読む日々

テーマばらばらの読書日記

いちげんさん

2010-07-22 | 
デビット・ゾペティ「いちげんさん」。

スイス出身の作家さんで、日本語で小説を書いているとのこと。

自分自身が「僕」のモデルかな?京都の大学に留学して日本文学を学ぶ主人公。そして盲目の「京子」の家へ対面朗読をしに通ううちに二人は恋に落ちますが、京都というあまりにも人も環境も日本的な閉塞感に耐え切れず、僕はどこかへ行こうと決意、京子も東京で就職が決まって別れる物語。

いやー、何が良かったかって言ったら、この「僕」が私と同じ性質なこと。その部分を引用してみます(いいのかな)

昔から本を読むのが好きだった・・略・・読書が純粋に好きだった。子供の頃から本ばかり読んでいた。手当たり次第に新しい本をいろいろと見つけてきて、片っ端から次々と読んでいった。いくら読んでも、いつも本に飢えていた。・・・略・・・しかし、その過剰消費的な読書は決して勉強になるようなものではなかった。本を読み終えた途端に具体的な内容は記憶から消え失せ、僕の心には作品の感動と雰囲気といった漠然としたものしか残らなかった。

私と同じだ~、と、ここで一番感動しました

ストーリー自体も読みやすく、感情移入もできておもしろかったです。10年以上前に映画化された作品なんですね。鈴木保奈美が京子役で。

満足度80