今日、突然、60数発のミサイルがシリアの軍事施設に向けて発射されたという。トランプ氏は、子どもがサリンの被害にあったことに非難し、自分の発した命令を正当化した。しかし、そんな理屈は通らない。「やられたらやり返す。」は一面の真理をついているとは思うが、別にトランプ氏や合衆国がやられたわけではないだろう。やられたらやり返すは、全く子どものけんかの範疇、とても国の指導者の判断とは言いかねる。文明人は暴力を振るって解決するのではなく、法の裁きに基づいて解決を図るものだ。
サリン事件が発生したとき、トランプ氏はすぐさま文明世界はこんなことは許さないと厳しく非難する声明を発した。何の前触れもなく、不意打ちで、他国に60発以上のミサイルを撃ち込む。標的となった軍事施設にだって、人はいるのだ。当然、多くの人が死亡したことだろう。サリンの被害にあった子どもも、今回のミサイル攻撃の被害にあったと思われる軍関係者も同じ「人」であるには違いない。今回のサリン事件以上の被害が出たかもしれないではないか!こんな行為は非常に野蛮で、かつ、卑怯な行為と言わざるを得ない。トランプ氏が発した声明をそのままトランプ氏に返したい。
安倍首相は、すぐさまトランプ氏の行為を支持するとの声明を出したようだ。日本人は、かつて、戦いに際して、名を名乗って、果し合いを正々堂々としてきた。闇討ちや不意打ちは卑怯な手としてさげすまれ、非難されてきた。それが侍魂というものだと思うし、日本人の精神の根底に流れるものだ。それら日本の伝統、精神を無視して、「野蛮で、かつ、卑怯者」のトランプ氏を支持するのか?安倍首相に日本人の魂はどこへやってしまったのかと問いたい。