夏目漱石の小説「こころ」ではたしか主人公の友人が乃木大将の自殺をきっかけに自殺した話だと思う。ただし主人公はその友人の自殺は、青年時代に主人公が付き合っていた下宿屋の娘をその友人が横恋慕し横取りしたその自責の念からの自殺だと思い込む。そんな話だったように思う。
とかく論理的な人間は、結果にはかならずそれを引き起こした原因があると考える。高校時代こころを現国の授業で勉強した私。なぜ友人は自殺したのかの授業での問いかけに、私は過去に友人の恋人をめとった自責の念がそうさせたと答えた。その時は自身をもって答えたが、今思うとなんと短絡的な答えだったのだろう。
ひとつの結果にはひとつの原因があるのではなく、ひとつの結果にはさまざまな原因があわさっている。それを現国の教師は読み取らせたかったのだろう。
ただ、今あらためて思うと、友人の死の原因は何かと問われれば、今の私は乃木大将の自殺だと答える。
いまにもあふれんばかりの水が入ったコップに、ほんの一滴水をたらすだけでコップの水は溢れ出す。この場合、水をあふれさせたのは一滴の水ではなく、コップの中の水が原因だといううようなもの。やっぱりコップの水を溢れさせてのは一滴の水。lやはりこの一滴の水こそが重要である。
今日朝から会社に行き簡単に資料をまとめて昼前に会社を出て、久しぶりにスポーツジムに行った。1年ぶりにスポーツジム。以前いっていたジムは閉館になったのであたらしくできたジムに行った。おためし体験プランで会員にならず1575円はらっておためし体験。
体験プランは事前予約が必要とのことで昨日電話で予約した。網膜色素変性症な私デスペア。視野狭窄と視力低下が進行している私の目では、ジム内のトレーニングマシンがならんでいる間をぬって歩くのは困難。それで事前に弱視であり白杖を施設内でついていいかと確認。もし拒絶されたらどうしようかと不安になったが、一滴の水。
そして今日、体験コースにいった。受付で同意書にサイン。刺青がないこと、感染症にかかってないこと。この2点だった。もしここに身体障害者でないことの項目があったらどうしようかとおもったが、そんな同意事項はなかった。
それから3時間30ほどジム。まずは更衣室ロッカーにスタッフに手引きされて(肩をもたせてもらって)つれていってもらう。ロッカーの開け方かぎのかけかた、トイレの場所小便器の場所をおしえてもらう。トレーニングウェアに着替える私。ずっとスタッフが傍らで待機。実に申し訳ない。
それからトレーニングルームまで手引きしてもらい、ウォーキングマシンまでつれていってもらい操作方法をきき1時間歩く。1時間歩きますとスタッフにいっていたので、1時間したらスタッフがやってきた。汗もかいてなくものたりなかったので今度はエアロバイクを30分。スタッフに手引きされてまた手引きされる。今度一人でもマシンにたどりつけるようにトレーニングルームのレイアウトやマシンの配置を訪ねる私。
トレーニング終えて、お風呂。ロッカーまで手引きされて着替えをもって脱衣所へ手引きされる。脱衣所で服をぬぎ、傍らにはスタッフ。そのスタッフに手引きされて浴室内へ、浴室の入り口と蛇口の配置と浴槽の配置をおそわる。入口すぐ横に車いす用のシャワースペースもあるとのこと、車いす用シャワースペースがあるってことは障害者はジム会員になれない欠格事項ではないんだなとほっと一安心。
20分ほどして風呂からあがって脱衣場にもどると、スタッフの声。ずっと待っていてくれたようだった。実に申し訳ない。そのスタッフの前で服をぬぎ振り珍で手引きされる様子は見ようによっては毒ガス室に入れられる第二次世界大戦中のユダヤ人のようである。私もここでは恥ずかしさや屈辱感や劣等感を感じるかとおもったが、それはなかった。私の感情は申し訳ない。
ジムのお風呂の後はパンツ一丁になってドライヤー室で汗がひくのをじっと待つのが私のスタイルなのだが、その間もずっと傍らにはスタッフ。ホッと一息がつけない。誰かの貴重な時間をつかってまで私のわがままを聞いてもらうのは実に申し訳ない。
ドライヤー室からロッカーへ手引き。服をきる私。傍らにはスタッフ。着替えをすませて受付へ。アンケートと支配人面談があるとのこと。
支配人面談?。入会の意志がある場合は支配人面談があるらしい。あぁやっぱり障害者は好ましくない客なんだろうな。おそらく支店長からやんわりと入会を拒否されるだんろうなぁ。スタッフがアンケートの私に尋ねる。「入会の意志はおありですか?」
いや迷惑がかかりそうなのでやめときますと言おうとおもった私。ここで一滴の水。他の会員の迷惑でなければ入りたいとおもいます。
今日は支配人が不在ということで後日電話面談があるとのこと。スポーツジムをあとにしてバス停まで歩く私。10分もあるいて10分バスをまてば、ほてった体もすっかり冷え切った。道すがら考えた。今日のようにスタッフに終始手引きしてもらうことはできないな、かといってガイドヘルプ(同行援護)を申請するのは実に申し訳ない。生き返りあわせて5時間のガイドヘルプをおねがいすると8000円ほどかかる。1割は自己負担なのだがのこり7200円は税金。実に申し訳ない。一滴の水。
コップの水があふれた。私は決意した。障害者自立支援サービスのガイドヘルプ(同行援護)(手引きしてくれる福祉サービス)を申請しよう。月に2回程度ジムに通おう。ヘルパーさんに手引きしてもらってジムに行こう、マシンまでたどりつこう。
スポーツジムにいきたいのは、RPのため公道をランニングしたりウォーキングできなくなったため。健康管理のため、ストレス解消リフレッシュのため、土日会社にいく目を遅れる仕事をとりもどすためのほかにもうひとつ会社の近くのジムに通うという目的がほしいため。日曜はわが共同住宅は風呂がやすみのためどこかで風呂にはいりたいため、体を動かしたあとのあの体が鉛のように布団におちこむあの心地よい疲労感のため、そんな理由がたくさんたまってコップの水をいっぱいにする。
しかしそれだけでは私はスポーツジムになどいこうとはおもわない、ましてやわざわざ人の助けをかりてガイドヘルプなど申し込まない。
私の一滴の水は、スポーツジムで着るトレーニングウェアとして、原色のきらびやかなメンバーカラーのヲタTを着たいというその気持ち。
はたから見れば、乃木大将の自殺もヲタTをジムで着たいというのも結果に影響をあたえるような原因にはなりえないとおもうだろうが、でもやっぱりこころの友人にとっては乃木大将の死が自らの死の原因だし、私にとってはヲタTがガイドヘルプを申請する原因である。
川v)<RPが悪化したからガイドヘルプなしではジム通いができなくなっただけでしょwwww
今、読んでいる本
「ライオンハート」(恩田陸)、はじめのエリザベスを宮本佳林に脳内変換して読む私。
とかく論理的な人間は、結果にはかならずそれを引き起こした原因があると考える。高校時代こころを現国の授業で勉強した私。なぜ友人は自殺したのかの授業での問いかけに、私は過去に友人の恋人をめとった自責の念がそうさせたと答えた。その時は自身をもって答えたが、今思うとなんと短絡的な答えだったのだろう。
ひとつの結果にはひとつの原因があるのではなく、ひとつの結果にはさまざまな原因があわさっている。それを現国の教師は読み取らせたかったのだろう。
ただ、今あらためて思うと、友人の死の原因は何かと問われれば、今の私は乃木大将の自殺だと答える。
いまにもあふれんばかりの水が入ったコップに、ほんの一滴水をたらすだけでコップの水は溢れ出す。この場合、水をあふれさせたのは一滴の水ではなく、コップの中の水が原因だといううようなもの。やっぱりコップの水を溢れさせてのは一滴の水。lやはりこの一滴の水こそが重要である。
今日朝から会社に行き簡単に資料をまとめて昼前に会社を出て、久しぶりにスポーツジムに行った。1年ぶりにスポーツジム。以前いっていたジムは閉館になったのであたらしくできたジムに行った。おためし体験プランで会員にならず1575円はらっておためし体験。
体験プランは事前予約が必要とのことで昨日電話で予約した。網膜色素変性症な私デスペア。視野狭窄と視力低下が進行している私の目では、ジム内のトレーニングマシンがならんでいる間をぬって歩くのは困難。それで事前に弱視であり白杖を施設内でついていいかと確認。もし拒絶されたらどうしようかと不安になったが、一滴の水。
そして今日、体験コースにいった。受付で同意書にサイン。刺青がないこと、感染症にかかってないこと。この2点だった。もしここに身体障害者でないことの項目があったらどうしようかとおもったが、そんな同意事項はなかった。
それから3時間30ほどジム。まずは更衣室ロッカーにスタッフに手引きされて(肩をもたせてもらって)つれていってもらう。ロッカーの開け方かぎのかけかた、トイレの場所小便器の場所をおしえてもらう。トレーニングウェアに着替える私。ずっとスタッフが傍らで待機。実に申し訳ない。
それからトレーニングルームまで手引きしてもらい、ウォーキングマシンまでつれていってもらい操作方法をきき1時間歩く。1時間歩きますとスタッフにいっていたので、1時間したらスタッフがやってきた。汗もかいてなくものたりなかったので今度はエアロバイクを30分。スタッフに手引きされてまた手引きされる。今度一人でもマシンにたどりつけるようにトレーニングルームのレイアウトやマシンの配置を訪ねる私。
トレーニング終えて、お風呂。ロッカーまで手引きされて着替えをもって脱衣所へ手引きされる。脱衣所で服をぬぎ、傍らにはスタッフ。そのスタッフに手引きされて浴室内へ、浴室の入り口と蛇口の配置と浴槽の配置をおそわる。入口すぐ横に車いす用のシャワースペースもあるとのこと、車いす用シャワースペースがあるってことは障害者はジム会員になれない欠格事項ではないんだなとほっと一安心。
20分ほどして風呂からあがって脱衣場にもどると、スタッフの声。ずっと待っていてくれたようだった。実に申し訳ない。そのスタッフの前で服をぬぎ振り珍で手引きされる様子は見ようによっては毒ガス室に入れられる第二次世界大戦中のユダヤ人のようである。私もここでは恥ずかしさや屈辱感や劣等感を感じるかとおもったが、それはなかった。私の感情は申し訳ない。
ジムのお風呂の後はパンツ一丁になってドライヤー室で汗がひくのをじっと待つのが私のスタイルなのだが、その間もずっと傍らにはスタッフ。ホッと一息がつけない。誰かの貴重な時間をつかってまで私のわがままを聞いてもらうのは実に申し訳ない。
ドライヤー室からロッカーへ手引き。服をきる私。傍らにはスタッフ。着替えをすませて受付へ。アンケートと支配人面談があるとのこと。
支配人面談?。入会の意志がある場合は支配人面談があるらしい。あぁやっぱり障害者は好ましくない客なんだろうな。おそらく支店長からやんわりと入会を拒否されるだんろうなぁ。スタッフがアンケートの私に尋ねる。「入会の意志はおありですか?」
いや迷惑がかかりそうなのでやめときますと言おうとおもった私。ここで一滴の水。他の会員の迷惑でなければ入りたいとおもいます。
今日は支配人が不在ということで後日電話面談があるとのこと。スポーツジムをあとにしてバス停まで歩く私。10分もあるいて10分バスをまてば、ほてった体もすっかり冷え切った。道すがら考えた。今日のようにスタッフに終始手引きしてもらうことはできないな、かといってガイドヘルプ(同行援護)を申請するのは実に申し訳ない。生き返りあわせて5時間のガイドヘルプをおねがいすると8000円ほどかかる。1割は自己負担なのだがのこり7200円は税金。実に申し訳ない。一滴の水。
コップの水があふれた。私は決意した。障害者自立支援サービスのガイドヘルプ(同行援護)(手引きしてくれる福祉サービス)を申請しよう。月に2回程度ジムに通おう。ヘルパーさんに手引きしてもらってジムに行こう、マシンまでたどりつこう。
スポーツジムにいきたいのは、RPのため公道をランニングしたりウォーキングできなくなったため。健康管理のため、ストレス解消リフレッシュのため、土日会社にいく目を遅れる仕事をとりもどすためのほかにもうひとつ会社の近くのジムに通うという目的がほしいため。日曜はわが共同住宅は風呂がやすみのためどこかで風呂にはいりたいため、体を動かしたあとのあの体が鉛のように布団におちこむあの心地よい疲労感のため、そんな理由がたくさんたまってコップの水をいっぱいにする。
しかしそれだけでは私はスポーツジムになどいこうとはおもわない、ましてやわざわざ人の助けをかりてガイドヘルプなど申し込まない。
私の一滴の水は、スポーツジムで着るトレーニングウェアとして、原色のきらびやかなメンバーカラーのヲタTを着たいというその気持ち。
はたから見れば、乃木大将の自殺もヲタTをジムで着たいというのも結果に影響をあたえるような原因にはなりえないとおもうだろうが、でもやっぱりこころの友人にとっては乃木大将の死が自らの死の原因だし、私にとってはヲタTがガイドヘルプを申請する原因である。
川v)<RPが悪化したからガイドヘルプなしではジム通いができなくなっただけでしょwwww
今、読んでいる本
「ライオンハート」(恩田陸)、はじめのエリザベスを宮本佳林に脳内変換して読む私。