©Roman Novitzky/The Stuttgart Ballet
マリインスキーのスメカロフはフィギュアのプルシェンコの振付を担当していましたが、羽生くんのフリーで再び話題になっている『ニジンスキーに捧ぐ』も、彼の振付だったんですね。彼は前回の来日では踊っていたけれど(ロパ様の愛の伝説で大臣役だった。あまり好みな大臣ではなかったが…)、今回はどうなんでしょうね。今回のマリインスキーのチケットはあまり売れていないようだけれど、羽生くんファンがプルシェンコ繋がりで観に来てくれたりはしないのだろうか。と、今ジャパンアーツのHPを見たら、今回スメカロフはガラで自作の振付作品を踊るらしいですよー。ここをもっと宣伝したらチケットがはける、ということはないかしら。と言いつつ、私も今回のマリインスキーはスキップいたしますが・・・(ロパ様もヴィシ様もいないし;;)。 ※29日追記:スメカロフは劇場の都合で来日しないことになったそうですー。
今知りましたが、プルシェンコのファーストネームもエフゲニーなのか。キーシンもエフゲニーだし、ロシアってエフゲニーだらけなのだなあ。
以上、余談。
さて公演から日がたって今更ですが、、、書かないではいられないので書かせてくださいまし。
クランコ版『オネーギン』の選曲&編曲って、素晴らしくないですか
クランコは1952年に、英国のサドラーズ・ウェルズ劇場で上演されたオペラ『エフゲニー・オネーギン』のバレエ部分を振付けた経験があり、以来プーシキンの小説に興味を抱いていた。1964年、ボリショイ・オペラによる『エフゲニー・オネーギン』が映像化されて西側で公開されると、これに触発されてバレエ化を決意するに至った。
当初はオペラ曲を編曲して使うことを考えており、英国ロイヤル・バレエ団でヌレエフとフォンテインを主役とする作品として話が進んでいたが、オペラ楽曲をバレエに使用するのは前例がないとしてロイヤル・オペラ・ハウスの首脳陣に却下された。自らが所属していたシュトゥットガルトでも同様の結論が下されたため、音楽はシュトルツェに依頼してチャイコフスキーの様々な楽曲を編曲して用いることになった。
シュトルツェは、『四季』作品37bなどのピアノ曲を全体の3/4ほどに使い、その他はオペラ『チェレヴィチキ』のオクサーナのアリア、幻想曲『フランチェスカ・ダ・リミニ』などを細かく分けて数か所で使うなど苦心の末、全幕物に仕上げた。ほとんどは移調した上にリズムも変えてあり、またチャイコフスキーによく見られるオーケストレーションから逸脱しないように気をつけたという。
(wikipediaより)
私は『オネーギン』を観たのは今回が初めてで、「バレエ版はオペラ版の曲を全く使用せず、チャイコフスキーの他の楽曲を用いているのが特徴」という知識だけで観に行ったので&クラシック音楽に詳しくないので、てっきりチャイコフスキーのオリジナルの管弦楽曲を使用している(そういう管弦楽曲が存在している)のかと思いながら舞台を観ていたのですよ。
なんて素敵な音楽だろう、帰ったらネットで探して聴こう、と思っていたら。
その殆どが原曲はピアノ曲だったとは・・・
先日の感想でも書きましたが、ヴィシニョーワのタチヤーナが奥のベンチに腰掛けて夢見るように本を読んでいるときの空気がすんごく素敵で、その場面に流れていた音楽と相まって、舞台の上がロシアそのものに感じられたんです。
この場面の音楽は、ロシア的な哀愁と、今これから始まろうとしている恋が悲劇に終わることを感じさせるスペクタクルな予感がゾクゾクするほど素晴らしくて。
プロコフィエフのロミジュリの出会いの場面の”モンタギュー家とキャピュレット家”が、「この恋、絶対幸せに終わらないよね…」と悲劇の運命をはっきり予感させるのと似ていて。
ああ、ロシアの作曲家の音楽ってどうしてこんなに美しい悲劇が似合うのでしょう!!!
この場面でなされている音楽のアレンジは、次のとおり。
①このOp.51-2 "Polka peu dansante"の0:00-1:43と3:43-4:49の間に、
②Op.19-3 "Feuillet d'album"(下記7:21-9:01)が挿入されて、
この4:15-6:55の音楽が作られちゃうんですよ! ※ちなみにこちらの動画のタチヤーナは1965年の初演キャストのMarcia Haydee
同様に、②op.19-4 ”Nocturne”(9:03-12:16)が、上記動画の17:20-20:40の音楽になっちゃうんですよ!
元のピアノ曲ももちろん素敵だけれど、
このロシア的&チャイコフスキー的なオーケストレーション、素晴らしくないですか
以上、原曲がピアノ曲であると知ったワタクシの感動の思いを叫ばせていただきましたm(__)m
他の場面のアレンジについても、皆さんネット上で情報をあげてくださっていて、もうありがとうございますとしか。自分では決して辿り着けない情報でした。
それにしても、この音楽にヴィシ様のタチヤーナの似合うことといったら。。。。。。。。。。。
©Roman Novitzky/The Stuttgart Ballet