1つ下の記事を書いていて、その後ふと思いだしたことがありました。。。
その~、うちの実家の隣に住んでるお兄さんが、そういえば今でいう引きこもりだったなと思ったというか。
割とまわりは一軒家に囲まれてるといったような感じなんですけど、そのお兄さんのことを特に誰もなんとも思ってなかったと思います。ただ、隣に住んでるというだけでも、「いつでもずっと家にいるみたい」っていうことだけは、一応隣近所のみなさんにもわかるというそれだけ。うちはというか、そのあたり一帯、町内会というものはあれども、濃い人づきあいみたいなものは一切ないという環境でした。
わたしの母などは、そのお宅に回覧板を届ける時などにそのおうちのお母さんと話したことはあったらしいんですけど、べつに「なんでずっと家にいるのかしらね。働けばいいのに」みたいには一度も言ったことなかったと思います(何故といって、全然親しくもない人んちのことだから・笑)。
でも、自分の家のことは当然別です。うちには兄がいるんですけど、友達も多くて社交的な性格、成績もいい優等生タイプだったんですよね。ところが、社会人になって働きはじめた頃から様子が少しおかしくなって、簡単にいうと買い物依存症になり、借金が出来てしまったわけです。わたし、前にギャンブル依存症の方のことや、アルコール依存症、麻薬依存症の方のことは本当の意味ではわからないと思う、でもそれに類するものは自分にもあるという意味ではわかる……みたいにどっかに書いたような気がします。
ただ、ちょっとわかることとして、父が依存症ではない健全なタイプのギャンブル好き、お酒大好き――といった人なので、「ちょっと間違えるとギャンブル依存症に」とか、「アルコール依存症に」といったことは、一応わかるんですよね。アルコール依存症の方に酒やめろと言ったところで、それは簡単にやめることは出来ない、といったようなことは。
それで、大学を出て割といいところに就職した兄が、のちに買い物依存症とわかった時、それまでの兄とは性格がちょっと違ってしまった、ということがあって。兄はすごく尊敬できるいい人だったのですが、何かこう、どうでもいいことについてまでよく嘘をつくようになり、買い物依存症なので、自分の収入を越えて借金まであるのに、さらに自分の欲しいものを買う、という悪循環に嵌まってしまったわけです。
わたしも母も、「あの優しい兄が」という感じで、すぐに買い物依存症という言葉は思い浮かびませんでした。一応、テレビや本などでそうした話を聞いたことがあっても、「まさかうちの兄に限って絶対ありえない」みたいな感じだったと思います。
それで、その間の兄というのは、とにかく何を言っても無駄というか、無意味なんですよね。わたしは妹だし、一度か二度「お金貸して」と言われて貸したことはあっても、一万とか五千円とか、そんなに大きな額でもなく。ただ、母は心配で、色々言ったみたいなんですよね。でも、そういう説教というか、言われたくないことを言われる時のみならず、普段話していても何かこう、様子がちょっとおかしいわけです。水分をたっぷり吸ったスポンジに兄が包まれていて、その水分が抜けない限り、こっちの言ってることは本当の意味では一切届かないだろう……みたいな顔つきと目つき、それに話し方、といったような感じ。
その後、テレビでギャンブル依存症で家族が背負い切れない借金まで背負い、住んでいた家も土地も売った――みたいなドキュメンタリーを見たことがあったんですけど、その時に扱われていたケースとすごくよく似てました。つまり、兄はギャンブル依存症ではなかったにしても、「嘘をついてでもお金を借りようとする」、「いくらそのことで説教しても無駄だし無意味」、「家族の息子のために叱っている言葉が一切届いてなくて馬耳東風」、「その時のムッとした目つきや顔つき」……といったものは、兄とまったく同じように共通したものでした。
なんていうか、引きこもりにもこのあたりは少し共通しているところがあると思ったというか。借金はなかったとしても、「いくらそのことで説教しても無駄だし無意味」、「家族がそのことでどんなに説教しても馬耳東風」、「スポンジの水分に阻まれて、こっちが何を言っても一切無効化状態」みたいな感じとか――割と一緒じゃないかなと思ったりしました。
ただ、引きこもりも買い物依存症も、今の時代誰もが一般的になる可能性の高いものなんですよね。たとえば、息子さんや娘さんがスマートフォンを自分で持ちだしたり、あるいは社会人になってクレジットカードを作って以降、びっくりするようなスマホの料金を支払うことになり、叱ったことがあるという親御さんは多いと思うし、インターネットショッピングで、何かの品物をどうしても買わずにいられないという経験って、誰もが一度は通ることのような気がします。
それがあくまで軽度のもので、推しの何がしかのアイテムが表示されるとつい買ってしまう……とか、健全な収入の範囲内であればいいとしても、女性だったらファッションやコスメに嵌まるという場合も多いと思いますし、脱毛やエステ系の契約トラブルも多いと聞いたことがあります。
わたしも、人から話を聞いていて、やっぱり服とか、一度そうしたサイトから購入すると、宣伝広告みたいのがブラウザのどこかに表示されるって、ほんとにしつこいくらいしょっちゅうありますよね。それで、やっぱりファッション好きの方だったりすると、必要のないものまでつい買っちゃうとか、届いてみると、「なんでこれ買った自分?」っていうことまであるっていうんですよね。つまり、ネットで見てその時は「いいな」と思い、ついポチッ☆としてしまうものの、今度はそれが届くのを受け取るのがウザくなる……つまり、脳の中で「これいいな」と、それをゲットする時のポチリがときめきの頂点であって、本当に欲しいものだったら届いた時にも喜びがあり、いつ届くかと思って待っているものの――受け取りウザ☆が生じる方の場合は、たぶんちょっとネットショッピングについてはよくよく注意したほうがいいかもしれません。
わたしの場合、服に興味はなかったとしても、他に心当たりあるので、「そうなんだよねー、気持ちわかる」と思うし、特に若い方の場合だったら、今の時代はこれ、必ず通るっていうんですよ。つまり、最低一度くらいはスマートフォンの課金なり、クレジットカードで作った借金なりで、親御さんに立て替えてもらう、という。
それで、親御さんとしては当然ながら「これに懲りて息子/娘も反省するだろう」……と思うわけですけど、本人は案外全然だったりします。もちろん、その時は反省しているし、言葉としても「もう二度とこんなことしないから。ほんとにごめんね」みたいな言葉も出る。でも、中にはやっぱり繰り返す方も多いわけです。本人はたぶん、最初は「このくらいならまだ大丈夫」とか、「借金が悪いんじゃなくて、返せる範囲を越えるのがダメなんだから、そこを注意すれば」など、最初の入口はたぶんそんな感じで、その後ハッと気づくとまたしても借金が増えていき、親にも言いづらいなと思っていたらびっくりするような金額に、とか。。。
ええと、うちの兄の場合も、やっぱり借金のほうは一度親というか、祖母が肩代わりしたんですよね。八十万円とか百万円とかそのくらい。わたし、あとからそれ聞かされたので、その時には「えっ、お母さん、それ失敗だよ。なんでそんなことしたの」と思ったものの、特に何も言いませんでした。でもやっぱりその後、兄はまた借金を作ってしまい、家から出ていくことになったというか。
いえ、兄が出て行ったのは、自分の意志であったとはいえ、のちに本人が手紙に書いてきたことによると、母に借金のことで色々言われるのが一番嫌だった、ということなんですよね。かといって、妹のわたしの目から見ると、言わずにいられない母の気持ちのほうがよくわかる、という感じではありました。でも、確かに兄にしてみれば、母にそのつもりはなくとも「家から出ていけと言われているにも等しい圧力」が強くかかっていたのが、兄が当時出ていった理由だったと思います。
その~、うちの兄の場合は、そもそも性格からして人と関わるのが好きなほうで、外交的な性格だったから良かったのかもしれない……と思ったりします。つまり、借金が増えてしまったのも、人にいい顔をしてしまうあまり、買わなくていいものまで買ってたりしたからなんですよね。だから、その後職を転々としたりして、兄も苦労したと思うんですけど、うちに篭もって悶々として自殺を考えるといったタイプでもなく、とにかく外に出て何かをするのが好きで、そのせいでお金を使ってしまう、というか。
兄は現在は立ち直って、結婚して子供もいるんですけど、立派な人だなあと思っています。でも、当時は借金もあるのに家から出ていって独り暮らしするにもお金がかかる、そんな形で大丈夫なんだろうか……という感じでした。でも、それと同時に出ていった気持ちもすごくよくわかるわけです。なんでかっていうと、その原因が借金でも引きこもりでも、「なんとなく家にいずらくさせるプレッシャー」って、ほぼ同一のものだからです。
大抵の方は、兄と同じく家族からかかるこのプレッシャーに負けて、とりあえずせめてもアルバイトだけでも、という形で働き、それでもダメでまた引きこもったり、でもそうなるとまた家族間の空気が悪くなって、そこで目に見えないプレッシャーがかかり、思い切って家から出ていく……でも、やっぱり働いたり出来なくて借金が出来た、そこでまた家族と喧嘩になったなど、引きこもりのケースは様々と思います。
それで、ですね。わたし、隣の家のお兄さんの家族はどうだったんだろうか……と、ふと思ったわけです。家族構成のほうは、お父さんとお母さんとその息子さんの三人で、何かこう家族で口論になってる場面とか、そういうのは一度も見たことがありません。でも、そんなの向こうだって、うちで家族が喧嘩しててもわからないようなもので、実際はどうなのかはわからない。でも、御両親が割と息子さんの引きこもり状態を容認してるように見えたわけです。お父さんのほうは養護学校の先生で、お母さんが専業主婦として家事のすべてをやってるような感じだったのかなと思います。息子さん自身は全然引きこもりそうに見えない容貌で、なんならむしろちょっと格好いい感じですらあり、むしろそれであればこそ「なんで働いてないんだろう」みたいに、世間が不思議に感じる雰囲気でなかったかと思います。
それで、何年か前に母がふと「そういえば、隣の家の△○のお父さん、亡くなったんだよね」と話していたことがあって。「息子さんはずっと引きこもってるけど、お母さんが病気らしいんだよね。だから、病院に連れてあげていったりしてるんじゃない」ということでした。
なんていうか、この△○さんのお宅のことで、わたし自身が一番印象に残ってるのが実は「すこく平和そうに見えた」ってことなんですよ。家族内で誰かが引きこもってると、まず間違いなく家の雰囲気は悪くなるし、大抵はそこで生じるプレッシャーに負け、本人は働こうとする努力をするなり、家から出ていくなりなんなりしなきゃいけないわけですよね。
でも、このお兄さんの場合は、近所の人たちは「引きこもってるらしいけど……」くらいのことはわかっていても、「人んちのことだからね」みたいな感じで、噂話ひとつする人は近所に誰もいなかったと思います。他に誰かその、親戚の人がお節介を焼いて説教していく――といったような人づきあいがあったようにも見えず、とにかく△○さんの家のまわりだけ、平和な感じに見えました、とりあえずわたしの目には。
たぶん、「ひとり息子だったから」ということもあって、これで兄弟姉妹がいると、そことの比較やそちら側でも出来る親戚関係などもあって、そこでまた問題が起きてきたりすると思うんですけど、本当に何かこう……家の前に他の車が停まっていて、誰か遊びに来てるらしいとか、そういう気配をほとんど感じたことがなかったのです。以前引きこもりの調査アンケートみたいなもので、親御さんは何を一番心配しているかというと、「うちの子はこのまま引きこもりで、自分が死んだあとはどうなるんだろう」と、そのことを一番心配している、というのがトップだったと記憶してます。ところが、引きこもってる側の息子さんなどは親の死後のことを心配している人というのは全然いなかった。おそらく、それならそれで、親御さんの所有している資産を処分する、あるいは生活保護を受ける、最悪自分も死ねばいい……などの覚悟があってのことなのかどうか、そこのところはわかりません。でも、隣の家のお兄さんの家に限っていえば、お母さんの介護などをして、たぶん彼ひとりが亡くなるくらいまでは誰にも迷惑をかけない資産が家にもあるってことなんですよね。
「家族にも近所の人にも何も言われなかったとしても、ずっと引きこもっていて、そんな生活寂しいじゃない」と思う方も多いかもしれない。でも、お母さんが近所の仲のいい人に「うちの息子、引きこもってて大変なんだわ~」としゃべったり、親戚のおじさんがやって来て的外れの説教をしていったことなどが、本人に幻聴が聞こえるようになるきっかけである場合もあるので、△○家の場合においては、わたし自身はなんだか羨ましいような感じさえする、と思ったというか。
引きこもりに関しては、ずっと引きこもっていて、本人が突然「就職する」と言いだしたため、両親が驚いていたところ、その後家を出て会社の寮へ入るというのを見送ってから――遠く離れた土地で自殺した、ということが本当にあるので、すごく難しい問題とは思います(何がなんでも無理矢理にでも働かせれば解決するわけではない、という意味で)。この家の場合は両親とも、息子さんがずっと自分のなりたいもののために勉強していたので、それを家族も応援している感じだったんですよね。「自分のなりたいもののためなら、アルバイトしながら勉強すればいい」とか、意見は色々あると思うんですけど、結局その時から本人にはわかっていたのではないかという気がします……普通に働けないとわかっているから、なりたいもののために勉強していると言ってはいるものの、その口実に限界を感じた時に本人は自殺を決めたのではないかと、そう思うからです。
なので、本当に色々なケースがあって、「これが正解」みたいな答えは絶対にないと思うんですけど、何かの参考になる方がいらっしゃるかもしれないと思い、ちょっと書いてみることにしました。。。
それではまた~!!
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