がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

術後ご飯Vo.3

2013-01-31 17:35:31 | 食養(食べてからだをつくる)
疲れず、頑張っていこう
急いで食べると、やっぱりもどす・・・・
気持ちが悪くて吐いてしまうのではない、なぜか自然に上がってきてしまう。
体調にもよるとは思うが、やはりだめだ。
胃にご機嫌を伺いながらちょっとずつ入れていかないと。
もう大丈夫かと思ったが、全然。う~、落ち込む。
わたしはもうラーメンずるずるとか、椀子そばとか無理なのね。
気分転換ににんじんとクルミケーキをつくる。

たまご2個を泡立て、きび砂糖と蜂蜜少々。おろしにんじん。こな80g
オリーブオイル60ccシナモン、以上混ぜて焼くだけ。
たまにはアフタヌーンティーして、「食べるの怖くないよ」と自分にいい子いい子。

外食
これはけっこうなんとか楽しんじゃっている。
もちろん一応ビニール袋は持っている。
おえ、となったら後ろを向くつもりなのではじっこに座る。
量が食べられなくても、牛のようにずっともぐもぐしているのでその点は違和感ない。
中華料理とか、皆でいろいろシェアするスタイルだと実に都合がいい。
ひとの食べている量なんて誰もチェックしてはいない。
皆といろいろ食べるのはやはり楽しい。
また、みんな優しい。
うっぷ、となっても肩をなでておしぼりをもらってくれる程優しい。

意識しないとタンパク質不足
以前は夜パスタで済ます事多し、
だっておいしいし、具を変えると飽きないかし、ご飯炊かなくてもいい。
こういうでんぷん質中心飯の後はダンピングがくるので今は出来ない。
小さい胃で食事をするとよほど意識しないとタンパク質不足になっている。
健康な時にアミノ酸スコア(当時はプロティンスコアだったが)を一日の食事から計算するとけっこう不足していた。
体重1kgあたり1gのタンパク質、(けがしてたり、急に筋肉労働し始めたり、育ち盛り、妊婦、授乳中はこの倍の値)とるってたいへんだ。
50kgなら50gっていうけど牛肉100g食べたってタンパク質は14gです。
ましてやこの倍取るというと、大変。
おやつはナッツ類とか、栄養価ありそうなものを食べる。
食べる小魚は買って来たがいくら噛んでもあとからどうも、よろしくない。
若い女性の冷え性、肌荒れ、実はタンパク質不足なだけだったりする事が多いってよくわかる~
マメは半分はタンパク質、よく食べます。
サラダにしたり、スープやシチューに。これでだいぶ良いはずなんだが。
体力回復にはなかなか、まだまだ時間がかかりそうです。
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術後ご飯Vo.2

2013-01-30 18:48:47 | 食養(食べてからだをつくる)
ちょっとみて~
九州産のエンドウ豆購入、剥いてみたら、なんと発芽しているマメがある。

いきているんだねえ。かわい~。
昆布のだしで冷凍海老と煮てとろみをつけて食べました。

半分は冷凍して今度豆ご飯にします。
生命力を頂くって感じが嬉しい。

この地方の昔からの知恵、けがをしたらアワビを食べさせろ
ここは魚も豊富に捕れるのだが、そういう風に言うのだそうだ。
言いたいのは、けがしたら、は、手術したらとイコールなんだね。
「傷の盛り上がりが早くなるから、アワビ」なんだって。
古来からの知恵には一理あると思う。
(アワビ、築地に行ってしまって手に入り難い、産地でも。)

タンパク質を第一に!
術後は高タンパク食を心がけている。
理由その1)いっぱい切られてるから、切られ与三だから。組織がちゃんと縫合するにはタンパク質がいつもより必要だから。
理由その2)そもそもがん細胞にタンパク質を奪われ筋肉が減りまくったから。
理由その3)心がけて食べないと必要量が摂れないから
食が難しい上にさらに内容まで精査するのは面倒かもしれないが、買い物の時に思い出しているだけで大丈夫だ。
すきなものをさがす!
ちょうど今だとシコイワシの旬でマリネもおいしいし、つみれ汁もいける。
丸干しにして節分のひいらぎにつけても良い。
三枚におろすにはスプーンでこそげれば楽勝。
産地だと40円/100gという情熱価格。
安さも食欲をかき立てないか?(わたしはかき立てられる)
取りあえずアンチョビを仕込む。
豆とイワシのおかげで意識がとんでいる。後は明日書こうっと。




術後ご飯Vo.1

2013-01-29 16:36:37 | 食養(食べてからだをつくる)
だんだん食べる量が増えてきた
最初の頃は赤ん坊程度の量をつつくしか出来なかった。
色々な食品の味見をするお毒味係か、味をチェックするシェフのよう。
食べるのがへたになって、つかえたり、戻したり、あわてての見込んでしまうと苦しくなったり、背中まで痛くなったりしていた。
4~5ヶ月で少しずつ、食べられるようになってきた。
まだまだ一人前は無理だが、魚一切れが全部食べられる。
スープはスープ皿は無理だが小さなシリアル皿ならいける。カップスープの量かな。
本当に最近、急に食べられるようになってきた。
食べにくさはまだあるが、以前に比べると飛躍的にいい、もちろんばらつきはあり、うっとなることもあるけど。
でも、改善されてきた。

病人食=お粥、白身魚という誤解
世間一般では食道がん手術後のひとはそうざらざらいないから、誤解がある。
よく家庭にいる病人は風邪や腹痛。
胃に負担をかけないお粥、梅干し、雑炊、脂のない魚の煮たもの。
そういうものを2~3日食べているとなおる。
短い期間ならカロリー、栄養価低くても、胃腸を休める事を優先してゆっくり寝て直す。
私たちとは一過性の風邪とは違う。
でもごっちゃにして考える傾向が周囲にはある。
老人用介護食をくれた人がいて大いに傷ついたことがある。
「舌でつぶせる」と書いてあるお粥、雑炊のレトルト。
わたし歯はあるんです、噛むのは人一倍、噛まないと飲み込めないんです。
こと、わたしの場合、ドロドロのすり餌は嫌いでえっとなりがち。
水分、油分のある噛める食品のほうが食べやすい。
ジャガイモならマッシュポテトより、フライドポテト。
お粥よりトーストした香ばしいパン。
好きだけど納豆は食べるのがすごく大変、で、逆流しやすかった。今でもだけど。
イカ納豆にして刺身のイカを混ぜたらよく噛んでも気持ち悪くならなかった。
自分の例は延々続くけど、ちょっと止めよう。
退院してきた時は嚥下は練習中だが、栄養はしっかり取らないといけない。
お粥と梅干し、蒸しカレイではますます痩せてしまう。
積極的に食べないと。
腸ろう、エンシュアの補助を受けている間にまともに食べるようにしていかないといけない。
時間はいくらかかかったって良いから、普通のおいしい食べ物を食べてなれていきたい。
おいしいものがいい、だと、食が進む。ですよ。

逆のハウツーものならあるけど
たくさん食べて肥らないためのダイエット本ならいっぱいあるけどねえ。
術後、2ヶ月わたしは最低体重をたたき出した。
157cm36kg
腕なんか難民の子どものように骨の形になってしまった。
太ももも、手が回る細さ、どこもかしこも筋肉不足。体脂肪は10%(タニタによれば)
げんなりせず、おいしいなあと食べ続ける事しかない。
それでもなかなか肥れない。
食べる量が少ないだけではなく、腸に流れてしまうので消化が良くないのだろう。
旬のものを楽しんで、がんばるしかない。
ほんと、食べるばかり、作って、食べて。大抵30~40分は食事に時間がかかる。
マンネリ化しないようにかわったものをいっぱい探してくるしかない。
調理方法を変えるとか。
今夜はカジキマグロソティーと、雑穀米少々と、なんと、大根の鶏ガラスープ煮。ポテトサラダ。
ほんの少しずつでも食べていると明日のわたしになる。
がんばるべ
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またも腹痛、のなか思う事

2013-01-28 17:08:21 | 心のリハビリ
今日は腹痛
何の前触れもなく、お腹が痛くなる。
腸ろうの後のところ。
癒着があるらしい、狭くなっているんだそうだ。
様子を見ていると痛みも消えてしまう事が多いが、仕方がない。
昨年暮れ、入院したが絶食して腸を休めるだけだった。
繊維質をとりすぎているのは感じていた、気をつけて過ごそう。
(皆がみんなそうならない、わたしは癒着と、部分的な拡張が出来てしまった)
ロキソニン(オロロックス)はまだまだ手放せない。

頑張るひとを思う、どうしているかな
術後、抗がん治療、放射線治療を通院で頑張ると言っていたひとがいた。
子どもが不安定になってしまって、もうこれ以上家を空けられないって。
他にも、いた。そういう人が。
頑張って子どもの食事とかも作り、抗がん治療と放射線治療をしているひと。
絶句してしまう。
涙が出そうだ。
腹痛の中、ごろごろねて、そんなひと等を思う。
その心境はわかる気がしている。
つらいだろうな。
必死で頑張ってお母さんをしている。
何とかならないんだろうか、人ごとだが、そう思う。

ある時からいいひとをやめた
むかし、頑張って良い人をしていた時代もある。
料理なんて作ってあげちゃってさ、興味ない趣味までつきあってあげちゃった男なんてろくでもないヤツになってしまうのだ。
横暴ちゃんか、無神経の権化に育ってしまう。
(たまごっち、昔流行ったとき、うっ、こ、これだとおもった。)
職場でも、好意でいつもやりすぎるのは自己満足で良い事ではない。
皆で気がついてみんなでやらないといけないのだ、チームワークを崩す行ないになってしまう。
なんであんなに良い人ぶろうとしたのか。
今ならよくわかる、強迫観念だった。
いい子ちゃんじゃなくちゃ認めてもらえない環境で育ったからだ。
「じぶんする」を家庭のモットーにして勝手気侭なひとになってしまった。
悪人になって始めて気がつく事も多かった。
でも、言う事は変わった。
「わたし、こんなにがんばってるのに、あなたはなぜ?」という思いはなくなった。
あなたは何がしたいの?と自他の区別を持ってみられるようになった。
あなたのために、と、身を削る献身、すごくわかる。
わたししかいない、と思えばどんなにつらくても頑張る気持ちも、ひとへの思いも。
でも、わたしは自分する。
たとえ、ダメ母でもダメ女でもダメ妻でも、おじゃまでも、やっかいものでも、しかたない。
が、けっこうひとは理解してくれる。
存在だけで大事に思ってくれる。
その辺も当然のようであり、意外でもある。
歳を取ると楽になることもある。
自分のことばに責任を持っていきておれば、何言っても平気になるなあ。
平気って言うより、言えない事がなくなる気がする。

あたたかくして、すごそうね~
理由がわかる痛みは不安はない。
ゆっくりしましょ。

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ストレスから逃げたい!極端に逃げたい。

2013-01-27 18:17:03 | がん・腫瘍全般
好き嫌いが激しくなった
もとからはっきりしていると人に言われてきた。
本人は「え~~~っ」であるが。
がんの告知を受けて以後、わたしはもの凄く自分の好き嫌いがはっきりしてきた。
以前は世の中の8割がグレーで1割ずつが白と黒だった。
その日の気分でグレーなところの色合いは変わり、バラ色に染まることもあるし、どちらかというと黒っぽいグレーに変わったりもする。
そのグレーなゾーンが白黒はっきりしてしまった。
自分でも驚きである。
何かの自己防衛反応だろうか。
自分とのつきあいがタイトになったためか。
悩まず白黒を決めてしまうことが出来る。

いやな気持ちにならない努力
これがパーフェクトにできればわたしはお釈迦様クラスだ。
もちろんそんなことは出来ない。
だから、環境整備である。
花を眺めたり、表を歩いたり、麻のシーツとベッドカバーで寝るようにしたり、いい物を集める。
いやなものを捨てる。捨てるというのも気分的にいい物である。
自分でメリハリを付けて暮らすようにしている。
だって、食べるのも大変、ダンピング症候群でドキドキハアハアしたり、傷も痛い。
これら全て、なれて受け入れるのが日々のリハビリだ。
だから自分に甘くしてやっても良いのだ。

過去に同じことを思ったことがある。
子を産んだ直後、夜も授乳に置きていた頃。
孤立無援な育児をのりきるために全てを許した。治外法権!
ニュースでは育児ノイローゼの母親がこどもに手をかけ、泣き崩れている姿。
「それなら、子どもなど産まなければ良い」「母性の欠如」というひどい論評もこたえた。
だからわたし「今日は子殺しするといけないので欲望のおもむくまま買い食いをする、たこ焼きとカツサンド」
経済と時間の許す限り、自分に甘くした。

ま、そうそうエスカレートしないもんです。
じき、セーブしてしまうけど。
たこ焼きやカツサンドで閉塞された育児の解決も出来ないのは知っているけど。
この間わたしはかなり、ネットで買い物をしている。
買った以上はすごく大げさに喜んでいる。
(昨日の格安ソファなど)
それでリハビリの全てがバラ色になんかならないとは思うが自分でご褒美をいつも探したい。

ストレスはやってくる、逃げたい
逃げて逃げて逃げてもストレスフリーにはならない。
それはこの世の法則だ。
本当に自分にとってのストレスの種は逃げる程追ってくる。
どうしよう。
逃げながら解決していくしかないと思う。
見通しを持つしかないと思う。
事態は変わらなくても見通しがつけば、考え方がしっかりすれば楽になる。
昔は、これが経済的な事だったり、もと夫だった人だったり、ストーカーだったり、いろいろあったが、一個ずつ解決できた。
今わたしは親との確執に苦しんでいる。
病気になってからお愛想であうことができなくなってしまった。
ひどい娘である。

時間を置こう
逃げた。
明日になればまた何か変わる、きっと。
カツサンド的なものの中で(安いからと卵サンドも好きと妥協せず)ゆっくり時間を感じていれば、どうにかなるかも。
空気がふっと変わることがあるのを待とう。
ベイビー、逃げるんだ!と、キヨシロー(RCサクセション)は名言を残して逝ったのだから。





カウチソファとウォーキングシューズ(リハ必須アイテム)

2013-01-26 17:32:55 | がん・腫瘍全般
昨日の日記(楽しかったが疲れるのだ)
外に出るのは素晴らしいこと。
人にあうのも世界が広がり、心うきうきする。
こんなによくなった~と自信満々、いつでもどこでもいかれるな、と思ったりもする。
しかし疲れている、それは少し遅れて気付く。
こどもの外出と一緒です、「まだ遊ぶ~」と疲れてごねている矛盾したカオスの中を生きているこどもそのもの。
どこにもよらず買い物もせず帰宅し、フロに入り、ミネストローネスープを暖めて食べる。
もう他に何も作る気力がない。ソファで映画をだらだら見るうち空腹に耐えられなくなる。
数粒だけ袋に残っていたミックスナッツを食べて寝る。
明日は頑張ろう。

好きなことをするのはよいこと。
出来る事が増えるのもよいこと。
でもまだ普通じゃない、これがリハビリなのだ、繰り返し経験して自信をつけていくしかない。

リハ中、罪の意識なくゴロゴロしたい、ソファで主に暮らす日々
以下、健康時の家での生態
*立ち働く
*食卓に座っている(食事、TV、雑誌を読むなど)
*ふろ
*トイレ
*PCデスク
*ベッド(睡眠)
外で動いて帰ってきているので運動不足ではない。

退院後は寝室で過ごすのはもちろんよくない、が、上記のなかで時間が過ごしきれぬ。
立ち仕事はちょっとやって休む、食卓で座るのもなんだかくたびれる。PCも最低限しかいじらぬ。
フロはのんびり楽しいが、一日がしんどくてならない。
ソファの導入に至る。
ソファを置くのはいやだった、狭くなるから。
入院中にソファをインターネットで購入しておく若い人たちを見て(今の若い人は先を考えていて立派)わたしも真似る。
高さの低いカウチソファを探し、これが気に入る。9,900円という超破格。
が、この格安物件のタオルカバーは外せなかった。
ムートン(洗濯できる)1,5頭分を2枚敷く。
インターネットで購入。13,800円×2 ソファが3つ買える
良いんです、これは。そういうやり方もあるんです。いいでしょ?

楽、気持ちよい、ごろごろ動ける、手軽に休める。
すごく幸せな休息時間が過ごせるようになった
ちょっと横に(頭は高くして)なれるって本当にいい物です、リハに必須。9,900円とは思えない。
気分がいい時は「サイコ~」と言いましょう。
決して天国とか、極楽とか言わないようにしてます。

ウォーキングシューズ
この頃歩く人をいっぱい見かけるが、わたしは歩かない人だった。
治療が始まり、仕事も趣味のスポーツもいかなくなり、歩く靴を買った。

良い靴があるんですね、足にぴったりのを店員に選んでもらう。
ちょっと派手だけど・・・・良いんです、若々しくて。
ゴミ出しでも何でもこの靴を履く。
何となくそのまま散歩する日々。
散歩の際、気がついたことがある。
楽しく歩くには冬場、風上に向かって歩く。
帰りは普通、風下に向かい、風に背中を押される。
逆だと、きつい。
まだ帰り着かないのか、と嫌気がさす。
歩くと季節がよく見える。けっこう気分を支えてくれる。

咳はつらいぜ

2013-01-25 07:35:17 | 食道がん、肺の手術
術後の空咳は痛くてつらかった、しばしのがまん
禁煙をしないと、術後、痰がいっぱい出てすごくつらいと事前情報を得た。
入院中は煙草が吸いたいとも思わず、思ったところで吸えない。
このまま禁煙できちゃうのである。
しかし、自宅に戻れば、見つけちゃうのである、買い置きしたセブンスター。
この一箱を空ぶかししながら万感の思いを込めて取りあえず固い禁煙を誓ったのだ。
手術ではわたしの肺は意外にきれいだったそうだ。
喫煙歴は長いが、職場では一切喫煙しないので(出来ない)本数が少ないのがよかったのか。
痛くてしんどい咳をして痰は2~3回でて、終了。
が、空咳が出る。うっかり吐くこともある。
これは2ヶ月くらい続くと医師に言われる。
え~~~~~っ。

息を吸い込むと咳が出る
喋るのって息吸いますね、そうすると会話の途中でげほげほ。
熱いお茶をふうふうするとげほげほ、お茶こぼれる。
食事中も食べようとして大きな口開けて(やってみて、息吸うから)げほげほ。
この際、吐いてしまう事も。
首尾よくビニール袋を用意していると咳は出ない傾向にあった。
また気分よくて歌を口ずさんだ瞬間げほげほ。
それでいて肺活量は少ないのだ、多いに減ってしまった。
2ヶ月我慢、と応戦するも、2ヶ月過ぎても咳は出るじゃん。
え~~~~っ。いやだ。
それは個人差あり、ネットで調べると半年くらい咳が出る場合もあるらしい、主に老人。
54歳は老人に近いのか~、げほげほ。

肺の手術患者は同じなのね
ちょっと専門的にはニュアンス違っていると指摘されそうですが、勘弁。
食道がんではなく、肺の一部摘出した方が同じ症状だった。
そういう知人がいる事もまれだし、お互い家に籠りがちなのに、滅多にいかないユニクロでばったり会う事もまれ。
きわめて少ない確率で時間をともにし、久しぶりに友好を深める。
切ったところはほぼ同じ、右乳房の下から脇の下にかけて。
肋骨折った場所も後ろのここでしょ、と「そうそう、同じ」と盛り上がる。
弧を描く切開の他、穴があけられる、それはわたしのほうが一個多かった。
肺活量が減り、しばらく咳で苦しんだが、回復してきたという。
同じ仲間がいた事でわたしはすっかり明るくなる。
もうじき手術から5ヶ月ですが、そろそろ歌もうたえそう。

こけて肋骨を折りやすい(わたしは折った)
そもそも肋骨って折れやすいのね。
わたしはこれまで4回折っている、いずれも強打による。
肺に刺さって息が出来ないような緊急性を伴うものは一回もない。
医者に行くと痛み止めと湿布をくれるだけ。
手術で切ってあるから完全につくまでは折れやすい。
寒くなってもこもこのパイル靴下をはいて階段を下りてこける。
背中をうつ、あ~折れた。
次の通院まで痛み止めもあるし、良いや。
ちょいといやな感じだが我慢してしまう。
「折れるよね、折れてる、大丈夫」と医師。
そんな程度ですが、こけないよう十分注意。

咳も仕方ない
「肺のあたり、さんざ、いじったから咳も出るよ」
あるとき医師が言った。
そうだった、100個以上のリンパ節を残さず何時間もかけてとってくれたのだ。
私的考えだが、肺も、戻ろうとして咳するんじゃないか。
昔買っていたイヌが胸を強打した直後咳をしたのを思い出した。
イヌがやる事は、彼らの中の野生を信じてるわたしには大いに意味ある事だと思ってる。
空気を急速に吐き出し息を吸う、咳によって肺も活性化してるんじゃないか。
良い風に思おう。

今日はお出かけなんで、うきうき、朝一でブログを書いちゃいました。
いってきます~

腸ろうについて

2013-01-24 16:11:52 | 食道がん
腸ろうって
腸瘻って書くそうです。
瘻って字の意味はできもの、なんか他の命名はなかったんかい。
がん摘出、食道再建手術の際、一緒にみぞおち左下に瘻孔を開けて、細いチューブを体外に出す。
チューブは小腸の入り口に近いところに入っている。
ここから栄養を取るライフラインだ。
通常2~3ヶ月、お年寄りなんかだと半年近くラインを確保するそうです。
食事がすすんでも焦って抜かず、様子を見るようだ。
医師は「食べられなくなった時の保険」という言い方をしてた。
腸ろうがあってもシャワーはOK
最終的に引っこ抜くのだが、別に麻酔もなく、エイって抜く。
測っていないので正確ではないが、驚く長さが腹の中に入っている。
たぶん40cmくらい、腹から出すとピンとまっすぐにのびる。
こんなものが入っていたんだと驚く。

経腸用液を入れる

点滴でゆっくり小腸に栄養剤を入れる。
この栄養剤、基本的に味がついていて経口摂取も可能なもの、静脈に入れるととんでもないことになるけど。
写真はラコール400cc、コーヒー牛乳、バニラ香料のようなにおい、色はコーヒー牛乳を少し白っぽくした感じ。
手術直後はならすためにもう少し薄い、ポテトスープのにおいの栄養剤だった。

家庭に腸ろうをつけたまま帰宅
病院でレンタルの点滴台を教わり、自宅に宅配してもらう。
これはいくらでもない。安かった。
400ccを一日一本。
30秒で5滴だったと思う、早さを自分で加減する。
胃に入れるのではなく小腸に入るのでどうしても下痢気味になりやすい。
わたしは特にそうだったので遅くして、4時間くらいかけて落とす。
この時間は暴れ回るわけにはいかない、不自由さがつきまとう。
宅配が来て玄関にガラガラと点滴台を引きずっていったら配達のおじさんがびっくりして飛び上がった。
なぜかチューブは点滴台にぐるぐるヘビのように巻き付いてしまうし、つまずくと腹のチューブが引っ張られいやな感じ。
なかなか拘束される。
寝ているときにやれないかとも考えたが、終わってすぐに10倍に埋めた食酢を入れて洗わないといけない。
幸い、腸ろうというのは口に入れる程の神経質な衛生管理を必要としない。
言い方悪いが、日々の事だと助かる。
使う注入器も煮沸消毒じゃなくて台所洗剤で洗ってよし、ミルトン消毒も要らない。水道水を腹に入れてよい。
午前中に点滴を終わらせると午後は出かける事も可能だが、起きてすぐの元気な時間帯をつぶすのはむなしい。
あさから下痢しているのもつらい。
かといって午後取りかかると半日点滴をにらんでいるようで「シャワーあびたい、早く終わってくれ」と不満がつのるのであった。
家庭という自由な場で腸ろうの点滴をするのは、わたしにはストレスだった。わがままだけど。

腸ろうとったら栄養を取る努力を
その分、栄養を経口摂取しないとならない。
ラコールは総合栄養液だが、仮にカロリーのみで計算すると、400Kcal同じだけとるには
牛乳なら600cc、板チョコだと2/3枚、ナッツ60g、干しプルーン175g、クリーミードレッシングだとサラダ5杯分、おにぎりだと3こ。
チューブな胃袋で考えるときわめて大量なのです。
病人ぽいメニューでは野菜煮もの46Kcal/100g、レトルトお粥、雑炊55~88Kcal/1袋、ライフスタイルシリーズというレトルトカレー128Kcal/1食、ポタージュスープ70Kcal/1杯とんでもない量を撮らないと足らない。
経口の栄養液(ラコールと変わりないんだけど飲むのに適した容量)を、処方される。
保険が適用される。
エンシュアが処方された。ミルキー味。好きな人は好きかも。

売店でもいろいろ売っていてコーンポタージュ味、バナナ味、イチゴ味いろいろ。
あくまで栄養目的なのでドロドロして人が作った味です。
明治のブリック(手元にない)ゼリー、コーヒー味はわたしには比較的食べやすかった。
上記の計算を考えると残しても少しは飲もうという気になるかと思います。

腸瘻後、わたしはトラブル
抜いてから数日、激しい腹痛。
娘は腸閉塞を心配していたようだ。
痛み止めで過ごしてしまった。
だって腸ろう逆戻りなんてまっぴらだったので悪い患者は我慢して過ごした。
次のCTでは腸の一部に拡張が見られた。
詰まった先がパンパンにふくれている状態。
腹の上からでもまるでたまごが下に入っているくらいふくれているのがわかる。
が、動いて触れなくなる事もある。
結局、腸閉塞で入院した。
腸をよく動かす薬を飲む事と、繊維の多いものを避ける事で様子を見ることとなる。
腸閉塞を起こしやすいものは柿、食物繊維だそうだ。
これは、わたしのケースで、皆が腹痛になるとは限らないのでご心配無きように

過激にポジティブな希望に支配されてしまった、ガチにぽじなのだ

2013-01-23 12:29:34 | がん・腫瘍全般
今日は、ほんとの日記です。頭がハイになって夜眠れなかったので、夜中に書いていました。
職場に年始のあいさつ(?)に行った
ちょっと心の葛藤があったんだよね。
行きたい気持ちと、行かなくちゃという義務感と、行きたくない、こわい、みたいな心理と。
だって、突然仕事放棄して7ヶ月。
この7ヶ月は人に伝え難い程重大であった。
皆に心配も迷惑もかけて(迷惑、とは誰も言わないだろう、でも厳しい現場ですっごい負担を甘受してもらった)当初は病名も言えず、療養に入ったのだった。
途中、抗がん治療の合間、術後一回ずつ顔は出している、息子に運転して付き添ってもらって。
この一ヶ月、急速に自分の力が戻ってきている。
ブログも出来た。
メシも食うとる。
友達と会うことも出来てきている。
自分で自分の背中を押す。
よし、行くぞ!

思いがけない心の変化
職場への道は田舎なので風光明媚。
この道を「胸の奥がなんだか痛いぞ」と自覚症状を感じて帰ってきていたり、
きらめくひかりの中、アセアセしながら急いでいたりしてきた。
見慣れた道路がリラックスさせてくれる。
職場では、みんな、わたしの復帰を待っていてくれた。
仲間として。
午睡中の子どもたちにも対面する。
いけない子が起きていてわたしを見ると眼を輝かせてうれしがる。
また、ここに戻って働きたい。
まだまだ無理、と思っていた気持ちがからから壊れる。
働きたい、という願望は即、現実性を持って組み立てられる。
「一時間、二時間ずつでもまず始めたい、今年度中に」とお願いしてしまった。
それは自分でもびっくりする動きだった。

保険金、傷病手当じゃない収入で生きたい
すてきな女性が障害者福祉の仕事をしていて、彼女は「払う自立」を最終目標にしている。
障害者はもらう、じゃなく、税金が払えるまで支援したいし、そういう世の中を作りたいと。
すごいでしょ?
猛烈に好きだ、そういうの。
乞食の心は持たない精神が好きだ。
このまま大事に大事に過ごすより、幾ばくかでも働いてみて、で、きつすぎたらも一回止めても良い。
体は順応する。
一番のリハビリかもしれない。
ごっちゃにして書いてきた部分もあるが、手術まではがん患者として生存し、
がん細胞を取り除いてからはリハビリしている療養患者である。
「わたしは病気」ではもうない、元の体には戻れないが、なんとか生活をしようとしてきた。
最終目標は職場復帰。わたしはまだリタイアには早すぎる、食い扶持を稼ぎたい。
背伸びしてままごとでも、行くだけでも職場に行くのだ。
笑われたって、迷惑かけたって良い。
何年か先に完全復帰が出来ればいい、出来ないと見極めるだけでも良い。
普通に働くというより、逆流して泡を吐いても「ごめ~ん」という強さを持つという事かもしれない。自分にとって。

働くって「はた」を「らく」にするということ
賃金労働だけじゃなく、家事育児、人はみなずっと働いている。
対価は色々だと思う、それは究極、関係ないとわたしは思っている。
退院後、自分のためだけに全てを使った4ヶ月。
人の存在に助けられて支えられて、食べて、寝てそこそこ一人暮らしを最低限してきた。
好きなことだけをして。
その先に置きたいのはわたしは働くという目標だ。
働くって意味を痛い程感じる。
今後の検査(3月)で再発がなければリハビリ休暇は終わりにしようと思った。
それがかなわない結果が出た場合も、目標は先延ばしするだけの事だ、治療に専念しようと思う。
もし、元気に働けたら、それもがん患者の希望になると信じている。
再発したら、また対処すれば良い。
まだ、隠居には少し時間がある、投げ出した仕事に復帰が希望なのだ。
現実にかなうかどうかはわからないが、希望するのはわたしの問題だ。
やるべ。
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2013-01-22 11:10:38 | がん・腫瘍全般
80歳の女性とのおしゃべり
道からちょっと坂を上ると我が家。
すぐ下のおば(あ)さんとの会話、この頃1mmの年齢差を感じさせなくなった。
「もう何年も着てないコート、捨てねばね。ちゃんと洗濯も出してあって、安くはなかったんだけどね」
「着ないね。捨てるしかないね。しょうがないよね。流行ってある。後からこんなもんまでとっておいてって言われるのやだもんね」
「あんた、じゃ、着物はどうする?」
「それは捨てないで、リフォームとか、買い取りとかあるらしいよ」
「昔さ、お召しが好きでよくこさえたんだよ」
「着物は代々って言うけど、体格も変わると無理ね、おはしょりも取れない、自分一代だね、リフォームしてドレスは~?」
「あはは、なにいってんだい。金曜日だね、今度の。古着のゴミの日」
「ぼちぼちきれいにしときますか、今から」
おばさんはわたしのがんを静かに認めてくれている聡明な人だ。
話しながら二人でふと空を見る。
おばさんは「明日、雨だってね」などと意味なくいつも天気のことを言う。
「早いよ、時間が過ぎるのは」と人生の総括も一緒に言うのだった。
その横で5年後の生存率はどっちが高いんだろうか、とふと思うわたし。
じいっと空を一緒に見て、じゃ、と家に入る。

まるで公園のベンチでタバコ吸う年寄りの会話
若い頃のイメージだと、そう。
日溜まりで年寄りが集まってしゃべくっている風景みたい。
これって、ものすごくあたたかいんだよ。
あたたかいというより、空気が優しいって言うのかな。
ま、わたしもがんにかからなかったとしたって半世紀以上生きているのだ、今まで生きたより残っている時間の方が少ないであろう。
それをくる日もくる日もご飯を食べるように当たり前に一緒に確認する。
難しいセラピーとかより、ごく普通に受け入れていく。
それは一人じゃ出来難い。
相手をいたわったりしながら残りの時間を互いに確認している。

死ぬつもりはない
悲しくもないし、メランコリックでもない。
基本的に死ぬつもりないですから。
黙ってふたをして考えないようにするより、人とシェアしたほうが生きやすいのだ。
残り時間の心配さえ人と相談しておくとほっとあたたかい余裕がうまれる。(わたしは余裕のよっちゃん)
互いの知恵を駆使し、要らぬものの処分も今から出来れば穏やかなのだ(わたしはさすがのさっちゃん)

ブログは素晴らしい、感謝
その昔、インターネットってこんな風に発展すると思えなかった。
アナログ回線(今とはまた違う)で、つなぐとき電話の呼び出し音がして、プロバイダまでの通話料が課金されていた。
遅かった、それでもすごいすごいと言っている人もいた。
回線関係の進歩もびっくりだが、ブログとかSMSとか人と人とのネットワークにはもっともっとびっくりしている。
ブログってネットワークの先にいる「あなた」に支えられているなあって気がする。
一人で日記書いているのとは根本的に違う。
片田舎でリハビリして家にいてもパニクらなくていい。
「あ~~~わたしは一人ぽっち、理解者はいないわ」と、焦る事もなくて済む。
これだよね、これから先、こういうものが大事。
芸能人のブログじゃなくても、自分と共感する人のブログで支え合う。

主役は人なんだよなあ。
それが今回泣ける程わかった。
弱い時は泣き、同じ立場の人に気付き、変わることが出来る。
ストレスはがんにも他の病にも最もよくない。
それがあたたかいもので満たされる瞬間がある。
それが出来るのは人なんだなあと思った。

しぶとく頑張ろう。









低血糖に注意!!ダンピング症候群

2013-01-21 16:34:35 | 食道がん
ある日突然やってきた低血糖
腸ろうを外してもらってから、こまめに食べ続けていた。
本当にこまめに。
虫歯になったらどうしようと思うくらいいつも少しずつものを食べていた。
ヨーグルト、豆乳にコーヒーたらしたもの、食べきれないパンののこり、スープ。
はらぺこあおむしという絵本みたいだ。
ちょっと食後2時間半ほど過ぎたら、空腹で気持ちが悪い。ドキドキして手が震える、血の気が引くような倒れそうな感じになった。
IKEAのチョコをバリバリと食べ、落ち着く。
こういうことが何度か起きた。
そしてチョコレート一枚がなくなった。
さすがに偶然じゃないと思い、ネットで調べ、(もう家にはチョコないし)低血糖を起こした原因を知る。

ダンピング症候群というのだそうだ
控えめに食べても、胃に入った食物はすぐに十二指腸に流れてしまう。
急速に血糖値が上がり、体はいっぱいインスリンを出す。
よっぽど大食いしたと誤作動する。
それで低血糖になってしまうのだという。
胃の摘出をした患者にも現れるのだそうだ。
低血糖を起こしたら糖分を取る事、との事。

高タンパク、高カロリー食
が、いいのだそうだ。
確かに、炭水化物が主でご飯を済ますとその後低血糖になっていた。
蜂蜜をたっぷりつけたパンと紅茶で取りあえず朝ご飯をすますと2時間半後はあはあ、かたかたがやってくる。
それと、食事時、みそ汁やスープ、紅茶など液体をたっぷりとるのもよくないそうだ。
胃の容量がないからプールしてくれず、腸へ全部流れてしまう。
みそ汁は間食に。
ゆっくり血糖値が上がる玄米、全粒粉のパンのほうがよい。
炭水化物は控える。
甘いものもあとが恐いのでとるならほんの少量ずつ。
なんか糖尿病の治療食のよう。
別に、飴とかチョコとかを持ち歩けば良いだけの話、と思っても良いのだが気持ち悪いのはいやだ。
胃がある程度の容量になるまで神経質になろうと思う。

考えようではうらやましがられるかも
ウエイトコントロールのためダイエット療法中の人から見たら、高カロリーなものを本人なりにお腹いっぱい食べているんだからうらやましいかも。
食べたいのを我慢している人は私たちの100倍以上いるだろう。
魚だって私たちは脂ののった旬のブリとか、サバとか、大トロもおすすめ。
よく噛んでお腹いっぱい(でも、すぐなっちゃうんだけど)たべるのだ。
たいてい、皆体重が落ちてしまうので量を我慢しろとは言われない。
ま、いいとしましょ。
いつでもいいとしましょ。







療養ベッドはいいけど、玄関マットでも大丈夫

2013-01-20 18:06:13 | 食道がん
平らになって寝てはいけない
病院ではベッドを起こして寝るように勧められた。
腰に負担はかかるけど、吐かないため。
それでもうっかりすると吐く。
不思議と酸っぱい胃液ではなく、苦い胆汁を吐く。
ちょっと生臭くて緑っぽい。
噴門だけじゃなく幽門もルーズで本当にチューブな胃。
「また食道がんになっちゃうよ」と冗談もいう。
適当に起こして寝る。
術後4ヶ月経つが今でもそう。
この前、MRをとる時、逆流してしまった。
ほんの1~2分だと思うが、(体調もあるかも)まだなんだなあと思った。
本当はマッサージとか行きたいんだよなあ。
仰向けだめ、うつぶせだめ、左下もダメなんじゃ施術してもらえないかもなあ。
でも、頭高くして寝れば良いだけの事。

家庭のベッド、マットレスで頭を高くする、玄関マットがよかった
いろいろ試みたんです。
これがベストかな、ってのを。
まず、マットレスのしたに座布団2枚。
アクリルの玄関マットを買って来て大きさにもよるが4分の1に折る。大きければ三等分し、さらに半分に折る。
これをバスタオルでしっかり巻く。
枕代わりに置く。
高さに差が出て寝難いのでタオルケットを半分の半分の半分、8分の1に折って載っける。
すてきなタオルだとホテルの枕みたいに見えなくもない。
もし、吐いちゃっても布団までしみないし、どれも洗濯可。
クッションだと寝始めは良いんだけど時間とともに平らになってしまうし、寝てるうちに逃げる癖があるようでどうもいまいち。
本当は病院みたいな療養ベッドが良いんでしょうね。
でも、改善するかもしれないという期待があるから玄関マットで参りますわ。
良いの、別に玄関先で人と喋ってる夢ばかり見る訳でもない。

この枕で見たすてきな夢
先週、RCのキヨシローが夢にいた。
すごく穏やかに笑っていて、あまりに気品ある笑い方なので、ああ、キヨシローはもう死んでしまったんだと気がつく。
ずうずうしく一緒にスローバラードをうたった。
がんだから特別サービスだったようだ、ずっと笑っていた。
起きてもずっと本当のことだったように消えない夢だった。


手術後の食事

2013-01-19 11:26:08 | 食道がん
前の体とは違う!嚥下が大変に
一般病棟に戻って、食事はごくゆっくりゼリーから始まり、重湯、みそ汁、となり、2週間後も普通食にはならなかった。
腸ろう(手術の際、小腸にチューブを挿入し経腸用液が点滴されている)があるから、たべるのになれる事。
むせやすい事、肺炎になると大変なことを看護士から強く言われていた。 
首周囲に真綿のかせがあるような違和感がある。
ゆっくり、少しずつ飲み込むが、嚥下の時にのどに異物感を感じる。
「喉に詰まる感じがする」と食べようという気にならない人もいた。
ともかく、この体に慣れる事しかない。
結論から言うと、4ヶ月もするとかなり意識しなくても飲み込めるようになる、でも少量、よく噛んで。
食べるのに気力を使う。
赤ん坊の離乳食と一緒で慣れる事だと感じる。

突然に吐きやすい!どうも理由は二つ
食事後、床に落ちた箸を拾おうとかがんだ瞬間苦労して食べたものが逆流。
胃の噴門がなくなったから。もう、じっとして過ごすしかない。
横になるのもだめ、咳き込むのもダメ。
もう一つは「いやだなあ」「好きじゃないなあ」と思った瞬間我慢していた何かがはじけて吐く。
別の言い方をするなら、食べる事がけっこう苦しいことになっていて限界に達すると体が拒絶する。
好きなものを楽しく食べるしかない。あと、この環境に早くなれる。

クオリティオブライフの低下に対して思う事
このごろクオリティオブライフ(QOL)という言葉をよく聞く。
生活の質、人間らしい生活を医療でも考慮して出てきた言葉のようである。
QOLは著しく下がる、人間の体に本来要らないものはないから切ってしまえば支障は出る。
でも、なくなっても他の器官が補う事で新たな生活も出来るのが人間だとも思う。
現状は固定的じゃない。気にする事ない。
新しい、慣れる場面だと思おう。

赤ん坊、こどもが食べ物に慣れる過程と同じ
私たちみんななんてことなく色々な食品をおいしいと食べているけど、お母さんが努力して繰り返してならしてくれた事を覚えていない。
食品ははじめはみんな未知なもの、べえって出したり飲み込んだら吐いたりしていた。
新しい胃袋の食道で飲み込む事はその復習だ。
味覚というものは実に多くの要素から構成されている。
温度、におい、舌触り、舌でつぶした感触、噛んだ食感、のどごし。
そのうち一個でも気に入らないと好きじゃない食品になる。
こどもの場合、肉など繊維の残るものが苦手な子ははじめのうち多い。
生野菜など形がなかなか消えないものも。
ゆでたまごなど、口の中の水分を奪うものが苦手な子も見かける。
シチューなどドロドロしたものをいやがる子も、たまにいる。
強烈な色のものをいやがったりいやな体験で嫌いになったりメンタルである。
だからこそ、嫌いが好きに変わる。
こどもは咀嚼力がまだ弱いから、調理の工夫が必要になる。
この最後の3行、私たちも同じなんです。
ま、好きなものをよくよく噛んで練習、練習、気楽に。
のどに繊維があたらないようによく噛んで、ドロドロがいやならさらさらのコンソメ仕立てにしたり、食べて楽しいものは必ずある!

あとはゆっくりよく噛んで、たのしく
経過があまり良好で術後2週間で退院する。
普通1ヶ月と聞いていたから早い。
栄養指導に看護士が来た。
いたって簡単「固いものはダメ、よく噛んで」のみ。
「いけないものってあるのですか?」
「おせんべいとラーメンです」
「なぜ?」
「おせんべい固いし、ラーメンは一気に食べられるけど胃でふくれるから」
わたしの欲していた情報量とあまりにギャップがあり、患者の食のレベルとかけ離れていたのでわたしはすっかり不機嫌になってしまった。
担当の看護士に悪いことをした、彼女はあまりに若すぎて聞いた事をそのまま言っただけだったのだ。
無知なまま、帰宅し、普通のものを少量ずつゆっくり食べた。
すぐにせんべいも食べたが、丸呑みしなければ全然問題ない。
よく噛んで食べると胃が、いっぱいになってしまう。
唾液がたくさん出るから。
泡っぽい嘔吐はしばらく続くが徐々になくなっていった。
退院後は半月程息子が一緒にいた。
彼は食に無頓着ではない、おいしいと感じると「おいしい、これ」と必ずいう。
逆に不味いとすごく機嫌の悪い表情になる。高い店でもむっと黙ることがある、すごく素直だ。わかりやすいともいう。
彼といるとだから食べ物が倍おいしくなる。
奮発したくなる。
ミネストローネスープやイベリコ豚、とれたてのイカ刺しなど好きなものをこれでもか、と食べる。
量は少なくても関係ない、食べる事が楽しくなれば良い。
ともかく、時間をかけて食べる。一日5~6食。
どうせなら楽しんでやるほうが絶対良い。
仕事は食べる事、寝る事、少しずつ動くこと。笑う事。
赤ん坊と同じである。

巻き爪を直そう(入院中の付加価値いろいろ紹介)

2013-01-18 17:43:27 | がん・腫瘍全般
入院生活、ロングバケーションと考える
悔しいから何か付加価値を探すことにした。
これを偉そうに言っていいのか抵抗はあるが、足の爪を切らないことにした。
靴を履いて歩く事もないから大丈夫でしょ。
巻き爪、切るとよくないと言われるが食い込んで痛いから切る、よけい悪くなるの連鎖だった。
切りたくなってしまうのだが、頑張る事に。
しかし、完全に直すにはもっともっと長い入院生活をしなければならない事が判明する。
他に付属して直せるものは見当たらない。残念。
が、この精神(どうせなら得しよう)中年おばさんそのものの力強さで暇と向き合うのだった。
(後日、爪はかなりよくなりました。特に小指の爪)

ドラマが見られる!
初めて知った、PCでテレビドラマが見られる。
U-TUBEを徘徊して見つけた。
NHKの大河ドラマがもう一回見られる、古い名作も。へ~~~っ!びっくり。
おもしろがって「ロングバケーション」を見る。
英語の字幕がついていて面白い。
チャーシューメンはPork Ramenだった。字幕面白い。いい。
キムタク、若っ!
DVDが売られているものはすぐに削除されてしまう。追いかけっこのよう。
「笑う犬の生活」を見つけて喜ぶ、わはわは笑う。でもすぐ削除されてしまう。
術後、寝返りもいやな人なのに意地になってみる。
郷ひろみが葉っぱつけて踊っている、何年も前の映像を繰り返しオンエアされている!

電子ピアノ
病院の備品の電子ピアノを見つけ、ヘッドフォンつけて弾かせてもらう。
家に居るとピアノの練習は苦行中の苦行で仕方なくやっていた。
病院では嬉々としてやれるから不思議。
わたしのピアノはこどもとうたう曲ばかり、ジブリのテーマ曲とか、童謡。
童謡も簡単そうに聞こえて難しい物、また逆もある。
「どんないろがすき」歌のお兄さん作曲、音大出なのでけっこう意外な和音で苦しむ。
が、弾けるようになってしまった。
よかった~

読書
これが最もはかばかしくなかった。
情けない話だが本にはそれぞれ宇宙があり、体力がいるのだ。それが足りないと読めない。
もしくは抗がん剤などで頭が悪くなってしまったのかも。
元のレベルより能力が下がるとしきい値に達せず、もうスイッチが入らない。
漫画は読めるのに(毎日かあさん読みました)本は読み進めなかった。
読んだのはよしもとばななだけだった。
ばななが漫画レベルだというのではない、息子が大事そうに差し出したからだ。
「お母さんと似てるんだよ、元気が出る、ボクは」っていうようなことを前に言ってたからどこがじゃ?と読んだ、そしたらどこか少女漫画な感じで、力づけてくれる暖かさの質がよく伝わってきた。
生きるのにつまずいた事を、じっくり一緒に時間をともにしてそこにいてくれるような印象のものばかりだった。
誰もが自分のつまずきを抱え、自分で気がついて超えていくまでの時間がそこにあった。
自分も体がしんどく、主人公もさまよい考えていた。主人公はさまよい尽くして次の一歩をみんな踏み出していった。
一応本も読めた。心の中に疑似体験が優しく入ってきていた。

お買い物
隔絶された世界にいると物欲もなくなる。
要るものがないもん。
元々物欲のあまりないわたしである。
5年後の生存率が50%なので没後、ケチといわれてはやだ、と思い買い物をする事にする。
何がほしいのか、皆目分からん。
お中元とか探す。
何を送ったら喜ばれるかな、と時間はいっぱいあるから探してみる。
ものが必要で購入するという普通の行為に早く戻りたい、ままごとのように買い物をする。
売店で飲み物を買うくらい。なくても良いがあったほうがいい、程度。
うろうろ時間をつぶすのだった。

結論
付加価値で探そうというおばさん根性撃沈する。
いつもと変わらないのであった。
ただしじたばたしたおかげで早く時間が過ぎたような気がしている。

搾りたてにんじんジュース

2013-01-17 18:28:32 | 食養(食べてからだをつくる)
今日はにんじんの配達日
おーがにっくがーでんからいつのにんじんが届く。
ジュース用10kg送料込み3,200円。
届くとすぐに25本ずつきれいにならべて(かさばるから)ビニールにいれ冷蔵庫に。
だいたいいつも100本ちょっと(今回110本)一本30円のお買い得品。
ジュース用なのでグラッセにすると筋があります、不向き。その時々で味が違い(そりゃ、農産物だから)毎日のおいしいジュースになってくれるのだ。

搾りたてにんじんジュースを毎日のむ!

昨日読んだ新聞に、王貞治も飲んでいると記事があった。
王理恵(娘)が良い訳を「ベータカロテンで免疫力アップ」「胃を切除したので腸に流れ込む、のでジュース」「低速回転ジューサーでないとビタミンが壊れる」
にんじんジュースの効用は今や皆の知るところで、病院でもよく知っている人が多かった。
わたしも低速ジューサーを価格ドットコムで購入(約3万)したときに、いっぱいスポンサードリンクでがんににんじんジュース、という書籍の紹介が出てきた。
わたしがリキ入れて下手な説明する事もなかろう。
加えていうなら、食道がんの術後、繊維質の多いものはよくないし、噛んで食べるものの総量がとれないからジュースはとてもよい。
搾りたてのジュースは腸壁から吸収されやすい(浸透圧)。
また、このジューサー、イワシのすり身も作れたので、洗いやすいし、まあ、良いんではないか。
もっと高機能のものもいっぱいあるが、これは韓国製。

林檎ブレンドジュース、おいしい。

これが一回のジュースになる。
皮ごと、スティック状に切っていれるだけ。
野菜ミックスジュースとかミックスキャロットとかに味は似ている。
生なのでずっとおいしい。

おまけ編


搾りかすは堆肥にして花壇に。
にんじんのへた、こうしておくと葉っぱが。
スープの浮き実やオムレツに。
にんじんファームパート2です。