獲得された絶望感(盲人ウエカジ @ウエカジハローセンター 公式ブログ)

~網膜色素変性症と司法試験とモー娘。と全盲ヘルパー事業所と・・・~

ももち(嗣永桃子)の作文は泣ける。

2011-11-12 16:27:45 | モーニング娘。と私
 めちゃイケ、HEYHEYHEYやいいともやごきげんようで世間の注目を集めている「ももち」こと嗣永桃子。ももち結びという2つ結びがトレードマークの彼女。最近彼女を知ったという人も多いであろう。画面上の彼女はいつも笑顔、お笑いタレントに蹴られても首根っこつかまれて引きずられても常に笑顔。いわゆるぶりっ子キャラで今のご時世なかなか受け入れられないがそのキャラをひたむきに貫き通している彼女。

 彼女は、小学生のころモーニング娘の妹分オーデション(ハロプロキッズオーデション)に合格し、すぐに「仔犬ダンの物語」で映画主演デビュー。その後Berryz工房というアイドルグループを結成しはや8年。

 そんな彼女の作文。涙がでてくる。なぜももちが折れない心をもっているのかわかった気がする。


「お母さんの思いで」
 6年3組  嗣永桃子

 幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに私を育ててくれた。学もなく、技術もなかった 母は、個人商店の手伝いみたいな仕事で生計を立てていた。それでも当時住んでいた 土地は、まだ人情が残っていたので、何とか母子二人で質素に暮らしていけた。

 娯楽をする余裕なんてなく、日曜日は母の手作りの弁当を持って、近所の河原とかに 遊びに行っていた。給料をもらった次の日曜日には、クリームパンとコーラを買ってくれた。

 ある日、母が勤め先からモーニング娘。のコンサートチケットを2枚もらってきた。私は生まれて初めての モーニング娘。コンサートに興奮し、母はいつもより少しだけ豪華な弁当を作ってくれた。

 会場に着き、チケットを見せて入ろうとすると、係員に止められた。母がもらったのは 招待券ではなく優待券だった。チケット売り場で一人1000円ずつ払ってチケットを買わ なければいけないと言われ、帰りの電車賃くらいしか持っていなかった私たちは、外の ベンチで弁当を食べて帰った。

電車の中で無言の母に「楽しかったよ」と言ったら、 母は「母ちゃん、バカでごめんね」と言って涙を少しこぼした。

 私は母につらい思いをさせた貧乏と無学がとことん嫌になって、一生懸命にレッスンをした。 キッズオーディションに合格し、映画で主役も張った。ZYXにも選ばれ、母にCDデビューを見せて やることもできた。

 そんな母が去年の暮れに亡くなった。死ぬ前に一度だけ目を覚まし、思い出したように 「コンサートごめんね」と言った。私は「楽しかったよ」と言おうとしたが、最後まで声にならなかった。


コメント (8)
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