風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

4Stars 2017 @国際フォーラムC(12月27日)&『ダンシング・ベートーヴェン』@シネマジャック&ベティ(12月29日)

2017-12-30 02:12:33 | ミュージカル




千穐楽の前日に行ってきました。
来日のたびにラミンを見に行っているわけではないし、そういう意味では全くファンとはいえないけれど、行くとやっぱり楽しいし、感動してしまう。この人は本当に裏切りませんよねえ。
改めて数えたことがなかったけど、私はどれくらいラミンを観てきたのだったろう(こういうときブログって便利)。

2008年12月 オペラ座の怪人 @ロンドン
2011年12月 レ・ミゼラブル×2回 @ロンドン
2013年6月 4Stars @東京
2016年7月 I love musicals @東京
2016年12月 ラミン・コンサート @東京
2017年12月 4Stars @東京

7回。思っていたより多いような、そうでもないような。そろそろほんとにラミンの演技が観たいわ・・・。来年のChessはワシントンDCだとか。ワシントン、結構好きな街ではあるけれど、このためだけに行くのはなぁ。ロンドンならついでに行きたい所が沢山あるのだが。


さて、今回の4Stars 2017、とってもよかったです。
まぁ私のようなミュージカルを殆ど知らない人間には、選曲はオペラ座の怪人やレミゼやミスサイゴンのようなビッグナンバーをそれぞれの役を経験したキャストが次々歌ってくれた2013年の方が親しみをもって楽しめたのは正直なところではありました。
でも今回、ラミン城田君が前回に比べてこういう場に慣れていたというか、リラックスして見えたのがとてもよかったなぁ。シエラは前回も今回も変わらず男前笑。ほんと大好き!そしてレア・サロンガに代わって入ったシンシア・エリヴォもとっても魅力的だった。シエラのあれほどのwishing you were somehow here again→ラミンのあれほどのMusic of the Nightの後や、あれほどのBring Him Homeの後にもかかわらず、どちらのときもまったく舞台のエネルギーを下げることなく歌いきって。果てはショーストップまでさせちゃう見事さ。性格もとっても良さそう!そしてそれだけの迫力のI'm Hereの空気をまったく下げることなくAnthemに繋げちゃうラミン(コルムさんのAnthemもすんごくよかったけど、ラミンのもすんごくよかった)。
と、今回も世界クオリティ、たっっっぷりと堪能させていただきました 

今回4人の歌声を聴きながら強く感じたのは、その歌声の純粋さ。
セクシーさも深みも暗闇もしっかりあるのに、その芯はすごく純粋で綺麗で。これって彼らの心や生き方がそうだからなのだろうな、と。

それでね、私はというと、少し辛くなってしまったんです。ラミンのファントムを聴くと一瞬でHer Majesty'sの客席にいたあのときに感覚が戻ってしまうのは今回も同じで。いつもあの夜のラミンと今のラミンが並んで見えるんです。これは問答無用の音楽の力。でもそれが今回はちょっと辛かった。ラミンはあの時から今日まで、すごくいい年齢の重ね方、成長をしているでしょう。ラミンと私はほぼ同年代なので、彼がこの9年で過ごしてきたのとちょうど同じ人生の時期を私は過ごしてきたわけなんです。こんなに変わったラミンと比べて、私はどうなんだろう?・・・・・と・・・・・やっぱり考えないではいられないのよぉぉぉぉ~~~~~~~(>_<)(>_<)(>_<)
同じことを城田君にも感じました。すごくいい年齢の重ね方をしているなぁ、と。もう32歳なんですね!前回の4Starsのときには、ゲネプロで他の3人のあまりの凄さに怖くなって歌えなくなり泣いてしまったのだとか(下にインタビューのリンクを貼ってあります)。いっぱい努力をしてきたんだろうなぁ。

しかし2013年のときもそうだったけど、4Starsのメンバーの舞台上の雰囲気のよさは格別ですね(I love musicalsの5人も同じくらいよかったけど♪)。みんな本当に仲良しさんなのが伝わってくる。シエラが城田君に「自分達が楽しまないとお客さんを楽しませることもできない」と言ったそうだけど、こういう舞台を見ていると本当にそのとおりだなあと感じます。そして客席の温かさも前回と同じ。

というわけで、すごく感動した一方で、感動すればするほどちょっと自己嫌悪で苦しくなってしまった今回の4Stars 2017でもあったんです。

そんな苦しさを抱えたまま年末に突入しようとしていた私でしたが、その2日後の今日、映画『ダンシング・ベートーヴェン』を観てきたんです。2014年にNHKホールで観たベジャールの第九交響曲のドキュメンタリー。その中でジルが何気なく言った言葉、「我々はとるに足らない存在だ。己と闘いながら生きているだけの存在だ」という言葉に、ふっと心が軽くなったんです。呼吸が楽になった。そして、4Stars 2017の感動も素直に受け入れられる心になれたんです。

ベジャールの第九も、4Stars 2017も、きっと伝えていたものは一つだけ。大切なのものも一つだけ。

 


本当に素敵な4人 みんな大好きです。
この4人での4Stars、城田君、またぜひ企画プリーズ!絶対に行くから!

「2017年に一番劇場が震えるのはこの公演です」――4年ぶりに世界最高峰の歌声がやってくる!『4Stars2017』城田優インタビュー(このときはまだシンシアじゃなくパティーナ・ミラーの予定だったのね)
城田優『4Stars 2017』を語る~世界的なミュージカル界トップスターが集結!



そしてベジャールとジルに、心からのありがとうを。ベジャールの大きな愛にこれまでどれだけ救ってもらったことでしょう。。。
ついでにここで映画の感想を書いてしまおう。
この舞台を観たときに感じたことをそのまま全部言ってくれていた。死と再生。終わりのない円。空ではなく地上。ベートーヴェンとベジャールは似ている。本番冒頭のジルの朗読場面も観たかったな。日本のシーンの映像がいかにも外国人の撮る日本であったのはご愛嬌(桜や東京の夜景や^^;)。ジルの娘さん、美人。ジルの奥様(キーラ・カルケヴィッチ)、初めて見た。時々映る練習やバックステージのジュリアンがめちゃくちゃ綺麗であった。この人本当に動くギリシャ彫刻。またジュリアンのボレロ観たい。メータ×イスラエルフィル×ソリスト×合唱団の生み出す音楽の美しさ。メータさん、思いのほかしっかりリハーサルしてくださっていたんですね~。芝刈りするオスカー。曰く、音楽の中でも人の歌声で踊るのが一番気持ちがいい。カテリーナのお腹の赤ちゃんの父親はオスカーだったのか(知らなかった)。来日の『ライト』のとき、カテリーナのオスカーに向ける眼差しに愛が溢れていたものなぁ。もっとジュリアンにも愛を~を思ってしまったほどに。オスカーもカテリーナもBBLを去ってしまって寂しい・・・。大貫君の2楽章の練習風景が沢山見られて嬉しかった。ローザンヌのバレエ団の建物は初めて見ました。自然に囲まれていて素敵。4楽章のアランナの動きについてここは気を抜くなと注意するジル。エキストラの投入による苦労(あそこまでとは)。「ベジャールは瞬間瞬間を生きる人だった」。「自信家のように見られていたけれど、自分の好きな人の評価には傷つきやすい人だった」。ベジャールの言葉「希望は勝利である」。

ありがとう、ベジャールさん。

思想という幻想を捨て、五感を感じて今を生きる。音楽も踊りも人生も流れているけれど、人と人がつながれる瞬間は「喜び」に他ならない。響く旋律、響く肉体、全ては国境を超え人間である事を平和を謳歌するために!
(小林十一。映画公式HPより)

※ベジャールの第九交響曲@NHKホール(2014年11月)の感想はこちら
Dancecube 映画公開直前インタビュー『ダンシング・ベートーヴェン』のアランチャ・アギーレ監督
年末に第九を観に行こう!ドキュメンタリー映画「ダンシング・ベートーヴェン」

~4 Stars セットリスト~
Act 1
Ⅰ.LONGING FOR ADVENTURE
1.Corner of the Sky 『ピピン』 城田優, ラミン・カリムルー, シエラ・ボーゲス, シンシア・エリヴォ
2.Part of Your World(パート・オブ・ユア・ワールド) 『リトルマーメイド』シエラ・ボーゲス
3.Neverland 『ファインディング・ネバーランド』 ラミン・カリムルー
4.Maria(マリア) 『ウェストサイド物語』 城田優(スペイン語歌唱)
5.The Color Purple 『カラー・パープル』 シンシア・エリヴォ, シエラ・ボーゲス, ラミン・カリムルー, 城田優

Ⅱ.TRAVEL
6.Muddy Water "Big River" ラミン・カリムルー, 城田優
7.Another Day of Sun 『ラ・ラ・ランド』 シエラ・ボーゲス, 城田優
8.Where You Are 『蜘蛛女のキス』 シンシア・エリヴォ
9.El Tango De Roxanne 『ムーラン・ルージュ』 城田優
10.Cucurrucucu Paloma "Hable con ella"『トーク・トゥ・ハー』 ラミン・カリムルー(スペイン語歌唱)
11.Don't cry for me Argentina 『エビータ』 シンシア・エリヴォ

Ⅲ.FRIENDSHIP
12.Die Schatten Werden Länger(闇が広がる) 『エリザベート』 ラミン・カリムルー, 城田優(日本語歌唱)
13.Something There(愛の芽生え) 『美女と野獣』 シエラ・ボーゲス, 城田優
14.My Favorite Things 『サウンド・オブ・ミュージック』 シンシア・エリヴォ, 城田優
15.Worlds Apart "Big River" ラミン・カリムルー, シンシア・エリヴォ
16.Empty Chairs at Empty Tables 『レ・ミゼラブル』 ラミン・カリムルー

Ⅳ.LOVE
17.Ich gehör nur mir(私だけに) 『エリザベート』 シエラ・ボーゲス(日本語歌唱)
18.Ich bin Musik(僕こそ音楽) 『モーツァルト!』 城田優
~YOUNG LOVE~ 
19.Hello Young Lovers/We kissed in a Shadow 『王様と私』 シンシア・エリヴォ,ラミン・カリムルー,シエラ・ボーゲス
20.J'ai Peur(僕は怖い) 『ロミオ&ジュリエット』 城田優(日本語歌唱)
21.Aimer(エメ) 『ロミオ&ジュリエット』 シエラ・ボーゲス, 城田優(フランス語歌唱)
22.On the Street Where You Live 『マイ・フェア・レディ』 ラミン・カルムルー
23.I Could Have Danced All Night 『マイ・フェア・レディ』 シエラ・ボーゲス, シンシア・エリヴォ, ラミン・カリムルー, 城田優

ACT2
~PRINCESS MEDLEY~
24.Everyday Princess "The Princess and the Frog"『プリンセスと魔法のキス』 シンシア・エリヴォ
25.Colors of the Wind 『ポカホンタス』 シエラ・ボーゲス
26.Beauty and the Beast 『美女と野獣』 シンシア・エリヴォ, 城田優
27.I See the Light 『塔の上のラプンツェル』 シエラ・ボーゲス, シンシア・エリヴォ, ラミン・カリムルー, 城田優
~MATURE LOVE~
28.Only with You 『ナイン』 ラミン・カリムルー
29.Unusual Way 『ナイン』 シエラ・ボーゲス, ラミン・カリムルー
30.Easy as Life 『アイーダ』 シンシア・エリヴォ
31.Kiss of the Spider Woman 『蜘蛛女のキス』 城田優
32.Wishing You Were Somehow Here Again 『オペラ座の怪人』 シエラ・ボーゲス
33.Music of the Night 『オペラ座の怪人』 ラミン・カリムルー
34.Losing My Mind / Not A Day Goes By 『フォーリーズ』 / 『メリリー・ウィ・ロール・アロング』 シンシア・エリヴォ, シエラ・ボーゲス

Ⅴ.COMING HOME
35.The Journey Home 『ボンベイドリームス』 城田優
36.Home 『ファントム』 シエラ・ボーゲス
37.Bring Him Home 『レ・ミゼラブル』 ラミン・カリムルー
38.I'm Here 『カラー・パープル』 シンシア・エリヴォ
39.Anthem 『チェス』 ラミン・カリムルー, シンシア・エリヴォ, シエラ・ボーゲス, 城田優

~アンコール~
40.Where Did The Rock Go? 『スクール・オブ・ロック』 シエラ・ボーゲス, シンシア・エリヴォ, ラミン・カリムルー, 城田優
41.Take Me to Heaven 『天使にラブ・ソングを』 シンシア・エリヴォ, シエラ・ボーゲス, ラミン・カリムルー, 城田優

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