トルストイの「戦争と平和」をベースにした、イエスの「錯乱の扉」。
これを聴いているうちに、小説をモチーフに、あるいは小説にインスパイアされた楽曲がいくつか思い浮かびます。
上のアルバムは、ケイト・ブッシュのデビューアルバム、Kick Inside。
この中にある、「嵐が丘(Wuthering Heights)」は、エミリー・ブロンテの同名小説をモチーフにしていることは、以前にブログに書きました。歌詞には、ヒースクリフ、キャシーと小説の登場人物がでてきます。
ジェネシスのアルバム、「静寂の嵐」。英題は、Wind & Wuthering。
このタイトルも、Wuthering Height を意識して決められたとのことで、アルバムB面のインストルメンタルナンバーのタイトル、"Unquiet Slumbers for the Sleepers...",と、"...In That Quiet Earth"は、この小説の最後の段落から引用して名付けられたそうです。(Wikipediaより)。
エミリー・ブロンテの嵐が丘を原文では読んでいないですし、最後の段落の内容も忘れてしまいましたが^^;、きっと厳粛な雰囲気のエンディングだったのでしょう^^;
これも前にブログに書いたことありますが、キャメルの「スノーグース」。
ポール・ギャリコの同名小説にインスパイアされたアルバムです。
アルバム名も、Music inspired by The Snow Goose. とそのまんま。
傴僂のラヤダーはその外見から人々に差別されていますが、彼の心は美しく、それを理解する少女との物語が、キャメルの楽曲とシンクロして、琴線が刺激されるアルバムです。
これは絶対に小説を読んでから、アルバムを聴くのがオススメ。
ドイツのエニワンズ・ドーターのアルバム、「ピクトルの変身」。
ヘルマン・ヘッセの同名小説(Piktors Verwandlungen)をモチーフにしていて、こちらは曲と曲の間にナレーション(小説の朗読)が入ります。ドイツ語なのでよくわからんのですが^^;、おそらくピクトルの変身を全部読み上げているかと思います。
小説の方は、ヘビにそそのかされて永遠の生命を持つ樹になったピクトルが、まわりの輪廻を横目に落ち込んでいるところにやってきた少女に救われ、二人で樹になった後は輪廻を繰り返し、最後は双子星になるというメルヘンです。ジャケット写真の2本の樹は、ピクトルと少女ビクトリアを表しているのは、小説を読むと合点がいきます。
サウンドの方は、軽快なギターとシンフォニックなサウンドで、しっとりしたプログレに仕上がっています。ちなみにこれはライブ盤です。
イタリアのホストソナテンのアルバム、「老水夫行」。
サミュエル・テイラー・コールリッジによる同名小説(The Rime of the Ancient Mariner)をモチーフにしています。
実は私は、老水夫行は読んでいません^^; こちらのアルバムだけ聴いてます。
歌詞は英語です。Ancient Matiner は、年老いたキャプテンといった感じでしょうか。そのテーマを、プログレっぽい曲調、ヘビメタっぽい曲調、女性ボーカルをフィーチャーした曲調と3つのアレンジで繰り返されます。スピード感あふれるキレの良いサウンドです。
ルネッサンスのアルバム、シェラザード夜話は、「千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)」の語り手、賢女シェラザードから来ています。千夜一夜物語は、子どもの頃に児童書で読んだくらいですが、アニー・ハズラムの声はアラビアンナイトの雰囲気にぴったり。
レッド・ツェッペリンII に収録されているモビー・ディックも、ハーマン・メルヴィルの「白鯨(Moby-Dick)」をモチーフにしているのは明らかでしょう。ジョン・ボーナムの重量感溢れるドラムソロは、まさにマッコウクジラ(^^)
ざっと思いつくのを挙げてみましたが、この手の曲やアルバムはきっとまだまだたくさんあると思います。あらためて、音楽と文学は親和性の高い芸術だと思います。
日本文学をモチーフにしたものってなんかあるかな、、?ありそうだけどすぐに思いつかない。個人的には三島由紀夫の「金閣寺」や、小林多喜二の「蟹工船」なんかをモチーフにした音楽を聴いてみたいものです(^^)
p.s. 健康診断を終えて油断して食べ過ぎた。
アルバムタイトルだけでも「人間失格」、「桜の森の満開の下」、「羅生門」、「怪人二十面相」etc・・・
ケイト・ブッシュのこのジャケにはドキドキさせられっぱなしでしたw
「陰獣」という曲も思い出しました。
アルバム名はいままで知らなかったのですが、太宰治に坂口安吾、芥川龍之介となかなか魅力的なところが並んでいますね。さすが文芸ロック(^^)。
イカ天では、ジッタリン・ジンが好きでした。