彼岸花が咲く島、と同時に芥川賞を受賞した作品です。
東日本大震災、コロナ禍がテーマで、ドイツの学生都市ゲッテンゲンを舞台に、野宮の来訪から幕を開けるストーリーは、なにか不自然さを纏いつつも、焦点が定まらない曖昧な感覚で読み進めざるを得ませんでした。
詩的な情景描写が延々と続き、不思議な出来事との関連性が見えなりつつあった中盤に、「は?」という展開になり、そこからやっとこの小説の意図がわかったような気がします。
前半は手探り感もあり読むのにけっこう時間が掛かったのですが、後半になると、主題が見えてそこに入り込むことができて、霧が晴れたような気持ちで読み終えました。
読み終わってから、帯に書いてある書評に目をやると、なるほどなと腑に落ちます。
作者プロフィール。
書誌情報はこちら。
わたしがあまり読まないタイプの小説でした。震災を題材に書かれた小説を読んだのもこの作品が初めてです。読後感は良かったです。
p.s. 塩分ちょっと多めだけど、今日はいい感じ。野菜不足は課題。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます