がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

抗がん治療中のご飯(なんとたこ焼きのすすめほか)

2012-12-26 07:24:58 | 食道がん
入院中、病院メシについて書きたくなりました。
忙しくても必ず朝ご飯たべるし、家事で一番大事なことはご飯作る事だと思ってきた私。
食べる事が大好きだし、作る事も好き。
おいしいものを皆と囲む事は人生にとって重要な事だと思ってきた。
さらに、食べ物が体を作る事を実感して、良いものを食べようと思ってきた。
他はさておき、食については妙な自信と言うか意識を持ってきたのだった。
そんな食べるのだい好きな私でも、抗がん治療中は別の肉体になってしまったようだった。
抗がん剤の副作用は薬によっても違うし、個人差もすごくある。
同じシスプラチンを使っていても、食後に菓子パンをおいしそうに食べている人もいれば、
口内炎でものが噛めず、ゼリーしか食べられない人もいるし、空腹で吐き、食べようとしては吐き、吐いたのが刺激で吐く人もいる。
私は平気だろうと思っていた。
荒れた海でも船酔いしないし、食欲と関係なくものを食べることが出来る才能も豊かにある。
しかし点滴3日めから胃が石のように固く重くなって気分が悪く、しばしば吐いた。
口内炎も一度なってしまうと結構長く痛い。
二度目のときは少しでも気分が悪くなったら医師に言ってはやめに吐き気止めを出してもらうようにしたので少しはよかった。
でも、きついものだった。
酸味のあるものは痛くて駄目、固いものも痛い。
ぐちゃぐちゃしたものは飲み込む時えっとなる。
食事はたらの蒸したものやトウフ、煮た野菜、おかゆなどのメニュー。
吐く患者は消化の良い離乳食のような献立になるようだ。
食事の時間が憂鬱になる、気分転換と思いデイルームに出ていただくようにするが一向に転換されない。
体重は減りに減って、これから先手術が待っているのに、40kgにまで落ちてしまった。

そんな時に天使は舞い降りてきた。
天使の職業は栄養士、入院患者の栄養指導の為にわたしのベッドを訪れてくれた。
この女性の力はすごかった。
彼女は病院ぽくなくてそこだけがお家の食卓のようにことほいでいる。
いわゆる美女と言うジャンルの顔立ちではないが、いると私まで笑顔が移ってくるみたいで一目で私は彼女が大好きになった。
来てくれてありがたく元気が出る。
働くお母さん、と言う印象で、この人の明るさならさぞやいい子が育つのだろうな、と思わせるオーラがにじみ出ている。
一通りの説明をしてくれた、薬の副作用など、解りやすく。
ありがとう、と言おうと思ったら彼女はにこっと笑ってさらに話を続けた。
「蒸したたらなんか我慢して食べようと思うから落ち込むの、苦く感じるでしょ。努力しても食べられないよ。今、抗がん剤で味覚はばかになっているから味の濃い、ジャンキーなものを食べてみるといいよ。大事なのは体力を落とさない事、栄養バランスなんて二の次。今だけいいんです。一生ジャンクフードを食べる訳じゃないもの。食べやすいのはね、たこ焼き、カップ麺、チーズたっぷりのドリアとか、ポテトやハンバーガーよ、売店で買って来て食べる。ここのご飯なんか残したっていい」
たくさんのがん患者に真剣に接してきたのだろう、その言葉は力強くてすてきだった。
吸い込まれるように聞き、うなずいてしまった。
「5階の子どもたちもね、『やっぱ、たこやきだね!』ってピースマークして言ってくれてるよ」
そうだろう、彼女に二度目にであったら絶対にアドバイスの成果をガッツポーズで伝えたくなるだろう。
解る、と思った。
その日、たこ焼きは売り切れていたのでキャベツいっぱい広島焼きという総菜を売店で購入、夕食に彼女の笑顔を思い浮かべながらほぼ完食する。
あんな仕事が出来るのってすてきだ。彼女の人柄だろう。

抗がん治療をしている皆様、油を使った粉もの、ソースドロドロか熱々チーズでしのいでは?
ヘンかもしれないけど実践力に裏付けられてます、妙な旨さ!食べられなかった胃の腑に滲み渡りました。
また、食べる事で吐き気も治まる部分もあるように感じました。


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