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2024年下半期の芥川賞は、上半期に続いての2作品受賞。そのひとつがこのDTOPIAでした。
安堂ホセはこれまで読んだことはなかったのだけど、『ジャクソンひとり』、『迷彩色の男』で芥川賞候補に名を連ねていたのは知っていました。三度目の正直といったところの受賞でしょうか。
DTOPIAというのは、テレビのバラエティ番組で、男女がカップリングするまでの過程を映像化したもののようです。昔やってた『パンチDEデート』みたいなものでしょうか。わたしにはあんまり興味ない世界なので、最初はつまらない内容と感じたのですが、核開発などの時事問題などが挿入されつつ進行させるストーリー展開で徐々に面白さが出てきます。
途中から主人公(モモ)の少年時への追憶が始まると、俄然緊張感が増してきて、一気にストーリーの中に埋没させられました。ジェンダー差別、親との争い、闇バイトなどなど。わたしの知識が追いつけないほどの時事ネタが満載です。
言い方が悪いけど、とっちらかっているようなストーリーです。しかしそんなことよりも作者のエネルギーが行間から伝わってくることがこの作品の特徴でしょうか。エネルギーが高すぎてじじいが触ると怪我しそうなほど。
他の作品も読んでみたい、と思った作者です。前作と合わせて文庫化されたら読もうかな。
名まえもルックスもハーフと思われますが、プロフィールは謎。30歳ということだけ書いてあった。
p.s. 今日、米を5kg買った。これが無くなるまでに価格が戻るかな?
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