めれちゃんと今一つの世界(PART 1)
今一つの世界
ここにもし、それらのものとは全く違った、また目新しい、「今一つの世界」があって、魔法使いの呪文か何かで、パッと、それがわれわれの目の前に現れたなら、そして、たとえば竜宮へ行った浦島太郎のように、その世界で生活することができたなら、われわれはまあどんなに楽しく生甲斐のあることでしょう。
でも、われわれは浦島太郎にはなれっこない。そんな「今一つの世界」なんてあるはずもなく、そこへ住むなんて思いもよらぬことだ。われわれはやっぱり、このきまりきった、面白くもない日常茶飯事を繰り返して行くほかに生き方はないのだ、とおっしゃるのですか。だって「今一つの世界」を求めるわれわれの欲望の烈しさは、どうして、そんなことをいってあきらめていられるものではないのですよ。
ご覧なさい。子供がどんなにお伽話をすくか、青年がどんなに冒険談をすくか、それから大人のお伽話、冒険談は、たとえばお茶屋の二階、歌い女、幇間(ほうかん)。それぞれ種類は違っても、われわれは一生涯、何か日常茶飯事以上のもの、「今一つの世界」を求めないではいられぬのです。お芝居にしろ、音楽にしろ、絵画にしろ、小説にしろ、それらはみな見方によっては、人間の「今一つの世界」への憧憬から生まれたものではありませんか。
暑中には避暑をする。それは何も暑さを避けるためばかりではないのです。われわれはここでも「今一つの世界」を求めている。飽き果てた家庭を離れて、別の世界へ行きたがっているのです。
もろもろの科学にしても、やっぱり人間のこの欲望の現われではないでしょうか。例えば天文学者は星の世界に憧れているのです。歴史家は遠い昔の別世界に思いを寄せているのです。動物や植物の学問はもちろん、生命のない鉱物にだって、薬品にだって、やっぱり「今一つの世界」を見出すことができないでしょうか。
古来のユートピア作者達が、それを夢見ていたことは申すまでもありません。さらにまた宗教ですらも、天上の楽園と言う「今一つの世界」に憧れているではありませんか。
ある型に属する小説家は、誰しも同じ思いでしょうが、わたしもまた、わたしの拙い文字によって、わたし自身の「今一つの世界」を創造することを、一生の願いとするものでございます。
江戸川乱歩(左)と三島由紀夫
(130 - 132ページ)
江戸川乱歩全集 第30巻 「わが夢と真実」
光文社文庫 2005年6月20日 初版1刷発行
『上流夫人 (2008年8月30日)』に掲載
デンマンさん...、 あんさんは、わたしにも「今一つの世界」があると言わはるのォ~?
当然のことやんかァ~。。。 乱歩先生にも誰にでも「今一つの世界」ってぇ、あるねん。
そいなら、わたしの「今一つの世界」ってぇ、どこにあるのォ~?
次のリンクをクリックすると、めれちゃんの「今一つの世界」が目の前に広がるねん。
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■『めれちゃんの今一つの世界』
こんにちわ。めれんげです。
この極私的詩集って、
2006年に、始めたんですよ。
で、ちょいっと読み返してみて思ったのが、
当初は、わたしの心が荒んでいたのか、
ずいぶん、荒々しい表現が目立ちます・・・
血に餓えているような、
怒りのオーラを身にまとっているような、
今とは、ちょっと感じが違うなあ、
と、われながら思います
これからの投稿は、現在製作した作品と、
ノートに書き溜めた、過去の作品を、
織り交ぜてやっていこうと思います。
by めれんげ
『極私的詩集の過去と現在』より
(2013年7月1日)
これがわたしの「今一つの世界」やと、あんさんは言わはるのォ~?
これは、めれちゃんの『極私的詩集』の1ページやん。
つまり、ライブドアでわたしが立ち上げた『極私的詩集』が、わたしの「今一つの世界」やと、あんさんは言わはるのォ~?
当然のことやと、わては思うでぇ~。。。 めれちゃん自身、次のように言うてるやないかいなァ。
この極私的詩集って、
2006年に、始めたんですよ。
で、ちょいっと読み返してみて思ったのが、
当初は、わたしの心が荒んでいたのか、
ずいぶん、荒々しい表現が目立ちます・・・
血に餓えているような、
怒りのオーラを身にまとっているような、
今とは、ちょっと感じが違うなあ、
と、われながら思います
めれちゃん自身、こないに言うてるねん。 つまり、その当時のめれちゃんの「今一つの世界」は“血に餓えているような、怒りのオーラを身にまとっているような、今とは、ちょっと感じが違う”世界やったのやがなァ。
わたしの言うた事をここで繰り返さんで欲しいわァ。
うん、うん、うん。。。 でもなァ~、めれちゃんの「今一つの世界」が2006年当時と今では変わったということが、わてにも解るでぇ~。。。
マジでぇ~。。。?
そうやァ~。。。 めれちゃんは次のように言うてるやないかいなァ。
幻想世界
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わたしは、この心が死ぬ度に祈った
世界を元に戻してくださいと
時間を元に戻してくださいと
ありえないことを本気で祈った
だけど世界は腐食し続けていった
そして幻想と化した世界が現れた
その世界は壊れることはないのだろう
しかし、その世界は精神に
異常をきたすための舞台装置だ
戯れ踊り狂っているうちに
時は加速するのだ
わたしはもう、そこにはいない
だから破れた幻想の請求書を
送ってくるのはやめてくれ
by めれんげ
July 01, 2013 20:44
『幻想世界』より
(2013年7月1日)
確かに、めれちゃんの「今一つの世界」は変わりつつあるねん。 そやけど、変わらないモノもあるねんでぇ~。。。
マジでぇ。。。?
そうやでぇ~。。。 めれちゃんは変わったと思っていても変わらないモノってあるねん。
たとえば。。。?
例えば次のような。。。
読書して怒られる
2006/05/11 14:16
子供のころから、
家にはたくさんの本がありました。
わたしは江戸川乱歩の少年探偵団を、
よく読んでいたのですが、
そのうち、飽き足らなくなったのか、
親が持っていた「江戸川乱歩全集」を、
愛読するようになりました。
しかし。
その全集には、
横尾忠則氏の挿絵がついていて、
えっちなんです。
なので、親には読んじゃダメと
言われていました。
(だったら、かくしといてくれ)
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わたしはこっそりかくれて、
そのえっちな江戸川乱歩の本を、
読んでいたのでした。
しょっちゅう見つかって、怒られました。
さらに。
印象的なのが
「チャタレイ夫人の恋人」です。
もちろん禁止本です。
禁止されたら、読むに決まってます。
・・・ませガキ。
・・・エロガキ。
by めれんげ
「めれんげの日記」
『だれかつっこみいれて!』より
(デンマン注:
このGOOの日記のサービスは
2009年に終了しました。)
『エロい文学少女』に掲載
(2007年4月11日)
乱歩先生や、横尾忠則、それに「チャタレイ夫人の恋人」の影響は、めれちゃんの心の奥深くに今でも眠っておるねんでぇ~。。。
そうやろかァ~。。。?
そうやねん。 変わらないモノってぇ、やっぱりあるねん。 例えば次ぎのめれちゃんの詩を読んで欲しい。
(すぐ下のページへ続く)