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漢方学習ノート

漢方医学の魅力に取りつかれた小児科医です.学会やネットで得た情報や、最近読んだ本の感想を書き留めました(本棚3)。

「いのちをいただく」(内田美智子 著)

2016年12月06日 06時35分19秒 | 食育
 業者の坂本さんが話した内容を助産師の内田美智子さんが本にしたもの。
 絵本にもなっています。

<参考>「いのちをいただく」(YouTube動画

 先日(2016.11.13)、NNNドキュメント'16で取り上げられました:

■ いのちいただくシゴト 〜元作業員の誇りと痛み〜
 さかのぼれば、食べる"肉"はすべて命だった。
2016.11.13:日本テレビ
 元作業員の坂本義喜さんは小学校で講演し、動物を肉にするまでの話を子どもに伝えている。
 差別の体験も隠さない。「被差別の話を蒸し返さないでほしい」と言う同僚に「今の時代だからこそ正しい事を語らなくては」と訴える。 
 深い悲しみを背負い、時代を変えたいという決意で活動する坂本さんを通して、の現実、命をいただく仕事をしている人たちの姿を伝える。


 このテーマ、聞いたことがあるなあ・・・と本棚を探したら、ありました(^^;)。
 昔購入して本棚の奥にしまい込んでいたものを引っ張り出して読んでみました。

 「いただきます」は「あなたのいのちをいただきます」という意味。
 そう実感してこの言葉を口にしている日本人がどれだけいるのだろうか、と反省させられます。

 食べ物を粗末にしない、という食育には、その食べ物がどのように造られたのかを知る必要がありますね。
 そうすれば子どもでも自ずと食べ物に対峙する姿勢が変わってきそうです。

 「食べるのはかわいそう」と「美味しいお肉」の間でいかにバランスを取るか、は各個人の領分。
 
 TV番組では肉を扱ってきた被差別についても少し触れています。
 日本では平安時代まで、生き物を殺傷する職業(猟師・漁師・武士・獣を加工する仕事)の人々は地獄に落ちるとされていました。
 それを変えたのが親鸞上人です。
 著書の「歎異抄」中で、
 「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」(善人でさえ救われるのだから、悪人はなおさら救われる)
 という文章が有名ですが、この「悪人」とは犯罪者のことではなく、上述の地獄へ落ちるべき職業の人たちを指しているとされています。
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