本屋を散歩していて見たことのない三島由紀夫の文庫本を発見したので読んでみました。
三島の日記形式のエッセイを独自にまとめて文庫化した一冊です。
こちら目次。昭和23年から始まりますが、この頃は大蔵省の役人だったころ。
最後の昭和42年は、豊饒の海の執筆中(春の雪を書きあげた後)という時代です。
「小説家の休暇」、「裸体と衣装」は、すでに文庫化されています。
三島の日常の思索が随所に読み取れ、内容の濃いエッセイではありますが、難解なものも多いです。2つの難解さがあって、ひとつは三島の思索、思考の難解さ、もうひとつは演劇や作家などの評論で、読者がそれらに触れていないと意味がわからないというものです。
とはいえ、三島の聡明さが随所に表れていて、なかには軽い文章ですらすら読める部分も少なくはなく、ファンにとっては興味深い一冊ではと思います。
著者プロファイル。
初版が2019年なので、けっこう新しいですね。
こちらは新潮文庫から出ている「小説家の休暇」。
金閣寺を執筆する前の日記です。太宰治の悪口が強烈^^;
小説家の休暇以外にもエッセイがあり、これらがまた難解ホークス。
解説は、三島読者なら誰もが知る田中美代子氏。
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