どうして国が必要なの?
なぜ国ができるのか
国の発生について教科書では、次のように記されている。
『世界のいずれの地域でも農耕社会が成立するとともに、
戦いのための武器や防御的施設を備えた集落が出現し、
蓄積された余剰生産物をめぐって戦いが始まったことが知られている。
日本列島もこうして争いの時代に入り、強力な集落は周辺のいくつかの集落を統合し、
各地に「クニ」とよばれる政治的まとまりが成立していった。』(山川出版社)
私がここでまず思うのは、『国は権力的で悪いものだ』という意識が今の高校生には根強くあるのではないかということだ。
教科書にもあるように、まず『国というものは防衛施設である』ということを、
もっと生徒にわかりやすく説明することが必要なのではないか。
国の『正当性』はまずその『構成員相互の安全を守る』ことにある。
そのことは決して『小国寡民』の思想と矛盾するものではない。
その正当性があるから、国の支配者になることに人間としての名誉が生じる、という論理の構造をしっかりと生徒に教えるべきではなかろうか。
国は『正義の体系』である。
そこにもし負の部分があるとすれば、
それは時として命をかけてでも守らねばならないときがある、ということだ。
しかしそれは妻や子供を守るために、身を挺してでも戦う男がいるということである。
家族を守るためでもよいし、村を守るためでもよい。
そのことを不正義であると言う人はいるまい。
そこでも国はまず防衛施設であるということが生じてくる。
ギリシアのポリスの考え方というものはそういうものであった。
城壁の内側に住んでよい代わり、敵が襲来した場合には必ず武器を持って戦うのである。
それがポリスの市民に課せられた使命であった。
市民である成年男子の使命なのであった。
そしてそういう使命を全うできる人間だけに参政権が与えられた。
ギリシアでもローマでも参政権を持たないプロレタリアートたちは、
自ら武器を持って重装歩兵として戦いに参加することによって、
またはペルシア戦争の際の海戦で船のこぎ手として戦争に参加することによって、
参政権を獲得していった。
このようにして平民階級の間に参政権が広まることによって、古代の民主政治が成立したのである。
『防衛施設を持たなくとも国は守れる』という思想にとりつかれた国は、いずれ国の体をなさなくなる。
それは『一人でも身の安全を守れる』という誤った思想を導くようになる。
『なぜ国ができるのか』より
国とは何か?
別に教科書に書いてあることを持ち出さなくても、話は簡単なんですよね。
それは、“縄張り”なんですよ。
やくざの世界で言う“縄張り”とほとんど変わりがないものですよ。
グループごとにこの縄張りがある。
ところが、グループの構成員が多くなると、資源が少なくなる。
つまり、食料が少なくなってくるから、広い土地を確保して食糧増産しなければならない。
開墾するのが面倒だから、いっそのこと隣の縄張りを自分のものにしてしまおう。
この規模が大きくなったものが戦国時代の“国取り物語”ですよ。
モンテスキューがこの人間の“業の強さ”を次のように指摘しています。
The possession of many wives does not always prevent their entertaining desires for the wives of others. It is with lust as with avarice, whose thirst increases by the acquision of treasures.
--- Montesquieu
たくさんの妻を娶(めと)ったからと言って他の男の妻に対する浮気心が無くなると言うわけではありません。
それどころか、女性に手を付ければ付けるほど他の女性も欲しくなるものです。
それはちょうど、お金が増えれば増えるほど、さらにお金が欲しくなるようなものですよ。
モンテスキュー
モンテスキュー (Montesquieu)
本名: Charles-Louis de Secondat シャルル=ルイ・ド・スコンダ
啓蒙期のフランスの哲学者、政治思想家。
ラ・ブレド (la Brède) とモンテスキュー (Montesquieu) を領地とする男爵 (baron) でもあった。
彼は、1689年1月18日に、ボルドー (Bordeaux) 近郊で生まれ、
1755年2月10日に逝去した。
ジョン・ロックやイギリスの政治に影響を受け、フランス絶対王政を批判し政治権力を分割し、均衡と抑制による権力分立制の基礎を築いた。
法とは「事物の本性に由来する必然的な関係」であると定義し、権力を分割しない統治形態による法からは政治的自由が保障されないと考え、執筆に20年かけたといわれる著作『法の精神』で、権力を立法・行政・司法に分割する三権分立論を唱えた。
社会学の父と考えられている。
SOURCE: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モンテスキューのような卓越した哲学者だからこそ、ごく単純な人間の本性を上のように見究めているのかもしれません。
つまり、欲望には限りが無いと分かっていても、人間は愚かなところがあるんですよね。
色欲の事になると、お金と同様、人間の目がくらんで、あくなき欲望のとりこになる。
“縄張り”を広げることも、この欲望と全く変わりがありませんよ。
要するに、大きいことはいいことだ!広いことはすばらしいことだ!
こうやって縄張り争いが起こる。
国と国との間では戦争がおきる!
個人的には、誰も殴り合いの喧嘩はしたくないし、
喧嘩して命を落とすなんて馬鹿らしいと分かっている。
戦争だって、実際に始まれば、戦争をやるのはいいけれど、自分が2等兵になってロバみたいにこき使われて戦死するなんて真っ平だと思うのが人情ですよね。
それなのに、どうして戦争やるのか?
戦争すると儲かる奴が居る!
兵器を作っている人たちですよ!
軍需産業ですよ!
戦争インフラを進めている人たちですよ!
それから権力を維持できる人たちが居る。
つまり、国民を犠牲にして戦争を権力闘争に利用する悪徳政治家が居る。
章子さんは、上のエッセーの中で『国というものは防衛施設である』という事を信じている。
しかも、“もっと生徒にわかりやすく説明することが必要なのではないか” とも書いている。
これは、戦争インフラを推し進めようとする悪徳政治家の理論なんですよ。
軍需産業と組んで戦争がなくならないようにしているんですよ。
それに対して生徒は素直に純真な心で反応しているんですよね。
『国は権力的で悪いものだ』
権力を握っている者たち(悪徳政治家)が、軍需産業と組んで(政治資金をもらいながら)戦争インフラを構築するために
そのような理論を(教科書を使って)国民の間に浸透させている。
生徒の素直な反応こそ、直感的で本質を突いているんですよ!
僕は章子さんが歴史の先生として、もっとしっかりして欲しいと思いますね。
悪徳政治家の手先になってもらっては困りますよ!
戦争が無くなるまであと200年はかかるでしょうね。
でもね、いつか必ず地球から戦争は無くなりますよ!
戦国時代のことを考えてみてくださいよ!
戦国時代に、マジで戦争がなくなる日本を考えた人が居たと思いますか?
でも、現在、日本国内で県と県が戦争する事なんて絶対にありえませんよね。
これを世界レベルで考えてくださいよ。
つまり、日本国が国際連合だとしますね。
東京都がアメリカで神奈川県がロシアで埼玉県が日本で千葉県が中国で。。。
このように考えてみれば、やがて国と国の間で戦争がなくなることが見えてくるでしょう?
つまりね、まだまだ、世界レベルで政治や戦争の事をマジで考える事のできる人たちが、極めて少ないという事ですよ!
なぜ、そうならないのか?
日本には年金をごまかす政治家が居るからですよ。
自分のことしか考えていない政治家たちが居るからですよ。
アメリカはブッシュ大統領が戦争インフラを金科玉条のように死守しようとしている。
アメリカの軍事産業で働いている人。
飛行機や戦車やミサイルを作っている労働者。
何千万人というアメリカ軍の軍人やその家族。
戦争が無くなったら、一体この人たちはどうなるのか?
仕事にあぶれた人たちはどこが引き取るのか?
イラク戦争でアメリカの大軍がイラク攻撃に参加しました。
そこで使われたアメリカ軍の兵器は一体いくらするのか?
考えたことがありますか?
■ 爆撃機
B-2Bスピリット:13億ドル(1560億円)
B-52Hストラト・フォートレス:7400万ドル(88億8000万円)
■ 戦闘機
F-14トムキャット:3800万ドル(45億6000万円)
F-15イーグル:2990万ドル(35億8800万円)
F/A-18ホーネット:5700万ドル(68億4000万円)
■ 無人機
RQ-1プレデター:4000万ドル(48億円)
■ 輸送機
C-5ギャラクシー:1億8420万ドル(221億円)
C-17グローブマスターⅢ:1億8000万ドル(216億円)
■ ヘリ
AH-64アパッチ:1500万ドル(18億円)
UH-60Lブラックホーク:590万ドル(7億800万円)
■ ミサイル
AIM-7スパロー中射程空対空ミサイル:16万5400ドル(1984万8000円)
AIM-9サイドワインダー短射程空対空ミサイル:4万1300万ドル(495万6000円)
AIM-120アムラーム中射程空対空ミサイル:46万ドル(5520万円)
BGM-109トマホーク巡航ミサイル:60万ドル(7200万円)
AGM-114ヘルファイア空対地/空対艦ミサイル:20万ドル(2400万円)
GBU-15精密滑空爆弾:28万5000ドル(2910万円)
JDAM-GBU31/32:2万1000ドル(252万円)
■ 艦船
ニミッツ級原子力空母:450億ドル(5兆4000万円)
タイコンデロガ級イージス・ミサイル巡洋艦:10億ドル(1200億円)
アーレイ・バーグ級イージス・ミサイル駆逐艦:10億230万ドル(1202億7600万円)
こういう兵器が使われて消耗されてゆく。
兵器は常に新しく最新モデルを用意しなければならない。
だから軍需産業はつぶすわけにはゆかない。
そして、このアメリカの軍需産業こそが世界の“武器庫”になっている。
また、この武器庫がアメリカの経済を支えている!
アメリカの世界における主導権を維持してゆくためにも。
軍需産業を支えてゆくためにも。
何千万というアメリカ軍の兵士とその家族を養ってゆくためにも。
つまり、戦争が無くなっては困るような戦争インフラの仕組みが出来上がっている。
しかも、小泉純ちゃんはシッポを振る子犬のように、
喜んでブッシュ君の言いなりになっている。
日本国民の将来と幸福のことを本気で考えているのだろうか?
小泉純ちゃんは6月29日にワシントンで行った日米首脳会談の後、
大好きなエルビス・プレスリーの生地・テネシー州メンフィスの「グレースランド」をブッシュ大統領夫妻に案内してもらった。
異例のもてなしに、本人は大ハシャギ。
「日米蜜月外交の総仕上げ」「世界の中の日米同盟」と喧伝する気らしいが、
USAトゥデー紙は
“大統領が最後の訪米となる小泉へのプレゼント”と書いていた。
イラク攻撃支持に自衛隊海外派兵、米軍再編への巨額負担。
(つまり、アメリカの戦争インフラに、せっせと協力を惜しまないわけです。日本国民の血税を払って。。。)
5年間シッポを振りまくってきた忠犬ポチ公のことを、
USAトゥデー紙は、ご主人様からポチ公がご褒美をいただくという構図を見透かしていた。
一国のトップとしてのプライドも節操もない小泉外交と見る海外のメディアは多い。
たとえば、最後の訪米をイギリスのザ・タイムズ(24日付)はこう皮肉っている。
コイズミが米国に来る目的は、首脳会談でイラク問題や鳥インフルエンザについて協議することじゃないし、ホワイトハウスでの晩餐会やアーリントン国立墓地訪問でもない。
エアフォースワンで行くメンフィス旅行だ。
2001年の首相就任以来、コイズミはブッシュにすり寄り、
一方では(靖国参拝などで)最も近い中国や韓国の怒りを買った。
一体ブッシュへの忠実さの見返りに何を得たというのか?
コイズミは誰も怒らせない聖地(メンフィス)参拝で辞任する
SOURCE: ザ・タイムズ(2006年6月24日付)
ニューヨーク・タイムズ紙(25日付)は“ご褒美すらいらない”というスタンスである。
いまアジアの最重要議題は北朝鮮のミサイル問題である。
そんなとき、北朝鮮はおろか近隣の中国や韓国への発言力も持たず、
冷え切った関係にした首相にブッシュは何を求めるというのか?
SOURCE: ニューヨーク・タイムズ紙(2006年6月25日付)
ブッシュ君も小泉純ちゃんも、世界から戦争をなくそうとしているわけではない!
戦争インフラをしっかりと温存しながら、北朝鮮のミサイル発射を非難する。
泥棒が“泥棒やめろ!”と相手に向かって喚(わめ)いている構図が見えませんか?
僕は何も北朝鮮をかばっているわけではありません。
あの国では、遅かれ早かれ軍事クーデターが起こるでしょう。
必ず民主化になるはずですよ。
それが歴史の流れだからです。
ただ、戦争インフラが一人歩きしているところに、現在の戦争危機がいつまでたっても無くならないと言う矛盾を秘めています。
その事をアイゼンハワー大統領が警告したのです。
戦争インフラを何とかしようとしたケネディー大統領は、戦争インフラを死守するアメリカ・エスタブリッシュメントに暗殺されてしまった。
詳しいことは次の記事を読んでください。
『戦争を無くす事はできますよね』
じゃあ、どうすればよいのか?
つまり、戦国時代がなくなったように、
県レベルから国へ
国レベルから世界へ
一人一人の考え方・意識が本当の意味で国際化・グローバル化する必要があると僕は信じていますよ。
つまり、上で引用した文章を書いた高校の歴史の先生である章子さんも、
もっと国際化した視野で歴史を、そして国を考えてみる必要があると思います。
この章子さんは一体どういう人物なのか?