小池真理子「存在の美しい哀しみ」
1歳の息子を置いて離婚し、すぐに再婚した母。
その母から20歳の時に「異父兄がいる」と告げられた娘。
母が亡くなり、どうしても兄に会ってみたくなった榛名は、兄の居場所を調べ、プラハへ。
ガイドとして兄を雇い、会えたことに満足して帰国するつもり。
母の周囲の人を通し、母の姿、離婚の理由が描かれ、最後、何かを察した兄が、プラハに次にウィーンへ立ち寄るという榛名を追って行く。
ものすっごくいいお話でした。
それぞれの立場立場で語られる家族の姿や人間関係に泣かされる。
ラスト近くの榛名の言葉「ずっとずっと母は聡さんのことを気にかけて生きてきたんだと思う。忘れたことなんか、一日もなかったと思う。どんなにつらかっただろう、って思います。」「私は・・母の代わりにプラハに来て、聡さんと会ったような気がしています」に号泣。
いや、これだけ読めばありきたりの言葉に思えるかもしれませんが、そこに至る道筋がね・・・
とにかくオススメです。
満足度200