自分で言うのもなんだが
doironは結構毎日戦っている。
仕事と戦い
社会と戦い
介護と戦い
生活と戦い
そして
自分と戦っている。
みんなそうなんだろうが、
やはり自分のことは
自分が一番感じるものである。
今日はそんな戦いの中で
つかの間の休息とも言うべき
出来事がひとつあった。
それは、スーちゃんのことだ。
仕事と戦い、自分ともいっぱい戦い、
帰ってきたときのことだ。
奥さんも今日は遅くなるので
家のことをしているときに
スーちゃんがポツンと言った。
「今日は一人でデイから帰ってきてん」
だと。
やばい、スーちゃんが数キロも
離れた施設から一人で
帰ってこれるわけがない。
これはいよいよやばいことに
なってきたか、と
昼間の戦いで
ヘロヘロになった頭で
考えた。
よくよく話を聞いてみると
今日は親父の検診日で、
帰ってくるのが遅くなってしまったので
結局、送ってもらったデイの人に
玄関の鍵を開けてもらい
そこから一人で
巣と化している応接まで
一人で歩いていって
親父の帰りを待っていたんだという。
なんや、施設からとぼとぼ歩いて
一人で帰ってきたんではなく
送ってもらった玄関先から
一人で部屋まで行っただけのことでした。
でも、これってすごい進歩なんです。
こういうことが出来れば、
料理や掃除や洗濯以外の
自分のことは自分でできるって
ことなんです。
一年前に
僕の名前も思い出せなかったときと比べたら
雲泥の差
スーちゃんもしっかり
自分とそして病気と
闘い続けた成果なんですねえ。
「えらかったなあ」と
まるで犬の頭をなぜるように
ほめて上げたかったです。
ま、それは大げさですが、
戦いの日々の中で
ホンのつかの間を過ごした
休息のような気持ちで
その話を聞きました。
これで、doironたちが
仕事で戦っているときでも
安心して親父も
自分の時間を過ごせるしね。
なによりスーちゃんの
自信にもつながっていくってもんさ。
世間ではほんの当たり前のことが
こんなにうれしいなんて、
幸せって一体何なんですかねえ。