地震リスク delphis manta blue

身近な地震リスク 減災を目指して

<復興を願い 2011.3.11東日本大震災>
<未曾有の巨大災害 記録>

密集市街地の恐怖

2006-11-04 | 地震リスク
地震により火災が発生すれば、あっという間に燃え広がる可能性がある。燃え広がるかどうかは火災発生時の気象条件(風速、湿度等)も大きく左右するが、周辺地域の状況が大切だ。

昔の体験で、真冬の朝4時ごろけたたましいサイレンの音で飛び起き、外を見たら自分の家の近所が炎に包まれていた。まだあたりは暗く炎だけが屋根から吹き出ていて二軒つながる家に延焼するのではないかと思った。つぎつぎに集まる消防車が放水を開始した時点でふと気がついた。その朝は幸いまったくの無風状態だったのだ。放水により大量の白黒煙がまっすぐ天に向かって立ち昇っていたのが印象的だった。これが冬の寒風が吹いていたら燃え広がった可能性があった。残念ながらその家だけは全焼し死者がでた。これが地震時に発生し密集地で風が吹いていたらと思うとぞっとする

日本全国には、地震時に大火の可能性の高い危険な密集市街地が8,000ヘクタールある。圧倒的に多いのが東京都の2,339ヘクタールと大阪府の2,295ヘクタールである。市区町村別では全国ワースト1位の大阪市1,360ha(22地区)、2位は横浜市660ha(23地区)、3位は京都市364ha(59地区)、4位は長崎市297ha(5地区)、5位は豊中市255ha(2地区)という結果だ。東京都では品川区252ha(1地区)、世田谷区230ha(3地区)、北区188ha(3地区)の順番だ

国は「社会資本整備重点計画」において、都市再生プロジェクト第3次決定を踏まえ、今後、平成19年度までに「重点密集市街地」全国約8,000haのうち約3割について最低限の安全性を確保することを重点目標として掲げている

全国ワースト2位となった横浜市では、2003年10月の住民・NPO・行政の三者協働によるまちづくりを開始、密集住宅地における防災まちづくりを公募によるNPOが支援する日本初のユニークな仕組みを導入した。密集住宅市街地は1haあたり80戸以上、s55年以前の木造住宅が50%以上、地震マップで震度6弱以上、木造建物棟数3/4以上、木造建物の建ぺい率30%以上、道路、公園の公共施設の未整備地区の地域で、密集度合い、倒壊危険、延焼危険、基盤条件により選定された地区である。横浜市の場合は鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区、保土ヶ谷区、磯子区、金沢区の8区の660ヘクタールが対象となる。進捗状況は横浜市監査委員評価としてC70点との状況。早くしなければ先に地震が来てしまう