まだまだ足の力や腕の力、
体を支える力も弱いので、
移動するときは、
家の中で歩行器をつかっているスーちゃん。
ちょっとした移動程度なら、
後ろから体を羽交い締めにしながら
手助けをしてあげている。
そんなふうに母親を抱いたのは、
何年振り、いや何10年ぶりだろう。
小学校にも行く前だったやろなあ。
全然記憶にもないくらい
遠い昔のことだ。
きっと、
姉と大きく年も離れて、
一人っ子みたいに育って、
甘えん坊だったわしには
スーちゃんも手を焼いたに違いない。
それが今は、
逆にわしが手を焼く番になっている。
まったく因果応報、
「親の因果が子に報い~」
ってやつだ。
それにしてもお袋って
こんなに小さかったかなあって思いながら、
体を支えるのだが、
そのくせ意外にプヨプヨしていて、
フニャフニャしていて、
力の入れ加減が難しい。
間近で嗅ぐお袋の香りも、
遠い遠い昔に嗅いだことがあるような
ないような。
介護をしながら
記憶の脳細胞の隙間を
発掘しているような気分だ。
男の介護ってそんなもんだろう。
育てられ、
生かされてきたのに、
一人で大きくなったような
顔をしている自分がいることに、
親の介護の甘い香りの中で気がつくのだね~。
体を支える力も弱いので、
移動するときは、
家の中で歩行器をつかっているスーちゃん。
ちょっとした移動程度なら、
後ろから体を羽交い締めにしながら
手助けをしてあげている。
そんなふうに母親を抱いたのは、
何年振り、いや何10年ぶりだろう。

小学校にも行く前だったやろなあ。
全然記憶にもないくらい
遠い昔のことだ。
きっと、
姉と大きく年も離れて、
一人っ子みたいに育って、
甘えん坊だったわしには
スーちゃんも手を焼いたに違いない。

それが今は、
逆にわしが手を焼く番になっている。
まったく因果応報、
「親の因果が子に報い~」
ってやつだ。

それにしてもお袋って
こんなに小さかったかなあって思いながら、
体を支えるのだが、
そのくせ意外にプヨプヨしていて、
フニャフニャしていて、
力の入れ加減が難しい。

間近で嗅ぐお袋の香りも、
遠い遠い昔に嗅いだことがあるような
ないような。
介護をしながら
記憶の脳細胞の隙間を
発掘しているような気分だ。
男の介護ってそんなもんだろう。
育てられ、
生かされてきたのに、
一人で大きくなったような
顔をしている自分がいることに、
親の介護の甘い香りの中で気がつくのだね~。
