一日が二十四時間とは、地球の運行に従って科学的に割り出された、時の概念として日常の世界に通用してきた。しかし、その便利さと引き換えにその概念に縛られ、知らぬ間に自分の能力を制限しているとも言えまいか。限りなく速いロケットで地球を飛び出すと、地球時間とは全く違う時の流れになるのはすでに知られたことで、地球以外の惑星にはその星独自の時間が存在する道理である。
私はこの小さな地球時間にとらわれるのを止めようと思っている。幼少時の時の流れはゆっくりとして、年を取るに従いその流れは速さを増す。気乗りのしない仕事の時はなかなか過ぎず、楽しいことはあっという間に過ぎてしまうのは誰しも体験していることだ。時間の流れは人によって永くもあり短くもあり、その人時間が存在するに違いない。
いつしか過去・現在・未来と時を区切る必要性も感じなくなり、現在の中に過去と未来は内在している気がしてきた。つまり過去を引きずることもなく、未来を思い煩うこともなく、この今をひたすら生きることのみが大事に思えてきた。以来、寝ても覚めても人生のすべてが楽しく思えて仕方がない。
(榎木孝明 『心は風のままに』)
子規・漱石の合間の小休止に (^^)。
榎木さんの本を読んでると、水彩画をやってみたくなる。
油絵はやったことがあるのだけど、水彩画は透明な風を感じられていいよねぇ。
写真は、台湾へ向かう飛行機の窓から見た眺めです。
同じような写真をいくつも持っているのに、飛行機に乗ると必ず撮ってしまう。。。
だって信じられないくらい綺麗だし、せっかく人間が空を飛べる時代に生まれてきたのに、ましてや一生でそう何回も乗れるわけではないのに(もう充分に乗っているが)、これを見ないでぐーぐー寝ているなんてもったいないよ!!
こんな私だが、実は飛行機恐怖症。。。乱気流では無言で体をかたまらせています。
でもそれに優るほど旅が大好きなんだよねぇ。