ばあさんが「これ読むか?」と机の上に置いていった一冊。
裏表紙の内容紹介。
前に読んだ、「むらさきのスカートの女」の作者で、これがデビュー作とのこと。
主人公のあみ子の視点で見られる世の中は、わしらが生きている現実の世の中であり、その世の中の日常に、やりきれない哀しみを感じて、重苦しい気持ちになる小説でした。普通、優しさ、幸せ、この3つの単語についての多様性を考えさせられました。
これ、映画化されて今年の7月に公開されるそうだけど、めちゃくちゃ暗い映画になるんじゃないのか?と思って、予告編をみてみたけど、どうもそうでもなさそう。私の読後感が変なのかな?
映画:こちらあみ子、のサイト → https://kochira-amiko.com/
この本には、3編の短編が収められていて、2編めの「ピクニック」は、いじめの話でしょうか?相手を引くに引けない状況に追い詰めて楽しむ、そんな陰湿さを描いた話か?
3編めの「チズさん」はよくわからなかった。なんでそのタイミングで脱出の手引きをするんだ?そして、なぜそこで終わるんだ?
いずれも、「むらさきのスカートの女」と同様にリズム感が素晴らしい文体で、さらっと快適に読めましたが、読後はその文体とはうらはらになにかが引っかかっているような気分が心に残りました。
こちら作者紹介。
太宰賞と三島賞を一緒に獲るのは芥川賞と直木賞を一緒に獲るような矛盾を感じなくもないですが、太宰と三島は(真逆なようで)似たモノ同士(ゆえに嫌う)、ということを三島本人も言っていたので、まあ、両方取るというのは凄いことなのでしょう。
こちら書誌情報。
単行本の発刊が2011年で、文庫化が2014年。
p.s. 今日はおしなべていい感じ。
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