![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/85/48ec9fa4a793b4f9c4bbb82c3f419cca.jpg)
「この世の喜びよ」の次に読んだのは同紙に掲載の「荒地の家族」。
東日本大震災(文中ではあえて「災厄」と表記)後の宮城県沿岸部が舞台です。
震災によって奪われた命、震災によって変えられた生活のなかで、主人公の祐治の生きることへの真摯さと苦悩がリアルに描かれています。
ここ最近読んだ芥川賞受賞作の中では、一番ではないかと思いました。
亘理や鳥の海、逢隈、岩沼など聞き慣れた地名がでてくるのにも、親近感が湧きます。
文章からは、作者の誠実さを強く感じます。それには、宮城県にいる私の友人知人が持っている誠実さと共通なものを感じました。
受賞者インタビューで、「被災地では、震災は、当たり前の風景として視界に入ってきます」「戦後の作家にとって戦後の風景が当たり前にあるのと同じことです」と、ありますが、まさにこの小説は、被災者の視点をなくしては書けなかった作品でしょう。
受賞者インタビュー。
作者プロフィール。
p.s. ランチが高カロリー。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます