ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
今でも心に刺さっているのですが、20年弱前に同じ様なお小言を、上司から言われた事があります。営業が無理難題を押し付ける、設備が悪い等々皆が口々に文句を言っているのを聞いた後に「では、貴方たちは何をしていたのですか?貴方たちの不満は、貴方たちの努力が足りなかったからでしょう?」と言われて、当時若かった私は、その理不尽さに涙ながら怒りまくったものです。
でも、今ならば、自分はちゃんとやっている、自分はこんな状況でも結果を出している、と思い上がってはいなかっただろうか?本当に、全力で仕事をしていたの?状況に甘えていなかったの?と当時の自分に問いかけてみたくなります。
泣きたくなるほど腹が立ったのは、心のどこかで「自分はまだやれたかもしれない」と感じたからだったと思います。上司の言葉が本当の事だと判っていたからだったと思います。
本の保管所の高様の仰るように、この詩の心だけでは生きていかれないと、私も思います。でも、時々振り返って自分に問いかけて、確かめてみて下さい。貴方の望む場所に、貴方は近づいていますか?