テロ対策に必要なことは、未然に防ぐことです。陸上部隊の増強はコストベネフィットの観点から、非常に有効とは言いがたいと思います。
陸自隊員の特殊能力が絶対的に必要な任務としては、
・危険物質の汚染地域での活動(既に配備されている)
・直接交戦状態でのテロ部隊制圧(SATと協力)
・最重要拠点防御
以上である。
他は警察組織による活動によってカバーされていると思われる(現状においても)。
テロ侵入防止の根幹は前の記事でも検討したように、「国土に近づけない」ということである。上陸されてしまうと発見が非常に困難となり、また標的も判然としない状況がある。テロリストにとって空からの侵入はほぼ絶望的と考えるので、残るは海上ルートしかない。これをどのようにカバーするべきか、ということなのである。
洋上監視・索敵は「テロ対策1」に書いたように、海上保安庁の巡視船、海自の艦船、航空機(固定翼、ヘリ)が重要であると述べた。これは日本が海洋国家であるという特性からであり、警戒すべき残された侵入経路は海上ルートが殆どだからである。拉致問題においても海上ルートからの侵入が主であったはずだ。ここが重要であることは理解できるであろう。
また、一般人に紛れて侵入してくるケースでは、入国審査段階、税関、港湾警察等の一致協力が必要であろう。例に挙げたように船舶の積荷については、航空機ほどの厳重警戒が敷かれてはいないのではないか、とも思っている。この辺は、先の機関と警察組織との連携協力により対処できうると思う。特に国内活動阻止には公安の力量が試されるのではなかろうか。
私が以前から防衛問題に述べていることだが、同じ費用を投入するならば、戦車や対戦車ヘリを配備するよりも、「高速ミサイル艇」「飛行艇」「汎用ヘリ」を推奨している。このことは、テロ対策においてかなり有利になると考えらるからである。その利点について述べたい。
「高速ミサイル艇」の利点
・比較的小型で機動力に富む。これは絶対的特性と言える。これが、この艦船の存在意義と思ってもいいのではないか。巡視船、航空機などから、不審船情報等が入ったら、護衛艦よりも早く現場海域に到着できるのはこの艦艇である(勿論最寄の海域に護衛艦が存在しているなら別であるが)。
・テロの脅威の種類で述べた戦闘車両を積載した大型艦船に対しても対艦ミサイルの打撃力を有する。水上艦船同士での戦闘にも十分対応可能である。フォークランド紛争の時には、対艦ミサイルにより英国駆逐艦が撃沈されてしまったが、とくに旧式で高度な火器管制システムのない艦船に対して対艦ミサイルは有効である(ミサイル自体は比較的低速であるが、海面上を非常に低い高度で接近してくるミサイルを撃破できるのは、非常に高度な技術に裏付けられたシステム+撃墜用バルカンのような装備が必要)。対艦ミサイル、対空・対水上速射砲、バルカン砲が備わっていれば、多くの艦船・航空機との戦闘に対処可能(勿論本格的大型艦船よりは劣ることは確かであるが)。
・潜水艦に対しては攻撃能力を有しないが、逆に潜水艦からの攻撃に対しては、対艦ミサイルには速射砲とバルカンで対応、魚雷についてはその高速性能と小型の艦体により大型水上艦に比べ回避確率は高い
・比較的浅い港でも入港できるので、大型艦に比べ配備の自由度が高い(分散配備可能)
・テロ以外の海賊行為船や不審船などの対処としても有効
・海難事故等の捜索活動でも有用
・護衛艦のような大型艦船に比べ安価
欠点としては、外洋の作戦行動(行動半径が小さい、荒れた海では小型なのでちょっとつらい)には適さない、防空能力に難がある(対空ミサイルがない)、潜水艦に攻撃できない、などであろう。
近海の洋上監視・索敵行動には十分任務を遂行できうる。その機動力は対テロや捜索活動に非常に有効である。
護衛艦群には距離的・時間的に即座に到着できないような遠距離(本土から遠い島等もカバー)の洋上作戦を主に担当してもらい、高速ミサイル艇は近海防御を担当する
「飛行艇」の利点
・着水可能。この性質は非常に役立つ。海難救助において(着水できる状況ならば)発見海域で船舶の到着を待たずに早期に救助できる場合がある。また、大規模災害等で都市周辺の空港が離着陸不能となることも想定されるが、最も近隣の着水可能な地点(港や大きな湖)に物資輸送などが可能な場合に有効(固定翼機は災害救助活動では主に食料・毛布を運搬)。陸路が遮断されている地域でも海側からは運べる場合などに有効である。
・ヘリよりも移動速度が速く、航続距離も長い。このため、洋上監視にはヘリよりも当然遠い海域を監視することになる。
欠点としては、対潜哨戒機のような機能がない、監視はできるが攻撃力が無い(水上艦船に対しても)、などである。現有のP-3Cは飛行艇よりも遠い地域を哨戒し、それよりも本土に近い海域の哨戒を担当する。
主任務は哨戒・監視と、救助活動、運搬輸送活動となるであろう。
後で書き足します。
陸自隊員の特殊能力が絶対的に必要な任務としては、
・危険物質の汚染地域での活動(既に配備されている)
・直接交戦状態でのテロ部隊制圧(SATと協力)
・最重要拠点防御
以上である。
他は警察組織による活動によってカバーされていると思われる(現状においても)。
テロ侵入防止の根幹は前の記事でも検討したように、「国土に近づけない」ということである。上陸されてしまうと発見が非常に困難となり、また標的も判然としない状況がある。テロリストにとって空からの侵入はほぼ絶望的と考えるので、残るは海上ルートしかない。これをどのようにカバーするべきか、ということなのである。
洋上監視・索敵は「テロ対策1」に書いたように、海上保安庁の巡視船、海自の艦船、航空機(固定翼、ヘリ)が重要であると述べた。これは日本が海洋国家であるという特性からであり、警戒すべき残された侵入経路は海上ルートが殆どだからである。拉致問題においても海上ルートからの侵入が主であったはずだ。ここが重要であることは理解できるであろう。
また、一般人に紛れて侵入してくるケースでは、入国審査段階、税関、港湾警察等の一致協力が必要であろう。例に挙げたように船舶の積荷については、航空機ほどの厳重警戒が敷かれてはいないのではないか、とも思っている。この辺は、先の機関と警察組織との連携協力により対処できうると思う。特に国内活動阻止には公安の力量が試されるのではなかろうか。
私が以前から防衛問題に述べていることだが、同じ費用を投入するならば、戦車や対戦車ヘリを配備するよりも、「高速ミサイル艇」「飛行艇」「汎用ヘリ」を推奨している。このことは、テロ対策においてかなり有利になると考えらるからである。その利点について述べたい。
「高速ミサイル艇」の利点
・比較的小型で機動力に富む。これは絶対的特性と言える。これが、この艦船の存在意義と思ってもいいのではないか。巡視船、航空機などから、不審船情報等が入ったら、護衛艦よりも早く現場海域に到着できるのはこの艦艇である(勿論最寄の海域に護衛艦が存在しているなら別であるが)。
・テロの脅威の種類で述べた戦闘車両を積載した大型艦船に対しても対艦ミサイルの打撃力を有する。水上艦船同士での戦闘にも十分対応可能である。フォークランド紛争の時には、対艦ミサイルにより英国駆逐艦が撃沈されてしまったが、とくに旧式で高度な火器管制システムのない艦船に対して対艦ミサイルは有効である(ミサイル自体は比較的低速であるが、海面上を非常に低い高度で接近してくるミサイルを撃破できるのは、非常に高度な技術に裏付けられたシステム+撃墜用バルカンのような装備が必要)。対艦ミサイル、対空・対水上速射砲、バルカン砲が備わっていれば、多くの艦船・航空機との戦闘に対処可能(勿論本格的大型艦船よりは劣ることは確かであるが)。
・潜水艦に対しては攻撃能力を有しないが、逆に潜水艦からの攻撃に対しては、対艦ミサイルには速射砲とバルカンで対応、魚雷についてはその高速性能と小型の艦体により大型水上艦に比べ回避確率は高い
・比較的浅い港でも入港できるので、大型艦に比べ配備の自由度が高い(分散配備可能)
・テロ以外の海賊行為船や不審船などの対処としても有効
・海難事故等の捜索活動でも有用
・護衛艦のような大型艦船に比べ安価
欠点としては、外洋の作戦行動(行動半径が小さい、荒れた海では小型なのでちょっとつらい)には適さない、防空能力に難がある(対空ミサイルがない)、潜水艦に攻撃できない、などであろう。
近海の洋上監視・索敵行動には十分任務を遂行できうる。その機動力は対テロや捜索活動に非常に有効である。
護衛艦群には距離的・時間的に即座に到着できないような遠距離(本土から遠い島等もカバー)の洋上作戦を主に担当してもらい、高速ミサイル艇は近海防御を担当する
「飛行艇」の利点
・着水可能。この性質は非常に役立つ。海難救助において(着水できる状況ならば)発見海域で船舶の到着を待たずに早期に救助できる場合がある。また、大規模災害等で都市周辺の空港が離着陸不能となることも想定されるが、最も近隣の着水可能な地点(港や大きな湖)に物資輸送などが可能な場合に有効(固定翼機は災害救助活動では主に食料・毛布を運搬)。陸路が遮断されている地域でも海側からは運べる場合などに有効である。
・ヘリよりも移動速度が速く、航続距離も長い。このため、洋上監視にはヘリよりも当然遠い海域を監視することになる。
欠点としては、対潜哨戒機のような機能がない、監視はできるが攻撃力が無い(水上艦船に対しても)、などである。現有のP-3Cは飛行艇よりも遠い地域を哨戒し、それよりも本土に近い海域の哨戒を担当する。
主任務は哨戒・監視と、救助活動、運搬輸送活動となるであろう。
後で書き足します。