What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

ルース・レンデル 身代りの樹

2006年06月21日 14時10分55秒 | 
 ハヤカワ文庫版「身代りの樹」の巻末文を、作家の小池真理子さんが書かれているのですが、これが大変的確にレンデルの持ち味や良さを紹介されていて、好い文章だなと思います。

<以下抜粋>
 レンデルは悲劇の様式美に精通した作家である、と私は考えている。本書には狂気はもとより、小悪党の企み、愚直な理想主義、孤立した人間の恐怖など、あらゆる美と醜、善と悪が分離不可能なまま、混沌と描かれている。

 「息苦しい」「体調の悪い時は読まないほうがいい」「読後感が悪すぎる」などの、いささか冷静を欠く論評が数多く見受けられるのは、一ファンとしていつも残念に思っている。

 上手いですね~、これを初めて読んだ時は、小池さんの作品を何故今まで読まなかったのか、反省しました。

 このお話は、立ち上がりから、息づまる苦しさが書かれます。主人公の母親が心の病を持っていて、それが原因となって起きた子供時代の事件、その恐怖や憤り、愛情との葛藤、そして自分に起きる不幸な出来事、それが引き金になって巻き込まれる幼児誘拐、しかもその子は母親から虐待を受けていて・・・と連鎖反応のように、予期せぬ出来事が起きて行きます。元恋人の出現、子供への愛情の為に犯罪者となる決意、誘拐された子供の母親と恋人、それに関わりを持ってしまったジゴロ気取りの男などが、複雑に絡み合って「結末」を迎えます。
 
 この後の事を考えると「結末」によって急場は凌げたものの、実は何も問題は解決した訳ではなくて、母親も居るし、いずれは自分の出生を疑問に思うだろう「息子」もいるし、何より自分の犯した罪に耐え続けねばならない主人公が居ます。みな何かを抱えて生きて行く人々の物語ゆえに、私にとっては気持ちが励まされる一冊となっています。

 レンデルの作品で一番有名なのは「ロウフィールド館の惨劇」でしょうか?このお話も、多種多様な心の病を抱えた人達が登場しますが、あまりの惨劇にグッタリするので、年一回くらいしか読めません(笑)1984年の作品ですが、現代の日本のあちこちで、身近に起きる事件との共通点があるように思えます。
「ウェクスフォード主任警部」を主人公とするシリーズも、何冊もありますので、一度挑戦してみては如何でしょうか?小池さんの仰る事に同意して頂けると思います。
コメント (2)
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好きなことだけ書くハズなんですが・・・。

2006年06月21日 10時38分36秒 | 日常
 気を取り直して、落ち込んだ事を書き出してみると(これ自体が追い討ちをかける作業な気がしますが)

 昨日は「やまやの日」で、会員は商品が3%割引で買えるので、いそいそと買い物に行ったら、白泡楽園が無かった・・・在庫確認して貰ったら、センターにも無いとの事で仕方なく他社の発泡酒を買って来たけど、自社開発製品が一ヶ月に一度のやまやの日に無いってどういう事?!と腹が立ちました。悔しいけど”のどごし生”買ったから「勝ちT」のためにシールはちゃんと貼って送りますよ、当たりそうにないけど。
 * 酒のやまや 当県で展開中のお酒の量販店です

 ”特撮ヒーロー同士が結婚”というニューストピックスを見て、友人が何のこと?と聞くので「仮面ライダーアギトでギルスに変身する人と、タイムレンジャーでリーダーだったピンクの役の人が結婚するんだって」と教えたら、なんでそんなに詳しいの?!と引かれてしまいました・・・私に尋ねる段階で、覚悟して欲しかったです。

 gooのブログで「村上ファンドと聞いて、紙粘土のことかと思った」と書かれておいでの方がおられたのですが、私もこんな勘違いをしょっちゅうします。「フィギュア」の話題なら、スケートなのか人形なのか確認してからじゃないと混じれないし、「手塚」という単語も、漫画家なのかテニプリ・キャラなのか確認しないとなりません。以前、「ジャンプ大好き浅田真央」という見出しを、本気で「あァ、まだ小さいものね、ジャンプ読んでるんだ」と思いました・・・みんなに頑張れって言われましたよ。

 20日までに、揃えておいて下さいと言った書類が揃わなかった事を、当日言われました。何故その前に揃わない事を確認しないの?こちらにその旨を連絡しないの?しかも、私に言われてから彼は確認に行きましたよ・・・昨日終わる仕事が、その為だけに来週半ばまで延びました。彼は新人だ~、我慢だ~と心の中で思いながらの会話でした。

 佐賀県で起きた、会社の門扉の開閉ボタンで遊んでいて、頭を挟まれて亡くなった小学生の事件の報道を観ていたら「何故子供の手の届くところにスイッチが」とか「安全管理に問題が」とか言われていました。でも、それ以前の問題として、勝手に門を乗り越えて敷地内に入って遊ぶのがおかしくないでしょうか?それを親や大人は注意しなかったのでしょうか?小学生の事ですから、大人の常識範囲を超えた危険な遊びをするのは判ります。でも「危ない目に遭ったから、気をつける」のではないと思うのです。子供だって、してはいけない事はしちゃいけないし、親や大人が見守るって事は、何気ない普通の事、当たり前の事を繰り返し教える事だと思います。

 こういう時って「献血」したくなりませんか?生きてさえいれば誰かの役に立つんだと思えるでしょう?ここ何年も貧血が持病(?)で、断られてしまうのですが、久々に献血ルームに行ってこようかなと思います。
コメント (4)
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