廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

力の証明

2008-03-13 22:22:22 | Weblog
 私の夢の一つはイタリアを旅する事です。 生きている内に一度はイタリアに行ってみたいものですが... 仮に今、ロト6(実は毎週一枚買っている)が当たってイタリア旅行が実現したとして、ミラノに行ってせっかくだから本場のサッカーを見ようとサン・シーロスタジアムに行ったとします。 サン・シーロをホームスタジアムとしているクラブはACミランですが、先発メンバーの中に日本でも有名なカカ選手(ブラジル代表)の名前が無かったとしたら... 決してありえない話ではありません。 チャンピオンズリーグの重要な試合が近付いている週末のリーグ戦で主力を休ませて温存する事は得てしてある様ですから。

 イタリアまで来てACミランの試合を見る機会なんて一生に一度かも知れないのに日本でも人気のカカ選手のプレーが見られないなんて...と嘆いたら現地のACミランサポーターは「それは気の毒に。」とは言ってくれると思いますが、決して主力選手を休ませたクラブを批判したりはしないでしょう。 それでも私がしつこく「カカ選手が出ていない、カカ選手が...」とぶつぶつ言い続けていたら現地のACミランサポーターは「うるさい! お前はカカにしか興味が無いのか。」と怒るかも知れません。 こんな事をふと考えてしまったのもJリーグが開幕し、去年の”川崎騒動”を思い出したからです...

                    

 去年の秋だったか、川崎は浦和と共にJリーグ勢で初めてアジアチャンピオンズリーグ(以下ACL)の一次リーグを突破し、決勝トーナメントに進んだのですが、戦力的余裕の無い中堅クラブの川崎は止むを得ずACLの試合直前のリーグ戦で中村(憲)選手ら一部主力を温存し、それがJリーグの『ベストメンバー規定』に抵触するとして問題となり、一方で主力を休ませたクラブの意図を十分に理解しているサポーターがJリーグ側の批判に対して反論するなど騒ぎになったのを今でも覚えています。 当時の日本経済新聞(http://www.nikkei.co.jp/)に横浜FCのカズ選手が連載コラムで意見を述べられているので申し訳ありませんが無断引用させて頂きます... ちなみにカズ選手のコラムは現在も連載が続いております。

                (以下、引用部分)

 日経新聞スポーツコラム 『サッカー人として』より


 『選手の事情、経営の事情』

 先月のリーグ戦でメンバーを大きく変更した川崎がリーグ側から批判されている。前後にあったアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)と8人を入れ替えて柏と戦ったことが問題になった。規則違反ではないけれど、ベストメンバーで戦う精神に反するという。
 一つ確かなのは、負けようと思って選手を選ぶ監督はいないということ。その時点でベストな選手を使うのは当たり前で、先週の先発メンバーが次はベンチに入れないこともあり得る。
 川崎は週末のJリーグの後にイランに移動、標高1500メートル超の高地で水曜日にACLを戦い、帰国して再び中3日での試合だった。さらに次のACLが3日後に控える強行日程だし、日本代表の中村憲剛選手は余計に疲労がたまっている。僕もACLをテレビ観戦したけど、みんなクタクタだった。
 それなのに「帰国用にチャーター機まで用意したのだから主力をJリーグにも出せ」という意見は、サッカーの厳しさをわかってくれていないと感じた。宿泊環境、空気の薄さ、宗教も違う国を往復する連戦がどれだけきついことか。
 川崎の側に立てば、やむを得ない状況だったと誰もが納得するはず。Jリーグ幹部は「サポーターへの裏切りだ」と怒ったらしけど、これは出場した選手への侮辱だ。彼らは同じチームの戦力なのだから。僕自身、ブラジルで同じ経験がある。サントスが先発を半分以上入れ替えて臨んだ試合、それが僕のチームでのデビュー戦だったんだ。
 開幕前のキャンプから、選手はみんな試合に出るために努力している。レギュラーは11人だけじゃない。平等にチャンスはあるという監督の言葉でモチベーションを保ち、それでもなかなか出番に恵まれなくて、やっと巡ってきた出場機会。そこで「何で補欠が出るんだ」みたいに非難されたら、僕なら黙っていられない。プロとして「オレをバカにするな」と言う。
 もちろん、これは選手としての考え方で、Jリーグやサッカー協会の人たちは違う立場で営業面を考えないといけない。スポンサーにすれば、日本代表などの有名選手に出てほしいと思うのも当然。意見をぶつけ合って、コミュニケーションを深めるしかないね。


(三浦知良さん・元日本代表、横浜FC 日本経済新聞2007年10月5日付)

                (引用ここまで)

 前にやっていたプロ野球サイトでも私はこの問題を取り上げ、これまでプロ野球などで一般的に呼ばれていた”ファン”とは違う”サポーター”と言う概念を提唱し、定着させたはずのJリーグの出張と矛盾しているのではと批判したのですが、カズ選手が言われている通りスポンサーなどの関係で難しいところもあったのだと後になって知りましたが。 ”ファン”の感覚で言えば重要な試合の前に主力を休ませる事は「せっかく金を払って見に来たのに...」となりますがクラブを愛し、支援しているサポーターから見れば主力を温存したいクラブの考えは共有出来ているので「今日は主力選手を休ませて勝ちたい。 だから控えのお前達が何とかして欲しい。」と思うのではと書いたのを思い出しました。 結局川崎への処罰とかは無くて安心しました。 戦力的にはビッグクラブと言うより中堅クラブと言うべき川崎の快挙は他の中堅クラブにとって自分達だってやればいつかは世界で戦えるかも知れないと言う夢と希望を与えてくれましたし、JリーグクラブだけでなくこれからJリーグを目指そうとしている地域クラブにも夢を与えたと言う点で歴史的な意義があると思いますので...

               

鹿島は敵地で大勝、G大阪はホームでドロー…ACL(読売新聞) - goo ニュース

 そんな訳で今年もACLが開幕しました。 鹿島は慣れない人工芝ピッチも何のそのでアウェーで圧勝、G大阪はホームでまさかのドロー... そしてACLは決勝トーナメントから登場の昨年覇者・浦和は開幕したJリーグでまさかの開幕黒星など色々あるみたいですが、Jリーグ側には去年同様にACL出場クラブへの支援をして頂きたいものです。 順調な滑り出しの鹿島ですが、クラブ規模を考えるとACLも大詰めの局面では去年の川崎同様、Jリーグの試合で主力を休ませる事があるかも知れませんが、その辺はスポンサー殿にも日本サッカーの為、大目に見て頂ければ嬉しいものです。 現在、G大阪がいきなりピンチですが願わくばG大阪、鹿島、浦和と3クラブ揃って決勝トーナメントに進出したいものです。

 ヨーロッパのチャンピオンズリーグ(07-08シーズン)では現在、マンチェスターユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リバプールのイングランドの4クラブがベスト8まで勝ち上がり、準々決勝はプレミアリーグ(イングランド一部)勢とヨーロッパの他リーグ勢の組み合わせになるそうです。 今年に限らずイングランド勢はチャンピオンズリーグで毎年安定した活躍を見せている印象があります。 イングランドと言えば言わずと知れたサッカー(フットボール)の母国ですが、プレミア勢のチャンピオンズリーグでの活躍を見ていると「サッカーの母国は伊達では無い。」と思ってしまいます。 日本のサッカーもJリーグ勢が毎年ACLで当たり前の様に勝っている姿を見せて「何度もワールドカップに出ている日本のJリーグ、伊達では無い。」といつか世界に言わしめたいものです...


 ...以上です。
コメント
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