読む日々

テーマばらばらの読書日記

四色の藍

2013-10-25 | 
西條奈加「四色の藍」

よしきのあい
と読みます。


藍染めの紫屋のおかみは、夫を殺され、犯人探しをしたいた。
東雲屋という、両替商を真犯人と目論み、証拠を探すべく協力者を集めていた。

東雲屋に仕えるヤクザ者の元妻、お唄。せんたく女として東雲屋にも通うおばば、おくめ。

そこへ、阿波の国から、東雲屋に隠れてると思われる兄の仇を追い。江戸に出てきた、男装した武家の娘、伊織(本名 伊予)が加わり、女4人の見事な活躍とそれぞれの事情、恋が語られる。

いや~、真犯人にびっくりしたぁ。
でも、展開も結末も驚いたけどよかった。伊予が幸せになれそうで、それもいい。

国許のゴタゴタぶりの描きかたは、諸田さん、宇江佐さんなんかには敵わなそうだけど、でも人の心の動きとか、深い感じがしました。

満足度95

燃ゆる樹影

2013-10-24 | 
藤田宜永「燃ゆる樹影」

主人公は樹木医の沢村。

若いころ、私立高校の教師をし、先輩の妹で教え子でもある美枝子と付き合い、痛いわかれを経験。子連れの女性と結婚し、父の造園業を継いで、会社は娘婿に任せ自分は樹木医に。

サラ金の社長の紹介で、上諏訪の公民館のマツを手掛けることに。
以前からサイトを通じ仲良くなっていた若い女性が上諏訪で入院したので見舞いに訪れる。
その子の母親がかつて付き合っていた美枝子。

沢村が母親の元恋人と知っていて引き合わせた陽子。

焼けぼっくいに火、の様子と、そこに絡むサラ金の社長や娘。
大人の恋は大変だ~。

ラストは日常に戻りつつも、陽子の病気の再発と、彼女が大事にしてたしだれ桜の終焉。これが燃ゆる樹影、ってこと。

ストーリーも設定も過去も今も、なんの破綻もなく完璧な物語に思えました。映像化希望!

満足度100

グラウンドの空

2013-10-23 | 
あさのあつこ「グラウンドの空」

少年と野球、作者の王道だ!

田舎町(たぶん岡山の)で野球する中学生の瑞希、良治は、ピッチャーを探していて、そこに、都会で傷つき祖母の元へ身を寄せる透哉が越してくる。

まさにピッチャー、な透哉だけど、あまりに繊細で。

その彼を動かしたのは、真摯に野球に向かう瑞希の熱い思いだった。

っていう、内容も王道でした。

途中泣けたりもしたんだけど、でも、この展開はバッテリーで充分かなぁ。

ってことで満足度70

もしかして児童書なのかも。
バッテリーの短めバージョン。

僕らのごはんは明日で待ってる

2013-10-22 | 
瀬尾まいこ「僕らのごはんは明日で待ってる」


一組のカップルの始まりから、結婚後まで。

中学3年で兄を亡くした葉山が、高校3年で、クラスメイトの上村という女子から、たそがれの世界から現実に引っ張りあげてもらう「米袋が明日を開く」

ラブラブな大学時代の「水をためれば何かがわかる」なんか、葉山がツアーでタイに旅行する話。

上村の祖母に交際を反対され突然の別れと、太陽のように明るい、普通の女の子との普通のおつきあいを描く「僕が破れるいくつかのこと」

結局よりを戻し結婚するが、上村に病が発覚する「僕らのごはんは明日で待ってる」

じんわり泣けます。でも私は健全なえみりちゃんが好きだな。

満足度80

早い・・

2013-10-22 | 
作家の連城三紀彦さんがお亡くなりになったそうです。

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20131022k0000m040133000c.html

65才って、まだ若い・・。

25年位前、よく読んでました。
だんだん、ややこしすぎる設定や必ずおきるドンデン返しのさらにドンデン返しみたいなのに疲れてだんだん離れちゃったけど。
でも、オトナの世界~って感じで好きでした。

得度されてたのは知ってたけど、お母様の介護で作品の発表がまれだったのは初めて知りました。
残念です。