替えてしまった。
いいと思える事を実践してみた。
サプリメントをとり、ゲルソン療法に準じた食生活をしてみた。
そしてなぜか暑い日差しの中好んで庭に出て草をひき、春に植えた朝顔を愛でた。
はまってしまった。
雑草の生える速さと競争して自分の仕事の結果を感じて当時夢中になれた。
土とか植物とか日差しとか、実にありがたいものだ。
私を遊んでくれて、遊び疲れると充実して休むことが出来た。
いっぱい眠って、朝起きると好きなスイカを好きなだけ頂いて、ゆっくり動き始めて、お腹がすくと食事をとる。
温浴療法も良いと言うので明るいうちにもゆったり風呂につかる。
自分の生命力が高まっていくのが感じられる。
こんなに時間はいっぱいあることに感激する。
仕事中はくたびれて帰ると最低限の事しかしたくなかった。
自分の健康のために一日がつかえる素晴らしさ!
元気になったら(がんを克服したら、の意)あれがしたい、これがしたいという事を事細かに妄想して過ごす。
イメージはもう病気から羽ばたいて健康でやりたい事ばかり考える。
がんになって悪いことばかりじゃないな、朝ゆっくり寝ていられるし、自分のために時間をつかえる。
と、この頃は開放感に酔い、お気楽気分でした。
お気楽気分は幸いにも抗がん治療の2ヶ月間私を助けてくれました。

考えてみればそれまでの生活の中でがん細胞を育んできた訳ですから、無理やストレスがあったのでしょう。
それに気がついて自分の現実に気がついたと思うことにしました。
これまでの生活とはお別れです。

今日はクリスマス、入院中の私にはチキンもケーキもシャンパンもありません。
ま、いいか。
と、いじけずに受け流せるようになっていました。
がん告知の時から半年、自分で納得してきたからなのでしょう。
あの日、がんを思いやって伝えられて、仕事など社会生活をお休み宣言した時のおかげかもしれない。
きっぱり出来てよかった、いい医師で本当に良かったと思うのです。




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