風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

泣きなさい 笑いなさい

2013-09-28 00:43:31 | その他観劇、コンサートetc


隣りの若くて弱っちい男の子が、この映画観終わって「そんな人だって知らなかった―」なんて叫んでた。そうだよ、だから日本は面白かったんだ、命がけで面白がらせた人たちが、黄色い髪したすごい人のまわりでぜんぶ行き交ったんだ。なぜかって? それは美輪明宏が、まぶしい世界では暗く、暗い世界ではまぶしく、生きたからだ。どっちの世界でも希望でありつづけたからなんだ。

(『黒蜥蜴を探して』コメント──作家 荒俣宏


先日に続き再び行ってしまいました、美輪さんのロマンティック音楽会@PARCO劇場(26日)。
美輪さんの歌声には中毒性が・・・。

前回は気付きませんでしたが、松緑だけでなく愛之助からのお花もありました。枯れていたお花達は、さすがに正面からは移動してありました。
ロビーのお香の匂いも、前回よりしっかりと漂っていたような気がします。

美輪さんの舞台は、癒しをもらうというよりも背筋をしゃきっと正される、そんな舞台。
もう癒しなんていらんという気分になる。
そんなことより、しっかり自分の足で立って、自分の頭で考えて、自分の心で感じてめいっぱい生きなきゃって、そんな気持ちになる。
78歳と、私の倍以上のお歳なのに、あのパワー。
あの迫力で歌い切るだけでも大変なはずなのに、頭が下がります。
15時開演、18時終了。
もし私が78歳まで生きたら、きっとこの夜の美輪さんの歌と姿を思い出して力をもらうのだろうなぁと、そんなことを思いました。
外に出ると渋谷の騒々しい喧噪のなかで、普段だったら夢のようなステージの後でうんざりするはずなのに、美輪さんの音楽会の場合はそんな喧噪も不思議と不快に感じないんですよね。美輪さんが歩んでこられた人生のせいでしょうか。
まあステージ中は携帯だとか咳だとかのマナーにものすごく厳しい方でもありますが^^;

そして今回もつくづく感じましたが、美輪さんの音楽会はできれば小さな劇場で観るべき。
特にシャンソンは、大劇場よりも小劇場の狭い空間で聴く方が何倍もその魅力が引き立つように思います。
その点で、458席というパルコ劇場は理想的でした。


【第一部】
『ヨイトマケの唄』
この曲を歌うときの美輪さんの男声が、もうほんとにカッコいい!聞き惚れて聞き惚れて・・・。
この曲から次の『ふるさとの空の下で』に続く一部のラストは、神。強く、たくましく、背筋をまっすぐ伸ばして、自分に恥ずかしくないように生きなければ、と心から思わせられます。
『ふるさとの空の下に』
この曲を歌っているときの美輪さんが大好きです。私が今回の音楽会の中で一番好きな曲は、この曲かもしれません。これをもう一度生で聴きたくて、2回目のチケットを買ってしまったようなもの。
「風と共に去りぬ」のラストでスカーレットオハラがタラの土を握り締めて立つあの場面の話を、この歌の前にされていました。
長崎へ帰省する汽車の中で隣に座った青年が、この歌のモデルだそうです。その方だけが疎開していて、他の家族はみんな長崎の原爆で亡くなったのだとか。「それまでは自分は不幸だと思っていたけれど、そんなものではなかった」と仰っていました。
ステージ上の空は、この曲の最後に真っ青な透き通った青空に変わりました。


【第二部】
『メケメケ』
柔らかく飄々と艶のある美輪さんの声に、酔いしれました!まるであの超絶美少年だった頃の美輪さんを、銀巴里で観ているような気分になります。「神武以来の美少年」っていう当時のコピー、まったく大袈裟じゃないと思う。
『恋のロシアンキャフェ』
最後の「束の間の人生を」のフレーズの間に一気に人生を遡るように老婆から若返る変化が最高です。
この曲の前のトークも楽しくて好き。若かりし頃の美輪さんが、パリ?のロシアンカフェ(ロシア風のインテリアのカフェ)でフランス人の男性と食事をしていたときのこと。バンドの演奏者がテーブルにリクエストを尋ねに来たので、美輪さんが曲名を言ってチップを渡したところ、連れの男性が「そういうのは男性に任せるべきで、レディーはそんなことをしてはいけない!」と不機嫌になってしまったそうです。「私は自分がレディーだということを忘れていたんです…」と笑う美輪さんがなんとも魅力的でした^^
『愛する権利』
国際結婚への風当たりが今よりずっと強かった時代に黒人男性との間に子供を作り、周囲から酷い苛めを受け、子供とともに海に身を投げた女性。また、年の離れた同性を愛したことを家族中に非難され、家族会議の間にトイレで首を吊った名家の男性。玉三郎さんのような可愛らしい顔をした方でした、と仰っていました。その遺体を見つけたのは家族会議に呼ばれていた美輪さんで、そのときの気持ちは彼をそこまで追い込んだものに対する強い「怒り」だったそうです。前回も書きましたが、この曲を歌うときの美輪さんは誰かの人生を演じているのではなく、素の美輪さんが一番ストレートに出ているように感じられ、聴いていて心揺さぶられます。
『黒蜥蜴の唄』
曲の前のトークにて、木村彰吾さんについて「過去最高の明智だと皆さんにお褒めいただいています」と満面の笑顔な美輪さん。・・・・まあ・・・何も言いますまい・・・。
ラストの『愛の讃歌』→アンコールの『花』は、その迫力にただただ圧倒されるばかり。
『花(すべての人の心に花を)』
美輪さんはこの歌を「皆さんのために祈りながら歌います」と言ってくださいましたが、美輪さんにそう言ってもらえると本当に幸せに生きていけるような気になるからフシギです。だって本当にすごい迫力なのですもの。ステージ上の美輪さんは客席の「全員」というよりも、「一人一人」のために歌ってくれているような、そんな表情をされます。
ラスト、真っ青なドレスで、上から金色のキラキラが降ってきて、それを両手を広げてぱぁっと散らせる仕草、そして最後のゆったりと掌を合わせる仕草、本当に本当に綺麗でした。
美輪さんの生のステージに間に合うことができて、よかった。

Me Que Me Que - miwa akihiro

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