読む日々

テーマばらばらの読書日記

絵本2冊

2010-07-17 | 絵本
返す前に覚書程度に。

「ふうせんクジラ」わたなべゆういち作・絵

みなとの祭りで海に踊る風船を、母鯨が止めるのも聞かずの大量に飲みこんだ子クジラのボン。体が浮き上がって、野を越え山越え街まで流されていきます。サッカー場でボールがお腹にあたり風船が口から飛び出て不時着。トレーラーに乗せられて母の待つ海へ帰るお話。

絵がとってもいいです。街の様子なんかも細かく描かれていて。子供も喜んで自分で読んでいました。2年生位にはちょうどいい分量かな。

満足度80

「木の実のけんか」岩城範枝 文/片山 健 絵

子供向けにしては難しいなあ、と読み進め、あとがきまで読んでみたら、狂言の「菓争」(このみあらそい)を下敷きにした物語とのこと。

吉野の桜に感動した「橘」の実が、仲間を引き連れて花見をしていたところ、この山に住む「栗」の実が怒って妨害、「橘族」VS「栗梨族」が戦います。最後は桜が怒っておしまい。

和歌が出てきたり、ためになりますが、低学年にはボリュームがありすぎかな。

満足度70

とむらう女

2010-07-17 | 絵本
ロレッタ・エルスワース著/代田亜香子 訳「とむらう女」。

アメリカのヤングアダルト小説です。19世紀のアメリカ・ミネソタ州に住むドイツ系移民の家族が主人公。中心は10才のイーヴイ。妹のメイは5才。

少し前、優しかった母親が病気てなくなり、子供たちの面倒をみるために父親の姉であるフローおばさんがイーヴイ達の家にやってくるところから始まる物語。

このおばさんが「とむらい師」という、死者を綺麗にして納棺する、映画「おくり人」のような仕事をする人。

母親が恋しいイーヴイは、メイが簡単におばさんに懐いてしまった事もあって大反感を抱き、思春期の入り口ということもあって感情がゴチャゴチャしてことごとく伯母さんに反発します。「とむらい師」という職業も怪しいし・・。でも、おばさんの、子供たちに接する態度が本当に素晴らしい!子供の気持ちに寄り添い、何事も押し付けず優しく見守ります。だんだん心を開いていったイーヴイは、おばさんの仕事に興味を持ち、ある日付き添います。

そこで初めて作中でもおばさんの仕事の詳細が明かされます。想像すると怖いなあ、と思ったけど、読んでみると素晴らしい仕事に思えてくるから不思議。

先日読んだ「花まんま」の中に、死にかけて苦しんでる人をスムーズに死なせてやる呪文を代々受け継ぐ「言霊」という短編があったけど、最初、そのような職業をイメージしてました。伯母と姪だし、代々受け継ぐ家系ってあたりがそっくりで。

で こちらはホラー小説ではないので、実際にあった仕事でした。ヤングアダルトでこんな職業が出てくるなんて凄いと思います。でもテーマは少女の心の成長です。あと、当時のアメリカの人々の暮らしぶりがリアルで(にんじんケーキとか作ってみたい!)大草原の小さな家っぽい空気が好きな人は、その辺も少し楽しめるかもしれません

うちの子には まだ早いけど、忘れなかったら2~3年後の読ませてみたい本です。

満足度90