廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

ハードボイルド時代劇 『筆殺仕立人』 第拾弐話:本

2008-09-11 22:22:22 | Weblog
 今日は広島市民球場でライバル・横浜との今季最後の対戦だ。 ナイトゲーム、それも平日の試合に行くのは確か野村謙二郎選手(現解説者)の引退試合の時以来だったと思う。 あの時は平日だったけど球場は超満員になって通路にまで人が座るすごい状況だったな。 ちなみにあの時の試合も相手は横浜だった。 先発投手はカープがエースの黒田投手(現ロスアンゼルスドジャース)、横浜がやはりエースの三浦投手で試合は結局横浜が勝ったのだと記憶している。 引退セレモニーの時は横浜の選手達も帰らずにベンチ前に整列してくれたのだったな... その思い出の市民球場とも今月限りでお別れだ。 私もいつもは週末デーゲームが専門だけど、今回は最後と言う事で仕事も休んで平日のナイトゲームを見に来ました。

                   

 私は普段、JRで横川駅に行ってそこから歩いて市民球場に行っているのですが、今回は平日の試合と言う事で気分を変えて広電を利用して市民球場の前まで直接行きました。 電車の中には多分これから市民球場に行くのだろうと思われるユニフォームを着た子供も見掛けた。 そう言えば学校のある平日に子供ファンを姿を見るのも異例だな。 これも最終シーズンだからなのだろうけど、見方を変えれば本当は普段でも平日の試合に行けるけど行っていないと言う事か... 市民球場に行く人は原爆ドーム前の停留所で降りるのだが、私は次の紙屋町西停留所で下車、広島そごうで買い出しをしてから行こうか...

 私はデパートの地下食料品売り場(私は”デパ地下”なんて略語は使いません)で酒とおつまみを買う。 ビールとペットボトルのお茶を買ったのだが、いつものスーパーみたいに安く無いのが辛いところ。 そしておつまみは久しぶりに『串だんらん』の串カツを買った。 それにしてもここは市民球場に近いのでカープファンで賑わっている。 カープが新球場に移転した後はこの賑わいが消えてしまうのだがどうするのだろうか? 私は市民球場跡地にサッカー専用競技場を造ってサンフィレッチェを市内中心部に移転させるべきだと思うのだが、その声がこのデパートでも、近くの本通商店街でも盛り上がらないのはサッカーのホームゲームが2週間に1回程度だから”経済効果”が少ないと思っているのだろうか? そう言う問題では無いと思うし、その問題は近くの広島グリーンアリーナにバスケットのbjリーグのチームを作れば解決すると思うのだが...

                    

 私は串カツとビールを持って球場入りした。 試合開始まであと一時間くらいある。 平日である事を考えると客の入りが多いのだが、さすがに座る席は十分にあって私もあっさりと席を確保する事が出来た。 試合開始30分前に両チームの先発メンバーが発表された。 先発投手はスポーツ新聞などの予想通り篠田投手と吉原投手か。 私はスコアボードに並んだ横浜の先発メンバーを見る。 日本人選手ばかりだ。 それが良いのか悪いのか見方は分かれるところですけど、私は世界中から才能を集めた国際色の溢れるチームカラーこそ”国際文化港湾都市”の横浜に合っていると思うのですが...

 最近の日本球界では韓国や台湾出身の選手が活躍している。 横浜も韓国や台湾のプロリーグから選手を招くとか、中国から成長が期待出来る若い選手を育成枠で入団させて湘南(二軍)で主力選手に育てるとか、かつてR・ローズ選手ポンセ選手パチョレック選手ら優秀で個性的な外国人選手たちを発掘して来た在米スカウト網を再建するとか。 現在、カープでエース格の活躍をしているルイス投手の様な逸材はアメリカのマイナーリーグにまだまだ居るはずです。

                     

 試合は始まった。 1回の裏、横浜の右翼手・吉村選手がライトの守備に就く前、ライトスタンドに向かい帽子を取って軽く礼をした。 横浜にとって今日が最後の広島での試合だ。 この球場で何本もホームランを打っている吉村選手にとっても思い出が一杯で惜別の気持ちがあったのかも知れない。 私も去年、吉村選手のホームランが私の座っている場所から1メートル位の近くにライナーで”着弾”してバーンと言う凄い音がした...なんて事もありました。 私も当然、市民球場には思い出が一杯で愛着もあります、でもやっぱり新球場での新しい未来の方に希望を見てしまうもので。

 広島の新球場が出来たのをきっかけに内野にも天然芝の張られたアメリカに負けない野球場が日本の新しい流れになってくれる事を期待しています。 球場の建てられた年代や耐用年数を考えると、広島に続いて本格的野球専用スタジアムが造られる事を期待出来るのは横浜と言う事になるでしょう。 広島と同じく(?)今季限りでその役割を終えるニューヨークのヤンキースタジアムは”(ベーブ)ルースの建てた家”と呼ばれているのだとか。 それなら、村田選手や吉村選手、それにこの遠い広島までこれだけ応援に来る熱心なファン達、みんなの力で横浜に新しい”ベイスターズの家”をいつか必ず建てて欲しい。

 広島の新球場はアメリカ大リーグ・ボルティモアの本拠地・カムデンヤーズ・オリオールパークをモデルにしていると聞きました。 だったら横浜には”港町つながり”と言う事で、イチロー選手の映像を通じて日本でもお馴染みのシアトルの本拠地・セーフコ・フィールドをモデルにした全天候型の総天然芝野球場をいつの日か造りたいですね。 出来る事なら便利な今の立地での建て替えと言う形で。 広島ではナイター時の夜間の交通の便が悪い事もあってJR駅の近くに移転する事になりましたが、横浜の今の立地は是非とも今のままで残したいからです。 もっとも現スタジアムを取り壊して建て直すまでの少なくとも1シーズンは仮の本拠地を使う事になるのが難点ですけど...

                     

 試合はカープが喜田選手のホームランから始まったタイムリーヒット連発で一挙に4点を奪ったものの、その後はチャンスを潰し続けて吉村選手のホームランによって一気に1点差まで詰め寄られてしまって後は防戦一方になった。 厳しい展開になったがカープは好守備の連発で何とか点差を守って8回、セットアッパーのブラウワー投手が今日は不調でピンチを招き、そこで”マーティー監督”は思い切ってストッパーの永川投手を8回1アウトから投入し、当たっている吉村選手は避けて満塁とし、そこで代打で登場した金城選手の”レフト前ヒット”を守備固めでレフトに回っていた天谷選手が頭から飛び込んでスーパーキャッチ! 大ピンチを乗り切った永川投手は続く9回もピンチはありましたがしのいで逃げ切りました。 試合後のヒーローインタビューは今日のセーブで自らの持つセーブ球団記録を更新した永川投手と、先発した篠田投手だった。 永川投手はこれから長い遠征が始まりますが、3位になって広島に戻るとファンに宣言しました。 現実になれば良いのですけど...

 試合はカープが競り勝ったが、横浜も後一歩のところまでカープを追い詰めるなど、何でこれだけ強いチームが最下位独走状態になるのか分からないな。 今日の試合を見ていても絶対に勝ちたいと言う強い意思を感じましたし。 何かがおかしいと思うのです、今のプロ野球は。 でも試合も勝った事だし、とにかくいつもと同じく私も最後に一仕事だな...

                      

「大矢監督、続投が決まったみたいで良かったですね。」

「え!?...ああそうですね、でも今のチーム状態で受けて良いのか正直迷ったんですよ。」

「私は大矢監督だけが責任を感じるのはおかしいと思うんですよ、でも...」

「でも......?」

「せっかく詰め腹を切らすに済んだのを申し訳無いのですが、この剣のサビになって頂きます!」

 





「......峰打ちでござんす。」



 大矢監督も立場上の責任はあったと思いますが、今のプロ野球の格差問題も低迷の一因だったと私は思います。 今季、横浜はジャイアンツに対して一方的に対戦成績が悪いですが、これは去年までのクローザー・クルーン投手を引き抜かれた事が大きいと思っています。 かつてのカープが金本選手やシーツ選手をタイガースに一方的に引き抜かれて以後の対戦が一方的になった事を忘れていません。 エースと主砲を引き抜かれたスワローズも同じ様な状況なのでは? 今季、カープはFA人的補償で入団した赤松選手の活躍などが奇跡的に組み合わさって今の快進撃があります。 それなら今後は外国人選手も国内移籍に限ってはFA扱いとして人的補償を要求出来る様にすれば今みたいな事も無くなってプロ野球が面白くなると思うのですけどやらないでしょうね... ジャイアンツが横浜やスワローズを一方的に負かしてタイガースとのゲーム差が詰まったと無邪気に喜んで煽っているのだから。 どこかの日本代表監督の台詞じゃありませんが、スポーツマスコミの人達こそ昭和の時代から”時間が止まっている”のだと思います... まあとにかく、”エリカ様”に報告して引き上げるとしましょう。


「”エリカ様”、仕立完了しました。 これより撤収します。」

                

 ここのところ2連勝で調子が良いな。 次のドラゴンズ戦が私が市民球場で観戦する最後の試合になるでしょう。 相手はプレーオフ進出を争っているライバルですし、カープの為に是非とも勝って締めくくりたいものです。





                 続く







                 キャスト



駿河守/ナレーター     管理人さん




港星の先発投手       吉原道臣(横浜投手)

鯉の先発投手         篠田純平(カープ投手)



ハマの斬り込み隊長     石川雄洋(横浜内野手)

港星のクラッチヒッター    仁志敏久(横浜内野手)

港星の大ベテラン      石井琢郎(横浜内野手)

ハマのキャプテン       相川亮二(横浜捕手)

ハマのしぇからしか砲    吉村祐基(横浜内野手)

ハマの流星          内川聖一(横浜外野手)

男・村田            村田修一(横浜内野手)




鯉のストッパー       永川勝浩(カープ投手)

鯉のセットアッパーA    J・ブラウワー(カープ投手)

鯉のセットアッパーB    M・シュルツ(カープ投手)

鯉の新星           天谷総一郎(カープ外野手)

鯉の狩人           赤松真人(カープ外野手)

鯉の斬り込み隊長     東出輝裕(カープ内野手)

鯉女房A           石原慶幸(カープ捕手)

赤ゴジラ           嶋重宣(カープ外野手)

新・必殺仕事人       小窪哲也(カープ内野手)

喜田.GO          喜田剛(カープ内野手)

アレックス          A・オチョア(カープ外野手)

サムライ前田        前田智徳(カープ外野手)

鯉の大ベテラン       緒方孝市(カープ外野手)

鯉の主砲          栗原健太(カープ内野手)

スライリー          ????(カープ公式マスコット)



横浜ファンの皆さん

カープファンの皆さん



ハマの水先案内人      大矢明彦(横浜監督)

マーティー監督        M・ブラウン(カープ監督)





エリカ様            ?????(女優)





                 スタッフ


製作              管理人さん

脚本              管理人さん

演出              管理人さん

音楽              無し

殺陣              管理人さん

美術              管理人さん

資料協力           週間ベースボール

ロケ協力           広島市
                 広島市民球場
                 広島カープ球団
                 横浜ベイスターズ球団
                 横川胡子神社

監督              管理人さん





 この物語は一部フィクションであり、実在する人物、団体、地域とは関係無い...ところが含まれております。




クチコミblogランキング TREview

 ...異常です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする