私たちが小中学校の頃、日本が如何に遅れているか、西洋がどんなにすばらしい国かと散々聞かされて育った。しかし、良く考えてみると、西洋よりも日本は遅れていない、むしろ、日本の方がずっと豊かで、整備された国だったかということが次第に分かってきた。
江戸時代には、すでに100万人もの大都市を作り上げていたし、その生活を支える物資の輸送手段を持ち、住宅等も整備されていた。江戸は地下水が低く、井戸が使えないということから、上水道も整備されていた。また、大量に出る屎尿も、システマティックに近隣の農家に配られ、下肥として使うなど、合理的かつ効率的に処理されていたようだ。町中が悪臭の漂っていたロンドンやパリに比べると、日本は、何と進んだ国だったことか?また、文化の面でも、黄表紙や瓦版といった印刷物が大衆に広がっていたというのは驚くべきことだ。
日本人は、どうも何事についても極めるのが好きな民族らしい。建築物の装飾もすばらしいし、治水技術を駆使し、洪水の多い川を改修し、用水路排水路を整備し、新田開発を行うなど、その技術はすばらしいものがある。日本各地に点在している棚田などというものは、良くもこんな地形に作ったものだとしみじみと思う。身近なことについて言うと、例えば、そば打ちなども、技術を極め、喉越し、歯ごたえ、正に絶品と言われるものを作り上げている。しかし、それに満足してしまうのではなく、常に改良を加え、より高みを目指す当たりはまさに日本人の特長と言えよう。
最初は、外国のものを模して作るのだが、次第に、日本の風土、好み、味覚等にあったように変えていく。こういうところが日本の技術水準の高さを形成している要因と言って良いだろう。しかし、それをひけらかすわけでも、奢り高ぶるわけでもない。むしろ、常に謙虚に足りないところを見つめ、改善しようとするあたりはとても西欧人にはないところだと思う。
こうして数え上げていったら限がないので、今日はこの辺でやめておこう!
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